「マムシ」「ハブ」「ヤマカガシ」日本三大毒ヘビの特徴と対処法

マムシ注意の画像 陸生動物

治安のよい日本は、凶暴な猛獣も少ない。

「動物に襲われて亡くなる」という被害はあまりないのですが、もちろん怖い動物もいます。

例えばクマとか。

でも、命を奪うような野生動物はやはり毒ヘビでしょう。

マムシ、ハブ、ヤマカガシ。

この3種が日本三大毒ヘビです。

少ないと言っても、今も日本で多いときは年間20人ほどの犠牲があるらしい。

毒ヘビとの遭遇率も低くはない。

見分け方や対処法を覚えておけば、安心ではないでしょうか。

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マムシ

日本の毒ヘビといえば、「マムシ」と「ハブ」が双璧。

ハブは「沖縄にいる」ローカルなヘビのイメージでしょうが、マムシは全国区。

沖縄地方を除く、日本のどこででも見られます。

沖縄とそれ以外で住み分けられているとも言えるでしょうか。

マムシの特徴

マムシは長さが50~70cmくらい。

北海道のマムシは大きめで、1m近いらしい

胴体は太目で、ずんぐりした印象のヘビです。

一見ツチノコっぽいと覚えていればいいと思う。

よく「マムシは三角の頭」といいます。

三角頭は毒ヘビの特徴なのですが、かなり大雑把な見分け方で、必ずというものじゃありません。

コブラとかも三角じゃないですし。

マムシの頭も「ちょっとエラが張ってるかな~」程度で、ダイアモンド型のほうが近いと思います。

マムシ最大の特徴は胴体の模様。

5円玉のように、丸の中心に小さな黒丸がある。

そんな模様の、太くて短いヘビが、とぐろを巻いていたら、まずマムシと思っていい。

マムシの画像

他にも
「鼻先にある熱を感知する“ピット器官”が目立つ」
「瞳が縦長」

といった特徴がありますが、そこまで注意深く見る人もいないと思うので参考までに。

このマムシ、とにかく出会いやすいのが曲者です。

生息場所と対策

マムシはどこにでもいます。

藪があれば、マムシ出現の危険があります。

田んぼや川の近くにいることも多く、アウトドアでも農作業でも危ない。

餌となるネズミやカエルが多い場所なら、だいたいいます。

厄介なのは、人が近づいても逃げないことです。

勝気だからではなく、動きが遅いから。

マムシは実は気が弱いのです。

初夏の妊娠期のメスはちょっと攻撃的です

なので、人間が手を出さない限り、攻撃はしてきません。

うっかり踏んでしまったりすると、咬みつくわけです。

30分ほどで腫れ、頭痛や嘔吐の症状が出ます。

山などでは進行方向にマムシがいないか注意し、できれば厚手の靴やズボンで武装しておくことです。

マムシ対策は野歩きで注意していれば、だいたい防げるでしょう。

しかし、もう一方の雄「ハブ」はちょっと危険です。

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ハブ

ハブは沖縄、奄美地方に生息する毒ヘビ。

いる島と、いない島がある。

いる島では被害も多発しています。

駐留するアメリカ軍をも怯えさせ、
『男はつらいよ』の寅さんもハブにやられて亡くなるという設定。

国民的スターを殺っちゃうほど、日本毒ヘビ界のトップに君臨するような存在感です。

毒は弱いが攻撃的

しかし、ハブの毒性はそれほど高くありません。

マムシの毒のほうが3倍も強い。

ハブが怖ろしいのは「大きさ」「性格」です。

ハブは1~2mにもなり、牙の長さは1.5cmとマムシの3~4倍。

一度に注入する毒量も多いのです。

さらに性格は攻撃的。

手当たり次第に咬みつき、スピードも速い。

そんなオラついたヘビが、山や森、畑にも住宅地の近くにもいるんです。

ハブの特徴

ハブの画像

ハブの頭部はだいぶ三角に見えます。

雲形のまだら模様というか、グニャグニャした胴体デザイン。

夜行性で、夜の草むらなどは危険でしょう。

