僕が子供の頃、宇宙人といえば多種多様なものでした。
タコの火星人も、怪獣みたいなのも、金髪の美形も、いろいろいたものです。
中でも記憶にビシッと残って離れないのは『フラッドウッズ・モンスター』。
もう異彩を放っていましたね~。
スペード形の被り物かなんかして、スカートをはいたみたいなファッションセンスは、どう見ても近寄っちゃダメなヒト?でした。
姿が有名すぎて忘れられがちですが、事件そのものも実は面白い。
それは宇宙人なのか、UMAなのか、それとも動物の誤認か?
事件について検証してみましょう。
墜落したUFOのそばに立つ異形の宇宙人
1952年、アメリカ東部のウェストバージニア州フラッドウッズの町で事件は起こります。
だからフラッドウッズ・モンスターなんですね。
9月の夕暮れ時――といっても19時頃ですが――外で遊んでいた少年たちが、近くの丘に物体が落下するのを目撃します。
「UFOかな~」
少年の一人の母親を加えて、丘へ行ってみると、そこに直径3mの輝く球体が。
さらに刺激臭のする霧(煙?)が周囲に漂っている。
そして球体の近くに、この怪物はいたのです!
なんだか昔のウルトラマンシリーズの話みたい
怪物の身長は3m。(3.6m以上あったともいわれます)
赤く丸い顔に、オレンジ色に光る目。
特徴的なスペード型のフード。(顔の一部なんでしょうか?)
金属質の四角い胴体から突き出た細い腕の先に、カギ爪の手がついている。
緑色のスカートのようなものをはいている。
イメージがつきにくければ動画で確認しよう!
こんな怪物がシューッと音を立て、浮かんで近づいてきた。
少年たちはダッシュで逃げる。
そりゃビビるわな
その後、現場にいた何人かは喉の痛みや嘔吐に苦しめられたといいます。
これがフラッドウッズ・モンスターとの遭遇事件なのですが、騒動はまだまだ終わりません。
影響力ハンパない!記憶に刻まれる存在
この事件は全米で報じられ、舞台となったフラッドウッズの町にもマスコミや野次馬が押し寄せます。
目撃者の話から、あまりにも有名な例のイラストが作成されます。
日本では『3mの宇宙人』というヒネリのない名前で紹介されていました。
昭和を代表する宇宙人ですね
それが僕のような純真無垢な?少年に多大なトラウマを残すことになります。
なにしろフラッドウッズ・モンスターは容姿がとにかく奇怪。
宇宙人というか、ロボットというか、スタンドというか、とにかく変です。
僕は子供時代、「これはロシアに現れた宇宙人だ」と思い込んでいました。
フラッドウッズ・モンスターの異様さが、まだ情報の乏しかった共産国のよくわからないイメージと重なったのでしょうか。
宇宙人なのだから正体不明でも許せるのですが、たくさんのタイプがいた昔の宇宙人も、それらはどこか地球の生物の延長線上にあったと思うのです。
人間型やトカゲ型だったり、ナメクジ型やロボット型であっても、一応は想定内の範疇といえました。
フラッドウッズ・モンスターはなんというか、すごく異質だったんですよ。
この怪物をモチーフにしたキャラクターは、今も映画やアニメやゲームなどに登場します。
フラッドウッズ・モンスターが頭抜けてインパクト大だったので、多くのクリエイターによってオマージュされているわけです。
これほど長期的な人気の宇宙人はいないですよ。
じゃあフラッドウッズ・モンスターは何だったのか?
これには鳥を見間違ったという解釈がよくされます。
あの宇宙人業界のグッドデザイン賞がただの鳥?
次項で確認してみましょう。
あのイラストは嘘?正体は何だったのか?
フラッドウッズ・モンスターはフクロウだったと唱える人がいます。
丸い顔と、大きな目。
3mという高さ。
カギ爪。
浮いたように移動する。
フクロウなら全部可能だね
シューッという音は、メンフクロウの鳴き声に似ているのだそうです。
丘に落下したのは隕石で、霧は衝突で立ち昇った煙。
宵闇と煙で視界の悪いところに、パニック状態だった目撃者の前に、フクロウが飛んでくる。
上に浮いたフクロウの顔と、地面の草木がスカートのように見え、それが一体の長身の宇宙人に見えたというのです。
筋は通りますが、無理やり感も覚えます。
まず、隕石かUFOか、当日何らかの光る落下物があったことは多くの証言があるので確かでしょう。
フラッドウッズ・モンスターの近くにあったという直径3mの球体だと思われます。
ところが、これほど大きな物体が後で見つかったという情報がない。
球体が隕石で、宇宙人がフクロウなら、その場に残っているはず。
少なくとも痕跡はあるでしょう。
直径3mにも見えた物体が、跡形もなく消えているのはなぜでしょうか?
フクロウ説はその謎を解決していません。
僕はフラッドウッズ・モンスターの絵のほうにも間違いがあると思います。
あの宇宙人は独創的すぎます。
いくつかの証言(それが何かを見間違ったものでも)を総合し、まとめてみたらあの絵になったんでしょう。
実際、あの絵は後から描かれたもので、目撃者は後日、もっとシンプルな形だったと回顧しています。
それでも何か奇抜なものがそこに“いた”のは事実なようです。
それが何だったのかは、もう明らかにはならないです。
宇宙人だったのか、未知のUMAなのか、偶然の産物かはともかく、フラッドウッズ・モンスターは大きな影響を残して、これからも語り継がれてゆくのでしょう。
まとめ
一度見たら忘れないのがフラッドウッズ・モンスター。
僕には『古き良き時代の宇宙人』という印象があります。
あのグレイとかいうテンプレートな宇宙人は、どうも仲良くなれそうな気がしない。
宇宙人ってもっと楽しいものでいいじゃないかと思えるんです。
陰謀とかそういうの無しで、フラッドウッズ・モンスターみたいな屈託のないヘンテコ宇宙人のほうが夢があると思いませんか?
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