百獣の王はライオン。
でも、動物園で見ると、あまり風格は感じないですよね。
トラやゾウやサイのほうがデカくて、迫力があります。
タイミングが悪いのか、僕がライオンを見るとき、いつもダラ~と伸びて寝ている。
「休日のお父さんかよ」って感じ。
そんなライオンの中で王者らしいのはバーバリライオンです。
昔話に出てくる強いライオンは、このバーバリライオンといってもいい。
雄々しいバーバリライオンについて勉強しましょう!
他ライオンを圧倒する4mの巨体
バーバリライオンはこんな特徴のライオンです。
『アフリカ北部の森林に生息する、全長4mのライオン。たてがみは黒く、長く、胴にまで達する』
その大きさはなんと4m!
アトラスライオンという別名があったこともうなずけます。
アトラスはギリシャ神話に出てくる天を支える巨人だよ
森林を好むというのも、サバンナ暮らしの他のライオンと一線を画しています。
胴にまでたてがみがあるのもいいですね。
頭だけだと毛を刈られたヒツジみたいで弱っちく見えるし。
これぞ百獣の王に恥じない堂々たる姿じゃありませんか!
あれ?でもちょっと待ってください。
僕は『最大のネコ科動物はアムールトラ』と聞き覚えていました。
ロシアのアムールトラは全長が3m。体重は200~300kgにもなるという巨虎。
バーバリライオンより小さい。
最大のネコ科はバーバリライオンなのでは?
それはバーバリライオンが野生絶滅しているからです。
それじゃもうバーバリライオンはいないのかと思えば、それも違う。
バーバリライオンは絶滅から復活したライオンだったのです。
絶滅と思われてからの急展開
バーバリライオンはその勇猛な姿から、古来より『強さの象徴』となっていました。
ローマ帝国時代には、人間の勇者との異種格闘技戦の相手にもされました。
そして近代ではハンティングの的になります。
ハンターは仕留めた動物を誇りたいもの。
いかにも強そうなバーバリライオンや、その近種で大型のケープライオンなどは、ハンターの見栄を満たすのに格好の動物だったわけです。
バーバリライオンも1922年に絶滅。
1960年代頃まで一部で生き残っていたともいわれますが、繁殖して増えることはなかったようです。
意外な展開!絶滅どころか飼われていた?
絶滅したとされて月日が経ち……
1996年にバーバリライオンが一頭見つかります。
しかし確証がない……と思ったら、今度は2007年にも一頭発見。
さらにさらに、2012年。
モロッコのムハマンド5世の私設動物園が「うちに32頭いるけど」とまさかの展開。
生物学界どんだけスカスカなんだよ
この大発見(いや、もっと早く気づけ)により、絶滅種ではなくなったのです。
ところが、現存するバーバリライオンは特別大きいこともない。
普通のライオンとたいして変わらない。
4mというのはどこに行っちゃったんでしょう?
4m級の虚構と復活の可能性は?
この動画を見る限り、たしかに大きいライオンです。
しかし、4mまではなさそう。
まず、4mというのは古い記録にあるものです。
この辺は、多少盛っているところがあるんでしょう。
バーバリライオン、ケープライオン、ガエトゥリライオンと、昔の話に出てくる大ライオンがどこまで大きかったかは信憑性が薄いのです。
純血のバーバリライオンはいない?
もうひとつには、現存のバーバリライオンがどこまで純血種なのかわからないことです。
ライオン社会も交雑があり、今のバーバリライオンが昔のものから100%の遺伝子を受け継いでいるか判然としない。
私設動物園では「うちのは純血だ」と自信満々ですが、その大きさは3mくらいなのです。
個人的な意見ですが、陸上の肉食哺乳類の限界は3m程度じゃないかと思います。
それ以上大きいと狩りにも支障をきたすのではないでしょうか?
「太ったアスリートはいない」ってやつですね。
狩りには俊敏さも必要ですしね
言われているよりは小ぶりとはいえ、バーバリライオンが王者の風格であることは間違いありません。
例の私設動物園では子ライオンも生まれており、バーバリライオン復活の兆しも見えています。
大事に育てられて、4mの個体になるかもしれません。
その勇姿がアフリカの森や世界中の動物園で見られるようになるといいですね。
まとめ
僕はしばらくの間、「たてがみが高級マフラーみたいだから、イギリスのブランドのバーバリーの名前がついた」と思っていました。
そうじゃなくて、バーバリ、バーバリーはこのライオンがいる北アフリカのことなんだそうです。
でも、この名前で高位のライオンの印象が高まっていると思う。
現在、バーバリライオンはモロッコの30数頭を含め50頭ほど世界にいます。
今度は絶滅させないでほしい。
頑張れモロッコ‼
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