タコというのは本当によくわからない生物です。
その外観は見るからにどうしようもない軟体動物。
なのに、中身は高スペックの部品が揃っています。
とにかく知能が高い。
タコの頭がいいなんて誰が思うでしょう?
日本では「タコ」といえば、「お前はバカか」と同義ですよね。
いやいや、タコは途方もないポテンシャルの持ち主なんですよ。
頭がいい証拠に、タコは感情的で、個性もある。
あれで意外と人間臭い。
さらに、単独行動が基本と思われていたタコが、集団生活もするタコの町『オクトランティス』なる場所も最近発見されました。
このタコ町が、タコの知能を高める可能性があります。
知能を極限まで上げたタコ……それって、まるで宇宙人じゃありませんか!
多才多芸!タコの知能はイルカを超える?
サッカーW杯などの結果をタコが占うなんてニュースを見たことありませんか?
「タコが近づいた国旗の国が勝つ」ってやつ。
サッカー評論家でいいだろ
タコに占いや予知ができるとは思えません。
あんな芸当ができるのは、タコは物の色や図形を認識できるからです。
嗅覚に頼りがちな軟体動物ごときには、異質のスキルといえるでしょう。
ピンポン玉程度の脳みそなのに、タコは無脊椎動物でもっとも知能が高い。
視覚の発達した動物は、その映像を解析する知能も必要です。
タコの賢さはこれだけじゃありませんよ。
例えば、貝殻やココナッツの殻などを盾にして身を守る。
道具を使うことができるのです。
ビンを与えれば、腕でいろいろと試し、蓋を開けてしまいます。
試行錯誤する動物はほとんどいない。
人のやっていることを見て、真似して、覚えちゃう。
一度覚えたことは、ほぼ一生忘れない。
学習力、記憶力も兼ね備えています。
僕が聞いた話で一番驚いたのは、別な生き物を囮にして餌のカニをおびき寄せるというものです。
タコは「こうすれば→こうなる」という深謀遠慮まで企てる。
こうしたスキルは、イルカや霊長類などの高等哺乳類に匹敵するといえるでしょう。
加えて、どんな狭い隙間でもすり抜ける柔軟性、体の色を変えたり他生物に模倣する変則性、地上でも生きてゆけるタフさも兼ね備えています。
海に近い畑がタコに荒らされることもあるんだって
まさに知恵のある優秀な忍者ですよ。
タコの知能がどれくらいなのか?
それははっきりわかっていません。
学者は「3歳児くらいだろう。イルカよりは劣る」と考えているようです。
でも、イルカにビンの蓋は開けられません。
腕があるため、やれる行動はイルカより遥かに多いと思う。
人間の知能が高いのは、手を器用に動かすことで脳が活発になるからという話もあるのです。
だとすれば、タコはイルカ以上に脳を働かせているでしょう。
一部には「人間と同じくらい賢くなれる」という人もいる。
まさにウェルズの『宇宙戦争』に登場する火星人ですね。
宇宙人といえばタコ型の概念を全世界に植え付けたSFの古典です。
過去、アメリカでラジオドラマになって、パニックを引き起こしたという事件で有名なアレです。(知りたい方は動画で見てみよう)
実際、タコの進化には謎も多く、「宇宙から来た生物」としか考えられないところもあるんです。
タコの進化は謎だらけ。宇宙起源かも!?
タコは貝から進化したとされています。
わかりやすいのはオウムガイ。
アンモナイトみたいな巻貝から、何本もの触手を出している、南洋のオトボケ生物。
英語名の“ノーチラス”が有名ですね
オウムガイが殻を脱ぎ捨てたものがイカやタコというわけです。
タコにはありませんが、イカの胴体には骨のような貝殻の名残りが残っていますよね。
タコは殻を脱ぐことで自由になった。
裸族の自由とでもいいましょうか。
しかし、それだけでは高い知能、好感度の目、精緻すぎる神経構造を持った説明がつきません。
これは人間が類人猿から飛躍的に進化した謎でもいわれることですが、宇宙からもたらされたウイルスなどの影響で、DNAが大変革を起こした結果なのかもしれないのです。
タコの突出ぶりは、そのくらい度が過ぎています。
なんと、タコのゲノムは人間のものより複雑で、数も多いんです!
