山奥の洞窟にドラゴンが棲む。
ファンタジーの定番ですね。
この設定にピンズドの未確認生物がいます。
【タッツェルブルム】。
ドイツ語の響きがお洒落でしょ。
名前もファンタジックです。
実際ゲームなどにも時々出てくるので、
名前に覚えがある人もいると思う。
タッツェルブルムはアルプス山脈に生息するUMAとして、
ヨーロッパではよく知られています。
別名は「アルプスドラゴン」。
どうやら竜のような、ヘビのような生物らしい。
でも顔はネコなんだとか。
ネコヘビ??……ですか?
しかし険しい山岳地帯。
目撃が多いとは言えず、その証言もまちまち
という、正体不明のUMAなのです。
この記事ではタッツェルブルムを紹介し、
目撃談から実在の可能性を探ってみましょう。
タッツェルブルムとは?
タッツェルブルムを知っていれば、なかなかのUMA通。
この魅力的なUMAは、日本であまり知られていません。
でも、ヨーロッパではかなり知名度がある。
タッツェルブルムの特徴
最古の記録らしいのは1711年。
山中で出会い、銃で撃ったというもの。
その後1779年。
山に入った男性が2匹のタッツェルブルムと遭遇。
逃げ帰った彼は、
あまりの恐怖から心臓発作で亡くなりました。
最初の被害者ってことでしょうか。
恐怖で命を奪う。
どんな生物かというと――
- アルプス山脈の洞窟に生息。
- 大きさ30cm~2m以上。
- ヘビのような長い胴体。
- ネコのような顔。
- 短い前肢。
(前肢2本だけとされるが、
4~6本足という意見もある) - 鉤爪。
なんだかわかるような、わからないような……。
下の動画でざっくりとイメージを掴んでおきましょう。
ヨーロッパに多いドラゴン退治の物語。
そのいくつかは、タッツェルブルムの被害と
駆除が元になっていると考えられています。
伝承される「アルプスのツチノコ」
ドイツ語で「爪足のある虫」という意味ですが、
スイス地方では「シュトルブルム(穴の虫)」。
オーストリアでは「ベルクシュトゥツ」。
フランスでは「アラッサス」。
――というように、名称も多い。
「プレッツェルワーム」と呼ばれることも
それだけ地域文化に定着しているのでしょう。
誰が呼んだか「アルプスのツチノコ」ともいわれちゃってる。
「語り継がれてきた、伝説のドラゴン・蛇」
背景はたしかにツチノコと似ています。
ただし、タッツェルブルムは
ツチノコほどその姿が固定されていません。
虫のような、爬虫類のような、化物のような、
想像しにくいUMAでもあります。
さらなる目撃情報で、正体が推理できるでしょうか。
タッツェルブルムは古くから目撃されてきた!
タッツェルブルム伝説も、19世紀にはやや具体的になります。
「家畜のブタを襲った、2mはあるネコ顔のヘビ」
「レストランに現れた、前肢だけのトカゲ」
スイス、ドイツ、イタリア、オーストリアで目撃が増加。
20世紀になると
「干し草で冬眠していたタッツェルブルムを発見」
「3m以上ジャンプする」
「タッツェルブルムと思われる、
ジュラ紀の生物の骨を見つけた」
「写真に撮った」
と、物的証拠らしきものも。
そうした情報は多いとは言えませんが、
80件に上ります。
下の動画を見ても、
イマイチ作り物感が漂うんですが。
現在まで「タッツェルブルム実在」
が証明されていませんから、
決定的証拠じゃなかったんでしょう。
新しい情報から特徴を付け加えるとすれば――
- 春から夏に目撃される。
- 攻撃的。
- 猛毒を持つ。
- 緑色の液体を吐く。
- 跳躍する。
- 皮膚はヌルヌル、または鱗状。
だんだんフカシが入ってるような気がする……。
タッツェルブルムの正体は、ますます謎なのです。
確かなのは、「細長い」生物ということでしょう。
しかし、ドラゴンってことは考えられない。
正体は爬虫類・両生類、哺乳類、未知の生物のどれかだと思われます。
タッツェルブルムの正体は?
タッツェルブルムはイタチではないかという説があります。
ネコ顔で、長い胴体。
イタチ、テンなどは冬山でも見られますし、可能性は高そうです。
未知のカワウソ説を主張する人もいます。
気になるのはタッツェルブルムが「虫」とされていること。
目撃者は虫だと思ったのでしょう。
哺乳類は虫に見えません。
虫に見えたとすれば昆虫、爬虫類的だったはず。
未知の両生類・爬虫類が有力
前肢2本しかない特徴に照らせば、すぐ思いつく生物がいます。
両生類のサイレン。
「後肢のないサンショウウオ」
「前足のあるウナギ」
みたいな生物で、
アメリカとメキシコで見られます。
大きいのは50cmにもなり、
ドラゴン……というには迫力はないけれど、
顔もまあ……ネコっちゃーネコかも。(どうかな……)
陸でも多少動けます。
ヨーロッパの洞窟性サイレン。
いても不思議はないと思う。
アルプスに隠棲するオオサンショウウオ
ともいわれます。
オオサンショウウオなら
2m近くになるし、獰猛性もある。
オオサンショウウオはいませんが、
数十cmのサンショウウオならヨーロッパにもいます。
でも、豚を襲うほどではありません。
凶暴な大型新種なのでしょうか?
もちろん、
後肢だけが退化したトカゲも考えられます。
オオトカゲなら食欲も旺盛。
人にも咬みつく。
両生類や爬虫類なら虫呼ばわりされるのもわかる。
ただ、それらは本来、温暖な地域にいるもの。
変温動物ですからね
アルプスの山中は住みにくいと思うんですが。
洞窟で新種が発見されることは珍しくありません。
特殊な環境が、奇怪な進化へ繋がりやすいのでしょう。
そうした隠棲生物が、ドラゴンやバジリスクの伝承になった。
タッツェルブルムもそんな生物なのかもしれません。
まとめ
タッツェルブルムはヨーロッパを代表するUMAです。
文学や詩にもよく登場し、現在はマスコット的存在。
その辺も日本のツチノコと似ています。
ネコ顔のヘビですからね。
可愛い系でも不気味系でもいけますよ。
実在するなら、
やはり両生類・爬虫類の種だと思います。
洞窟で特殊な生態と形態になった種ではないでしょうか。
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