能天気なまでに実直なイヌに比べると、ネコは腹の中が読みにくいペットですよね。
あの神秘性がネコの魅力。
それが「たまらない」と好む人がいる一方で、「気味が悪い」と感じる人もいるようです。
事実、ネコには不思議が多い。
「空間をじっと見てるけど、いったい何が見えているの?(ガクブル)」
「ネコの集会、何を企んでいるの?」
「黒猫が前を横切ると不幸がやって来る?」
魔性のペットに恥じない謎がいっぱいです。
そんなネコのミステリアスには、どんな理由や真実があるのでしょうか。
ネコの腹の中をちょっと覗いてみましょうか。
ネコが見ているのは幽霊じゃなかった!
古来より、西洋ではネコは魔女の使い魔という設定です。
日本でも長く生きたネコは尻尾が二又に分かれて化け猫になるなんていわれます。
一生に一度だけ、人間の言葉を喋るという話も聞いたことがある。
どうもネコって動物は、洋の東西を問わず魔性を感じさせるようです。
僕の家でも17、8年ほどネコを飼っていたことがあるんですが、よく
こいつ何考えてんだろ?
と思うことがありました。
ネコの行動で怖いものに、何もない場所をじっと凝視するのがあります。
「なにか見えてるのか?……い、い、いるのか?」と背筋がゾッとする。
ネコを飼っている人なら一度や二度ありますよね~。
当たり前ですが、多分ネコにもお化けが見えているわけではありません。
だいたい、ネコは視力が弱いのです。
その代わりに聴覚はスゴい‼
人間の10倍!あの耳がいいイヌの2倍という高性能!
特に高周波を聞き分ける能力が断トツなのです。
ネコが高音の女性に懐きやすい傾向があるのもこのため。
男性の低い声をネコは“叱られてる”と思うんだって
さらに、ネコには微妙な変化を感知するヒゲというレーダーもあります。
そう、ネコはとてつもなく敏感な動物なのです。
神秘的で霊感のありそうなネコが、壁の向こうの、人間には聞こえない音をじっと聞いて、それが何か考えている姿が、人間には「霊が見えている」ように見えるだけのようです。
こうしたネコの高度な感知システムは、ネコ族が捕食者の頂点にあることと無関係ではありません。
例えば密林のトラを考えてみてください。
視界の悪い密林はあちこちに危険が潜んでいます。
たいていのネコ族は単独行動で、誰も助けてはくれません。
危険な場所で単独の狩りをするのですから、視力よりも聴覚、嗅覚、気圧や風の流れを感知する能力を高めておかなければ生存が脅かされるでしょう。
家で寝そべっているネコも、その能力を失っていないのです。
小さくても、ネコはちゃんと周囲の状況を確認しているんですね。
でも霊が見えていない確証もないんですが
ネコは単独行動といいましたが、群れることもあります。
有名なネコの集会。
たまに出くわすと、なんかドキドキしませんか?
「ダークな異世界に迷い込んじまった」みたいな気がする。
あの集会にも意味があるようです。
ネコの集会の真実。実は人間も参加できる
ネコの集会は都市部で見られることが多いです。
時間は主に夕方から夜。
出席条件は『ネコであること』。
オスもメスも、子ネコも老ネコも、飼いネコも野良ネコも参加可能。
集まるだけで、これという親睦はなく、互いに数メートルの距離を取り、接触はあまりない。
悪の組織の幹部連中が無言で牽制し合っているような緊張感もある。
人間の目にはとても異様な光景です。
ネコの集会の理由は不明なのですが、いくつか仮説があります。
◆政治的談合説
地域のネコが集まり、お互いの縄張り、上下関係などを確認し、無駄な争いを避けるため。
◆合コン説
要するに出会いの場。交尾相手を探したりする婚活にも利用される。
◆情報交換説
「三丁目の婆さんは餌をくれるよ」「公園のゴミ捨て場は美味いものが多い」と有益な情報を共有している。
飼い主の愚痴や、夫婦の愛憎劇まで報告しているかは不明。
◆偶然説
ネコが気持ちのいい場所に行ったら、単にそれが重なっていただけというもの。
酷暑の日に人間が涼しい場所に集まってしまうのと一緒。
――などなど。
アホっぽい仮説ばかりな気もしますが、ネコ集会は世界中で開催されており、動物学者が提唱しているんですよ。
これは僕個人の考えですが、『野次馬』だと思っています。
最初のネコがある場所で落ち着き、
「仲間がいるな」と別なネコが近づいて、2匹3匹と増えていって、
「なんで集まってんだろ?とりあえず俺も行ってみよ」と数を増やし、
「あ~仲間ばっかで安心するわ~」とみんなで座り込んでしまった結果ではないでしょうか。
集まったついでに談合や出会いがあるかもしれないですね。
ちなみに、ネコの集会には人間も参加することができます。
ネコたちを驚かせないように静かに輪に加わり、何もしなければいいのです。
もしネコのほうから寄ってきたら、遊んであげればいいでしょう。
変な人に見られそうですが
最後に「黒猫が横切ると不吉」の言い伝えにも触れておきましょう。
なんと黒猫は福を運んでいた!?
いきなりですが、「黒猫が不吉」というのは嘘です。
それどころか、西洋でも日本でも「黒猫は幸運を運ぶ」とされていたのです。
クロネコヤマトの宅急便も「幸運を届ける」に由来しています
それがどうして逆の意味になってしまったんでしょうか?
これには諸説あるようですが、「幸運を運ぶ」が「幸運を持ち去る」と曲解されたことが考えられます。
「持ってくる」が「持ってゆく」になっちゃたんですね。
黒という色も悪魔的な印象があり、悪い意味のほうが広がってしまったわけです。
まあ、福を運ぶ黒ネコが前を横切るということは、福にシカトされているのだから、不運といえば不運ですが。
黒猫は中世の魔女狩りの時代、魔女のネコと誤解されてひどい目に遭いました。
黒猫の胸や腹の一部だけが白い毛になっているものがあります。
これは『エンジェルマーク』と呼ばれていて、魔女狩りの迫害から逃れることができました。
エンジェルマークのある黒猫が生き残り、その遺伝子が多く引き継がれた結果だといわれています。
あらぬ誤解を受け、つらい思いをした黒猫だからこそ、人を幸せにできるのかもしれない。
不吉だなんて嫌わずに、可愛がってあげましょう。
まとめ
ネコほど「ミステリアス」という言葉がふさわしい動物もいないでしょう。
そうした印象も、ネコが長く人間と関わりがあり、その行動や仕草がよく知られていたからだと思います。
社会性動物の人間の目には、孤高を貫くネコは奇妙な存在であり、理解しにくい部分もあったようです。
ネコの不思議な噂が多いのは当然ですね。
うちで飼っていたネコはずいぶん長く生きて、「そろそろお別れかな~」と思っていた矢先に家から飛び出し、帰ってきませんでした。(いつもは戻ってきてたのに)
最期を見せたくなかったのか、どこかで化け猫になったのか……
化け猫になってたら、たまに会いにくればいいのにな~。
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