日本人はランキングとか大好きですよね。
世界三大美女とか、世界三大料理とか、人は特にトップ3を集めるのが好きなよう。
いろいろな「三大」があります。
「日本三大怪魚」というのもある。
世界だと候補がいくつもでてきますが、日本の怪魚ってわかりますか?
もちろん、食卓にあがるサンマやアジは入ってませんよ。
答えは
・アカメ
・イトウ
・ビワコオオナマズ
です。
馴染みがなくて、リアクションとりづらいかも。
記事ではこの3種について説明するのですが、今その座が脅かされてもいます。
大型の外来種が日本に侵入し、繁殖している!
世界の怪魚がウヨウヨなんです。
日本の怪魚は生き残れるのでしょうか?
アカメ
スズキの仲間アカメ。
アイキャッチの画像がアカメです。
河口で釣ることもできて、釣り人ウハウハの大魚ですね。
アカメとは?
アカメが生息するのは西日本の太平洋。
特に高知県と宮崎県でよく見られます。
アカメという名は、血のような色をした真っ赤な目からつきました。
その赤目が悪魔的で、怪魚なのでしょう。
背中が盛り上がり、縦幅があるのでスズキより風格がある。
大きさは1m以上。
2016年に131cmのアカメが釣られ、これが最大記録です。
どうってことない気がしますか?
しかし、地元漁師は人間の背丈と変わらないアカメも見るといいます。
すると、150cmを超える……。
夜行性で性格は慎重。
肉食のアタッカーですから、アカメ狙いの釣り人は多いです。
アカメを釣る
シーバスと同じ仕掛け、ポイントで釣れるのもアカメの魅力。
ただし、アカメを狙うならラインは太めのほうがいい。
さらにアカメは絶滅危惧種で、釣りが認められている場所が少ない。
敷居はちょっと高いけど、一度は釣ってみたい怪魚です。
イトウ
北海道に生息する日本最大の淡水魚。
絶滅危惧種で「幻の魚」ですが、養殖されてもいて食べたり飼ったりできちゃいます。
イトウとは?
体長1~1.5mになるサケ科のイトウは、サケと同じく川→海→川と住処を変えます。
昭和12年には2.1mのイトウ捕獲の記録もある。
アイヌの伝説には、4、5mものイトウがヒグマを飲み込んで喉を詰まらせたとか、巨大イトウの死骸が川を堰き止めて湖ができた、なんて話もあるんです。
とにかく大きさが自慢の怪魚でしょう。
でも、大きくなるのは時間がかかる。
1.5m級のイトウに出会うとなると奇跡的ですよ。
山形県大鳥池に棲むという未知の巨大魚タキタロウは、このイトウが正体ともいわれていますね。
ちなみに、イトウを欧米に初めて知らせたのは、函館にも来航したペリー。
学名にペリーの名前も入っています
イトウを釣る
イトウを釣るには北海道北部にまで行かないとなりません。
天塩川、猿仏川、朱鞠内湖などがよく釣れるといいます。
ルアーかフライで狙う。
幻といいますが、ほとんど釣れないような魚でもありません。
もちろん釣ったものはリリースが原則です。
ビワコオオナマズ
琵琶湖およびその流出河川だけに生息するナマズ。
淀川の下流でも時々見られます。
日本三大怪魚のうちで絶滅危惧種じゃないのはこのビワコオオナマズだけ。
ビワコオオナマズとは?
ビワコオオナマズは珍しい魚ではありません。
でも、アカメは東南アジア・台湾、イトウはロシアでも見られるのに対して、ビワコオオナマズは日本の固有種です。
全長は1mくらい。
最大で1.2mにもなりますが、1m超えはメスがほとんどです。
上顎より下顎が突き出している肉食魚で、ブラックバスやブルーギルも丸飲みできる在来魚はビワコオオナマズだけ。
普通にペットショップにいたりします。
なんでも食べるので飼育自体も難しくないでしょう。
まあ、180cmサイズの水槽は必要ですが。
ビワコオオナマズを釣る
ビワコオオナマズの釣りは、琵琶湖よりも川で釣るほうがおススメですね。
広い琵琶湖ではポイントを定めにくいのです。
ルアーでも餌釣りでもOK。
食いつきもいいです。
ただし大きいので、タックル、リール、ラインの強度には注意が必要。
ビワコオオナマズは持ち帰ってもいいのですが、やはり大切な在来種ですから、ファイトを楽しんだらリリースしてあげてください。
日本三大怪魚の総括
アカメ、イトウ、ビワコオオナマズをさっくり説明してきましたが、いかがでしょうか?
僕の正直な感想をいえば、「イマイチだな……」です。
どれも大物で、魅力的な魚ですよ。
でも、怪魚というには物足りない。
とりあえず日本にいる大きな魚を3つ揃えましたってだけに思える。
「日本三大ローカル魚」って感じ。
世界の壁は厚い……。
ところが今は日本の河川もグローバル。
世界の怪魚たちが日本で繁殖し、着々と侵略してきているのです!
日本にもいる世界の怪魚たち
ブラックバスが繁殖して、日本の生態系を破壊している。
そんなニュースもよく聞く昨今。
海外から持ち込まれた魚は「特定外来種」、ようするに「タチの悪い侵略者」と認定され、注意が呼びかけられているのはご存知ですよね?
- 凶暴なピラニア
- 人食いもするというヨーロッパオオナマズ
- 2mにもなる奇怪な古代魚アリゲーターガー
- 中国の巨大魚アオウオ
……どれも日本で見つかっている怪魚です。
怪魚というより怪物魚だね
小さい熱帯魚なんかいくらでも日本の川で泳いでいる。
魚ではありませんが、人の指なんか軽く食いちぎる危険なワニガメ、カミツキガメも日本で繁殖しています。
在来種が駆逐されるだけではなく、人間への被害も心配ですよね。
外来種に一番やられそうなのはビワコオオナマズ?
繁殖・定着してしまったら、完全な駆除は不可能。
危険な怪魚がどれほどのレベルで日本に存在しているのか、わかりません。
これらの外来種は人間が持ち込んだもの。
「なにかの目的のために輸入した」
「ペットにしていたが手に余って放流した」
そんな理由がすべてです。
つまりは無責任の結果。
人間の身勝手で持ち込まれた外来魚も被害者ですが、そのせいで棲みにくくなって滅ぶ在来種はもっと不幸ですよ。
日本三大怪魚のうちで、北国のイトウは比較的安全でしょう。
危険な外来種はほとんどが南国生まれですし。
環境保護さえすれば滅亡はなさそう。
アカメもまず大丈夫と思う。
でもビワコオオナマズは微妙ですね。
琵琶湖は外来種がよく捨てられる。
日本一大きい湖を、でっかいゴミ箱みたいに考えている人が多い。
川や下水ではなく、広い湖に捨ててやることで、罪悪感が薄れるんでしょうか?
盛んなペット産業は、こうした弊害も生んでいるんですね。
日本の怪魚の運命もどうなることやら……。
まとめ
アカメ、イトウ、ビワコオオナマズ。
怪魚とはいえ、普通に釣れるし、地元ではそれほど珍しくない。
もうちょっとUMA感がほしかったところです。
しかし、日本に古くからいる大物ですから大事にしたいと思います。
それには外来種の脅威をしっかり認識して、ペットを捨てないようなモラルの高まりが不可欠。
在来種が守られるかどうかは、その国の国民の質の高さに因るといえるかもしれないですね。
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