楽しい夏は、虫に悩まされるのが難点。
特に「蚊」は嫌な敵です。
寝ている耳元で「プ~~~ン」とやられると、ガバッっと起きて灯りを点け、「蚊の死を見届けるまで寝るものか!」と、親の仇と出会ったように臨戦態勢をとってしまう。
たかが虫けらに、なぜあそこまで本気になれるのか……?
ところで、皆さんは殺虫剤派ですか?
僕は今でも渦巻きの蚊取り線香を愛用しています。
あの煙と匂いが、たまらなく好き。
あの燻煙は僕にとって、スイカ、花火と並ぶ夏の象徴なのです。
だから、使わずにはいられない。
もちろん、殺虫効果にも絶大な信用を置いています。
蚊取り線香は日本の発明品。
世界中で使われています。
でも最近は、煙や匂いが嫌われて、利用は減っているらしい。
体に悪いなんて誤解もされています。
蚊取り線香ファンとしては黙っていられません!
どうやって蚊を落とす?
近頃の殺虫剤は無臭が多い。
やはり匂いが嫌われるのでしょう。
僕はスプレーの殺虫剤も使うのですが、臭いがなくて加減がわからない。
「効いてるのかな?」と不安になって、余分に撒きすぎて、自分が気持ち悪くなったりする。
虫を殺すものだから、人間にも悪いのは当たり前。
「人にかけるな」の注意書きはそのためでしょう。
でも、蚊取り線香は人も浴びる。
煙と匂いの中に人がいる感じですよね。
しかし、特に気持ち悪くなったことありません。
なにが違うのでしょうか?
虫除けで活躍!ピレスロイド
殺虫商品は「ピレスロイド系殺虫成分」が使われています。
原料は「除虫菊」。
シロバナムシヨケギクとアカバナムシヨケギクがあります。
元はヨーロッパに咲いていました。
![](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2019/01/huki1.png)
虫除けに利用されるのはシロのほう。
アカは観賞用です
除虫菊の雌しべの下の種を作る場所(胚珠)に、「ピレトリン」という成分が含まれています。
このピレトリンに殺虫効果がある。
ピレトリンの化合物がピレスロイドになります。
ピレスロイドはあらゆる殺虫剤に使われています。
蚊取り線香の場合は、線香に練り込まれていて、火を点けることで揮発。
スプレー式などは、常温でも効果のあるピレスロイドで、熱は要らず直接攻撃。
使用法が違うので、蚊取り線香は効きが弱めです。
弱く長時間の線香と、強く瞬間攻撃の殺虫剤という違い。
だから、スプレーは人にかけちゃダメで、線香は大丈夫なのです。
「体に悪い」は誤解です!
「蚊取り線香は体に悪い」
それは多分「タバコ」のイメージだと思います。
火をつけてニコチン入りの副流煙を出すタバコと、殺虫作用のある煙を出す線香は、どこか似ていますからね。
結論を言えば、
蚊取り線香は人に害はありません。
殺虫剤ほど毒性は強くなく、哺乳類への害はないと思っていい。
具合が悪くなる人は――
- 煙と匂いで「害がある」と思い込んでいる人
- 蚊のレベルに貧弱な人
でしょう。
時々、換気したほうはいいのですが、害があるほどではありません。
ただし、昆虫類はもちろん、金魚など魚類、カエルやトカゲなどには毒になる。
これは電子マット、リキッドも同様。
犬猫は大丈夫ですが、ペットによって注意も必要。
でも、効果が弱いのなら、役に立たないのでは?
そんなことはありません。
使い方を知っておけば、蚊取り線香は優秀なアイテムなのです。
蚊取り線香の使い方
![蚊取り線香の画像](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2022/06/4820645_s.jpg)
金鳥さんのサイトによると、渦巻き蚊取り線香は長さが75cm。
約7時間ほどで燃え尽きるそうです。
![](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2019/01/huki3.png)
長く使える大型サイズ、
短いミニサイズもあります
元々は棒状で、すぐ燃え尽きていました。
けれど長くすれば邪魔になる。
とぐろを巻いたヘビを見て、渦巻き型をひらめいたのだとか。
蚊取り線香の歴史、開発の逸話も面白いので、興味のある方は調べてみてください。
とにかく、蚊取り線香は長時間燃やす必要があるようです。
蚊取り線香の有効活用
蚊取り線香の殺虫効果は弱め。
直接効く範囲は半径2mくらいでしょう。
しかし、揮散したピレスロイドは浮遊し、広がってゆきます。
時間をかけてゆっくり部屋全体に充満していくのです。
だから、離れている蚊にも有効。
その成分が長続きして、虫を寄せにくくもなる。
虫除けバリアのイメージ。
キャンプや屋外での夕涼みには重宝するでしょう。
屋内では煙に注意です。
部屋全体にピレスロイドを行き渡らせつつ、煙たい、目が痛むと思ったら換気する。
拡がり具合は、煙があるからわかりやすい。
たまに置き場所を変えて、満遍なく広めればいい。
狭い部屋なら一巻使わなくても、10~20cm燃やせばOK。
僕もそんなセコい使い方です。
他の殺虫剤の補助と考え、アロマを焚く気分で使えば、いいんだと思います。
灰は完全に消えたのを確認してから、捨てましょう。
ハエ・コバエにも効果ある?
蚊取り線香にはハエ用のものもあります。
一般のものは蚊の専用。
ハエ類には効果が薄いようです。
ただ、僕の体感的に、ハエ除けくらいにはなる気がします。
ハエにも好ましくないのはたしかでしょう。
ピレスロイドは昆虫全般に効く神経毒なので、ハエやコバエ被害を軽くする期待はできそう。
煙と匂いで、使用が減る蚊取り線香。
特に「匂いが嫌」という人は少なくない。
そう言う本人も別に芳香を醸しているわけじゃないんだけれど、自分以外の匂いは気になるんでしょうね。
けれど、スプレー式は黙視して使いますが、蚊取り線香は放置型の殺虫剤。
見えない蚊も落としてくれる。
その「楽さ」も僕は気に入っているのです。
まとめ
近頃、使われなくなった渦巻き蚊取り線香。
僕はあの形を見るだけで、気分が夏になる。
どうせ虫を殺すなら、情緒的に始末したいと思っています。
なんか、スプレー式は殺す気マンマンになって、気分がささくれ立っていけません。
最近は香りのいい、煙の少ない商品もあるようです。
また専用の容器?も可愛いデザインになって、楽しいらしい。
企業努力ですね。
だけど僕は従来の線香が好き。
煙でむせかえるくらいの部屋で、ビール飲む。
いつまでもそんな夏を過ごせたらいいなぁ。
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