ライオンイーターは実在するUMA?百獣の王も食らう最強の猿!

猿人の画像 陸生動物

猛獣ひしめくアフリカで、最強の座に君臨するライオン。

そのライオンを襲って食らう敵がいるそうです。

『ライオンイーター』。

チンパンジーの知能と、ゴリラのパワーを併せ持つ、新種の猿らしい。

ということは、未確認生物UMAか?

ところが、ライオンイーターはすでに学者が確認し、その存在ははっきりとしている。

現在も観察されているといいます。

ライオンイーターは実在するのです。

「では、無名の最強生物?」

「ライオン食い」「ライオン殺し」と名付けられた、怖ろしい猿ライオンイーターを紹介しますよ!

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ライオンイーターとは?

1996年。

動物カメラマンのカール・アンマン氏が、博物館でゴリラの頭蓋骨を見つけました。

ベルギーの植民地時代の、アフリカ・コンゴ民主共和国のゴリラだとのこと。

「あの辺にゴリラはいないはずだが?」

よく見れば、ゴリラの頭蓋骨と違いもある。

「未知の類人猿がいるのでないか」

その推測にアンマンは駆り立てられるのです。

未知の猿を発見!

地元住民は、「その猿」をよく知っていました。

「熱帯雨林の奥地、“ビリの森”には、ライオンを食う猿がいる」

「毒矢でも死なず、月に向かって吠える」

「猿は2種類。“ライオンキラー”と“ツリービーター”だ」

「ライオン殺し」と、「木を殴る者」ですね。

名前からも攻撃的な雰囲気。

むろん、ライオンを食う猿などひとつもない。

アンマンの期待は高まります。

ライオンイーターは日本で使われる呼び名。
海外では
「ライオンキラー」
「ビリ・エイプ」
と呼ばれます。

ビリの森は、コンゴ民主共和国の最北部。

ほとんど未調査の地域でした。

深いジャングルには、猛獣や毒虫がウヨウヨいる。

そのうえ、コンゴはエブリデイ内戦みたいな国で、紛争が絶えない。

民族は200を超え、ゴールドやレアメタルなど資源が豊富で、利権を巡る争いもしょっちゅう。

しかも、周辺はエボラウイルスの発生地。

おかげで「生物学の空白地」だったのです。

新種の動物が見つかる予感がプンプンするじゃありませんか!

なんとかビリの森にたどり着いたアンマン。

そこで、奇妙な猿の群れを見つけます。

ライオンイーターの特徴

身長は1.5m。

大きなチンパンジーに見える。

観察を続け、いろいろと分かってきました。

  • ゴリラのように地面に巣を作る。
  • 樹上に巣を作る猿もいる。
  • 足のサイズはゴリラより大きい。
  • 糞量もゴリラ以上。
  • 頭蓋はチンパンジーより長い。
  • 若いうちから体毛が灰色。
  • 長い棒を使って果実やハチの巣を採る。

見た目は大きなチンパンジー、でもゴリラの習性も見られるのです。

「ライオンイーターはゴリラとチンパンジーが交配して生まれた新種かも」

「いや、猿と人間を繋ぐミッシング・リンクに当たる種ではないか」

生物学者、UMA信者も注目。

ところが、ライオンイーターの風聞は、変な方向に吹き始めるのです。

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ライオンイーターの性格は?

ライオンイーターの最も気になる特性。

「ライオンを殺して食べる」

やはり、人の好奇心はこの一点でしょう。

ライオンを襲えるなら、人間もターゲットに成り得る!

肉食はどうやら事実のようです。

本当に凶暴な肉食類人猿?

実際、学者も「ヒョウを食べるライオンイーター」を確認しています。

まあ、密林にいる猛獣はヒョウですから。

サバンナ暮らしのライオンとは、あまり遭遇しそうにない。

チンパンジーもゴリラも雑食で、小動物を食べることもあります。

でも、ライオンイーターのように大型肉食獣を食べることはない。

となれば、「ライオン食い」「ライオン殺し」の異名が暴走するのは当然でした。

調査に参加した学者も、その生態を怖ろし気に語ります。

「非常に攻撃的」

「人を威嚇し、ものを投げてくる」

「間違いなく私を殺そうとしていた」

そんな猿が群れでいるんですよ。

血に飢えた暗殺組織みたい

メディアにもそのほうが受けました。

アフリカの奥地、謎の猿、殺戮の習性。

オカルト的で、なんともおどろおどろしい。

「ライオンイーターは猛獣を襲って食う、凶暴な新種の類人猿」

こんなプロフィールが独り歩きしてしまった。

でも、これは事実無根なのです。

「ライオン殺し」は名前だけ

攻撃的で殺る気マンマンというのは、ある学者のフカシ。

衆目を惹きたかったのか、学者の箔を高めたかったのか、いい加減な情報を流したのです。

その後の調査でまったく否定されています。

Adult male Bili ape, Gangu Forest

現地人の言にあった「月に吠える」「ライオン食い」も誤解です。

声をあげることはありますが、月に吠えているわけじゃない。

ヒョウを食べていた目撃も、死骸を食べていただけ。

ライオンイーターが襲撃した証拠はありません。

主食は果実で、死骸があれば食べる程度らしい。

ライオンイーターは温厚なのです。

人を威嚇したりもしない。

むしろ、好奇心がとても強く、近づいてくるそうです。

おそらく、ビリの森はほとんど人も入らなかったため、人間への恐怖心が薄いのでしょう。

どうも「ライオン食い」は怪しくなってきました。

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ライオンイーターの正体

ライオンイーターは凶暴ではありませんでした。

では、ゴリラとチンパンジーの交雑種という話は?

それも残念。

ライオンイーターがチンパンジーであることは現在わかっています。

しかし、ただのチンパンジーとも言えないのです。

異文化を持つチンパンジー

ライオンイーターと、普通のチンパンジーには違いもある。

地上の巣、肉食もすること。

骨格にも微妙な差異が見られる。

これらから導き出されるライオンイーターの正体は?

「隔絶された地域で、独特の進化をしたチンパンジー」

になります。

チンパンジーは文化を持っており、生息地によって多様なのです。

ライオンイーターはビリの森で、ゴリラに似た特性を身につけたのでしょう。

「幻の猿の群れ」であることは変わりません。

これも大発見です。

そのライオンイーターの暮らしも変わりつつあります。

人間との接触が増え、最近は人を怖れる個体も増えました。

研究はしたいが、干渉は避けたい。

生物学者のジレンマですね。

「伝説のライオン殺し」でいたほうが、ライオンイーターは幸せだったかもしれません。

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まとめ

ジャングルに隠棲する凶悪な猿。

猛獣よりパワフルな肉食類人猿。

ライオンイーターの話を僕が最初に聞いたのも、そんな触れ込みでした。

「現代のキングコングか!?」

ちょっとワクワクしましたよ。

でも、チンパンジー。

変わった習性を持つだけだった。

未知の扉を開けてしまうと、ガッカリすることが多いんです。

ライオンイーターなんて大仰に呼ばれ、勝手に期待されても、「俺ら死骸を食ってるだけだよ」と彼らは迷惑なんでしょうが。

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