タコは非常にアンバランスな生物で、中身の精巧さのわりに、体はあのようなズタ袋。
手作りPCで、最高級の部品は揃えたのに、それでお金を使い果たして、仕方なく外側は段ボール箱で間に合わせましたみたいな感じ。
まともな進化をしてきたとは思えません。
超常的なドーピングでもなければ、あんな統一感のない生物はあり得ませんよ。
あるいは、隕石に卵がついていて、それが地球で繁殖した地球外生命体とも考えられる。
まあ、そこまでSFな話ではないでしょうけど、ウェルズが生み出したタコがモデルの火星人はかなりの慧眼といえるでしょう。
定かではありませんが、海洋生物ではタコとサメの研究者が特に多いと聞いたことがあります。
生態から進化まで不思議なことだらけのタコですから、研究者の関心も高いのかもしれません。
そして、タコに関してまたまたニュースが飛び込んできました。
タコが町を作っているというのです!
集団生活で知恵がつく。タコ町が示すタコの未来とは?
タコがシムシティーをやってるわけじゃありませんよ。
オーストラリア沖で、貝殻やゴミを寄せ集めてアパートのような住処を作り、10~15匹のタコが集団生活をしているのが発見されたのです。
調査した結果、そのアパートが何世代にも渡って使われているらしいこともわかりました。
これ、とっても驚きのニュースなんですよ。
なぜなら、タコは単独行動が絶対というのが常識。
タコ同士が接触するのは交接時だけというくらいドライで、集団生活はまったく知られていなかったのです。
この町は『オクトランティス』『オクトポリス』などと呼ばれています。
日本ならタコ銀座ってところかな
僕はこれまで、タコの凄さを強調して書いてきました。
でも、この斬新な生物であるタコには、運命的な欠点がひとつあります。
それは寿命が短いこと。
タコの寿命はたった3年ほどなのです。
つまり、タコは3年しか学習時間がない。
これが、タコの知能をはっきり計れない理由です。
タコは生まれたときから一匹ダコで、ゼロから独学で知恵をつけてゆきます。
親や先輩から教わるということがないんですね。
それで3歳児並みの知能なのですが、3年で誰からも教えられずに人間の3歳児にまでなれるって、人間より学習能力高くないですか?
タコの寿命がもしも20年や50年だったら……
末恐ろしいというしかないじゃありませんか!
まったく、タコが短命でよかったと言いたいですが、オクトランティスには親や先輩に当たるタコがいます。
独学の天才児の近くに、教育係がいるってことですよ。
3歳児レベルの先輩タコが、生まれたてのタコに手本を見せるとしたら、幼タコの学習スピードは早まるはずです。
それが何世代にも渡り、知恵が受け継がれてゆくとしたら……
5歳児……10歳児……大学生並みのタコが現れるかも‼
僕はタコが好きで、刺身も酢ダコもタコ焼きも揚げダコも大好物なのですが、そんなに頭がよくなったらクジラ理論で食えなくなるのかな。
オクトランティスでは現在のところ、タコの社会性の発達は見られるものの、知能の発達までは確認されていないようです。
とりあえず安心です
感情、個性のあるタコの集団生活のため、仲の悪い住人(住タコ?)同士でいざこざがあったり、タコ社会も世知辛いみたいですね。
まとめ
タコは本当に研究し甲斐のある生物です。
頭がよく、高性能なのに、どこか詰めが甘いあの姿も愛おしい。
オクトランティスの発見は、タコの知らなかった一面でもあり、まだまだ謎はたくさんあるようですね。
もちろん、人間に匹敵する知能をタコが持つというのは空想の域を出ません。
なので、与太話だと思ってください。
しかし「その可能性がない」という結論も出せないのです。
やっぱりタコは宇宙人なんでしょうか……?
僕は宇宙人を酒の肴にしていたのかな~。
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