咬まれると大きく腫れ、嘔吐、腹痛、意識障害などが起こる。

内臓や咬傷部に後遺症が残ることもあります。

ただし、被害が多い分、治療法もしっかりできているので、現在では犠牲者も減っています。

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ヤマカガシ

強い毒を持っているのはヤマカガシです。

マムシの4倍、ハブの10倍という猛毒の持ち主。

その割にマムシ、ハブと比べ、影が薄い。

水辺の美しい毒ヘビ

ヤマカガシは青森県から種子島辺りまでの、日本の大半で見られます。

長さは60~120cmで、緑っぽい体色に、オレンジ色や黄色の部分があるのが特徴。

地域によって体色に差があります

水辺を好み、釣りや川遊びでの遭遇率が高い。

同じくよく出会うシマヘビやアオダイショウは地味なので、ちょっと派手な色のヘビがいるな~と思ったら、ヤマカガシの可能性が高いでしょう。

ヤマカガシの画像

猛毒?でも被害は少ない

実はヤマカガシが猛毒だとわかったのは1974年。

それまでは無毒と思われていました。

理由は「被害がほとんどないから」

毒ヘビとして、人間の脅威になっていなかったのです。

ヤマカガシはとても臆病で、人間からはすぐ逃げる。

捕まえたりしない限り、咬まれることはない。

咬んだとしても「やめろよ」と抵抗するくらいで、毒は注入しないことも多い。

ヤマカガシの毒牙は小さく、口の奥にあるので、よほどガブッとやられなければ問題なし。

だから、目立った被害もなく、安全なヘビだと思われてきました。

ヤマカガシの毒は、マムシ、ハブのものとは性質が違い、腫れたりしないのですが、脳内出血や腎不全を引き起こします。

咬まれる心配はかなり低い。

でも、手を出さないのが賢明でしょうね。

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毒ヘビに咬まれたときの対処

これらのヘビに咬まれても痛みはそんなにありません。

チクッとするくらい。

傷口に吸血鬼に咬まれたような穴が2つあれば、ヘビと判断できます。

そんなときは?

マムシもハブもヤマカガシも、基本的な対処は変わりません。

咬まれても焦らないこと

「ヘビに咬まれた!」

このとき、ドラマなどでは口で毒を吸い出すシーンが見られますが、お勧めできません。

口内に傷でもあったら、二次災害です。

つまんで、搾り出すほうが安全。

虫刺されにも使える「毒吸引器」があるなら、それを使えばいいです。

患部を冷やす・温める意味はあまりないと思います。

水洗いくらいでじゅうぶん。

痛みがひどいようなら気分的に冷やしてもいいですが、毒には効果ありません。

温めるのは、毒が熱に弱い場合で、ヘビ毒はそんな特徴もないのです。

咬まれたら、なるべく体は動かさない。

血行が良くなり、毒の回りも早くなります。

急いで病院に行きたい気持ちを抑え、落ち着いて行動しましょう。

4~6時間以内に病院に行けるなら、まず大丈夫なので余裕を持って。

怖ろし気な毒ヘビですが、医療も発達し、今は被害も少ないのです。

慌てず、適切な対処をすればいい。

それだけわかっていれば、余計なパニックにならずに済むんじゃないでしょうか。

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まとめ

マムシ、ハブ、ヤマカガシが日本の三大毒ヘビ。

太くて短いマムシ。

雲形模様の沖縄の殺し屋ハブ。

色鮮やかで臆病なヤマカガシ。

その特徴を知っていれば、危険を回避しやすいと思います。

そして、咬まれても落ち着いて行動する。

ヘビは意外と身近にいる動物。

中には毒使いもいる。

知識を持ち、よい距離感でつき合わなければならないのです。

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