『実は飼いにくい?』ハリネズミ飼育前に知るべき現実

ハリネズミの画像 ペット

人気が右肩上がりのペット「ハリネズミ」

愛らしい顔に、トゲトゲがミスマッチ。

タワシとか坊主頭とか無性にナデナデしたくなる欲求も満たせそう。

そんなハリネズミは日本にも生息しています。

というか、捨てられたハリネズミが野生化し、繁殖している。

どのペットにもある話。

でも、捨てられるというのは「飼いにくいから」ではないのか。

「懐かない」「針が痛い」なんて話も聞きます。

どうしてハリネズミは捨てられるのか?

飼う前にハリネズミ飼育の「負の部分」に目を向けることも大事ですよね。

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捨てハリネズミが増えている?

ハリネズミは背中に針のあるネズミ。

実際はネズミではなく、モグラに近い動物。

ペットによくされるのは
ヨツユビハリネズミ(ピグミーヘッジホック)。

片手に乗せられるサイズです。

他のハリネズミも30cmほどで、抱きかかえるのにちょうどいい大きさ。

値段は1~3万。

ウサギやハムスターより贅沢なペットですね。

それなら、なおさら捨てないと思うんですが、そうでもないんです。

日本で野生化したハリネズミ

本来、ハリネズミ属は日本にいません。

しかし、神奈川県、静岡県ではアムールハリネズミの定着が確認されています。

おそらく飼い主が捨てたか、逃げ出したものが繁殖したのでしょう。

アムールハリネズミの目撃は北陸、東北にもある。

数はまだ多くありませんが、
アムールハリネズミは日本より寒い中国北東部や朝鮮半島に生息する種なので、増える懸念もあるのです。

現在、ハリネズミ属は特定外来種に指定。

ヨツユビだけがペット販売されています。(2020年)

でも、そのヨツユビだって日本での繁殖は可能らしい。

元々いない動物が定着し、生態系を壊すことは許されません。

数万円も出して買ったハリネズミを捨てるのはなぜか?

ハリネズミの飼育はけっこう難しく、「捨てたくなる」可能性が高いのです。

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ハリネズミは面倒臭いペット

ところで、ハリネズミ飼育はどんなイメージですか?

僕はハムスターを飼うようなイメージ。

見た目も似てますしね。

事実、ハリネズミとハムスターは飼い方も似ています。

だから、とても簡単に思える。

しかし、ハムスターとハリネズミでは、「ペットのキャリア」が違う。

ハリネズミはまだ野生を残しているのです。

ハリネズミ飼育のデメリットはいくつかあります。

  • ハリネズミは人に懐きにくい。
  • あまりスキンシップできない。
  • 針が痛い。
  • あちこちで用を足す。
  • 気温や湿気に気を遣う。
  • 餌に昆虫を与える。
  • 病気がわかりづらく、診察できる獣医も少ない。

などです。

「懐かない」「針が痛い」

「懐きにくい」「スキンシップできない」は、ハリネズミが神経質だから。

針を背負うほどの臆病者が、人間にホイホイ近づくわけありません。

無理に触れようとしても、ハリネズミのストレスになるだけ。

また、夜行性なので、飼い主と「すれ違いの関係」になりがちです。

ただ、これには個体差もあります。

「懐く」というか、「慣れやすい」性格の個体もいます。

昼間でもよく遊べる個体もいる。

外れると、「思ったほど可愛くない」と感じるかもしれません。

ハリネズミの針は毛が塊になったもの。

普段は寝かせています。

なにかに驚いたりすると、針を立てる。

「総毛立つ」ってやつですね

毛ですから、針ほどではないにしても、爪楊枝くらいの感覚はある。

手乗りさせていたハリネズミが針を立て、それに驚いて落としたり、放ってしまう飼い主もいるらしい。

「飼ってやってるのに攻撃しやがって」と思うかも。

そんなことがあると、友好関係も築きにくいんでしょう。

ホントに痛そうだもん。

ORIGINAL VIDEO: Kitty sits on hedgehog!

厄介な環境作りと餌やり

ここからは物理的な問題です。

ハリネズミは活動的な生き物。

部屋を散歩させる必要があるのですが、あちこちに小便をして回る。

トイレのしつけも難しく、悩んでいる人も多い。

さらに、飼育環境。

ハリネズミは温度25℃前後、湿度50%前後が基本で、その範囲を大きく外れると動かなくなったり、最悪あの世に行ってしまう。

なかなかデリケートですね。

この性質は餌の好みにも表れます。

ハリネズミ用の餌だけでは飽きちゃうことも。

それで、いろいろなものを食べさせるといいのですが、ハリネズミの好物は昆虫なのです。

コオロギやミールワームは大喜び。

でも、虫嫌いの飼い主さんは苦行になる。

この辺が人工飼料か、せいぜい野菜でも済むハムスターやウサギと違うところ。

ワイルドな面と、神経質な面があって、つき合うのは面倒な相手です。

動物病院も見つけておこう!

最後の病気はどうでしょうか?

ハリネズミは比較的、病気はしにくい。

それでも飼われていればストレスもあるし、過食や運動不足も起こる。

日頃のチェックは欠かせません。

でも、食欲はいつも旺盛で、気づきにくいこともあるようです。

なにかあれば頼るのは動物病院。

ハリネズミを診察できる獣医は、都市部なら探せるでしょう。

ハリネズミ需要が増している昨今、獣医も合せている。

地方はなんとも言えません。

ハリネズミを飼う前に、近場の動物病院で診察できるか、確認を取っておくと安心でしょう。

ハリネズミを捨てないためには?

ハリネズミの野生化は、特に昆虫に影響があるといわれます。

ミミズやカタツムリも好物で、固有種が危険にさらされることもある。

やはり、繁殖されると困ります。

今はまだ深刻ではない。

でも、飼う人が増えれば、捨てられるハリネズミも増えると考えていい。

それを減らすのは、ありきたりですが「飼い主の責任」。

要するに、上記のことも納得し、覚悟を持って飼うのなら、ハリネズミは楽しいペットになってくれるでしょう。

捨てることもしないと思います。

後先考えずの衝動買いは、ハリネズミ飼育の難しさに耐えかね、捨てる選択をしちゃうかもしれません。

ペットショップで「可愛い~飼っちゃお」の前に、
「ちょっと待てよ」と間を置き、情報を集めてから決めてほしい。

それが飼い主もハリネズミも幸せになるコツですからね。

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まとめ

ハリネズミはたしかに心惹かれるペットです。

一目惚れで飼育したくなるのもわかります。

けれど、そこは生きた動物。

手を焼いて、捨ててしまうことになるのでしょう。

ネズミと付けられていることも、捨てやすい理由に思えます。

「自然に還してあげるほうがこの子の幸せ」みたいな気になる。

それは罪悪感からの逃避です。

捨てられて幸せなペットなんていません。

ハリネズミに限らず、ペット飼育は理想と現実に必ずずれがあります。

「こんなはずじゃなかった」とならないよう、飼育の難易度も押さえておく必要があるのです。

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