カメムシは『庭のテロリスト』という印象があります。
とにかくあの臭い。
その臭さは「臭う」というよりも、臭いの塊をぶつけられているような物理的衝撃に近い。
生き物はいろいろと武器があるものですが、カメムシのは最強クラスではないでしょうか。
そのうえ、1ヶ所に大量発生するので大変ですよね。
「家に入って来る」
「洗濯物につく」
「臭いが洗っても落ちない」
お困りの方も多いと思います。
しかし、駆除や撃退しようにも臭いの反撃が怖い。
手の出しようがないテロリストってイメージしません?
ここは対カメムシの防衛を学ぶ必要があるでしょう。
もはや化学兵器‼無差別の毒ガスだった!?
最初にカメムシの生態と、臭いについて知っておきましょう。
彼を知り、己を知れば、百戦して危うからずです。
カメムシはセミやタガメなどを含むカメムシ目のうち、いわゆる臭いを出す陸生種の総称です。
一般的に三角頭で、胴体は五角形。
緑、茶色、赤など種類も多彩。
多くは農業被害を及ぼし、住宅地では不快害虫として扱われています。
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アブラムシ駆除に利用される
益虫カメムシもいるよ
「ヘッピリムシ」「ヘコキムシ」など臭いから付けられた俗称が豊富で、昔から人間とカメムシは戦っていたんだな~と感じずにはいられません。
ちなみに、「ヘッピリムシ」はミイデラゴミムシという尻からガスを噴出する虫を指すのが普通です。
というのは、カメムシの匂いは屁ではないから。
カメムシの前腕のつけ根辺りに『臭腺開口部』があり、そこから出す油性の液体が臭うのです。
屁よりはワキガに近いかも。
カメムシ本人はむしろ平和的なのですが、外敵に襲われると防御であの臭いを炸裂させます。
その武器が強力すぎて、自分もたまに命を落とす自爆もあるという凄まじさ。
マンガに時々ある「使った術者が死んでしまう禁忌の最終奥義」みたいなやつです。
他にも仲間に警告する、仲間を呼び寄せるフェロモンとして出す臭いもあります。
だから大量発生するんでしょうね。
臭いの成分はヘキサナールやトランス-2-ヘキセナールで、これはアルデヒドの一種。
れっきとした有害化合物です。
種類により臭いに違いがあり、臭いで種類がわかるという学者もいるとか。
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あまり羨ましくないアビリティです
それにしても、あの粘りつくような、色まで見えるような臭いは独特です。
臭いという唯一の武器を磨きに磨いたカメムシの努力には敬意を払いたい。
でも、攻撃されたほうはたまりませんよね。
どうやって対応すればいいのでしょうか。
カメムシの臭いは油で落とせ!熱も有効
カメムシをいじって、手に臭いがついたりするとなかなか落ちません。
どんなにガシゴシ手を洗っても、ずっと臭う。
「指紋の溝に臭いが詰まってるのか」と思うほど、いつまでも落とせなくて泣きそうになる。
これ、前述したように油分だからだそうです。
臭いが“ついている”じゃなく“染み込んでいる”。
この辺が、ただの臭いじゃないんですね。
この厄介なカメムシ臭は「親油性」「揮発性」の成分です。
つまり油に溶ける。
そこでサラダ油、オリーブオイルなどを少量つけて洗うと落ちるのです。
油を浮かび上がらせて落とす食器洗剤も有効。
そうした洗剤で手を洗い、あとは流せばOK。
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肌を守る油も落ちちゃうので
お手入れは忘れずに
じゃあ衣服やシーツについたカメムシ臭はどうするか?
油や洗剤はシミになっちゃうこともあります。
カメムシごときに、お気に入りの服をダメにされるわけにはいかない!
洗剤を使うなら、薄めて霧吹きにして使用するほうがいいでしょう。
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目立たない箇所で試してからが安心です
もうひとつは揮発性を利用し、アイロンやドライヤーで熱するのも効果があります。
不安であれば日干しでもいいと思います。
再びカメムシにやられないように、日差しの入る部屋干しのほうがいいかも。
カメムシ臭で炎症になることもあります。
だいたいは軟膏で治るでしょうが、ひどい場合は病院で診てもらわないとなりません。
どこまでも迷惑な虫です。
近づかないのが一番でしょうが、カメムシはいるところにはドッサリいる。
そうなると防衛は大変になります。
反撃される前に撃退が基本
![殺虫剤の画像](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2019/02/ee32005936cff2ce3757d6f24803e8ed_s.jpg)
僕の住む家の周辺は幸運にもカメムシをほとんど見ません。
どうもカメムシが大量発生する地域というのが局地的にある。
草があり、山間で、農地に近いエリアが大量発生しやすいようですが、カメムシがどういう理由で生息地域を決めているかはよくわかりません。
カメムシ密度の多い地域に住むのであれば、カメムシ慣れが必要ですね。
狭い隙間からでも屋内に侵入してくるので、撃退法を知らないと生きてゆけません。
カメムシ慣れた僕の知人は「ガムテープがいい」という意見です。
ガムテープかクラフトテープを適当な大きさに切り、カメムシをくっつけたら、悪臭テロされる前にクシャクシャ丸めてしまう。
早業を求められるな……
虫といえば殺虫剤が有効ですが、カメムシはそうはいきません。
断末魔に最後っ屁を放つからです。
反撃の暇を与えず、悪・即・斬の精神が大事。
![](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2019/01/huki3.png)
一瞬で凍らせてしまう冷凍殺虫剤もありますよ
箒などに優しく乗り移させ、外に捨てる方法も知人は時々やるようです。
これはおとなしく出て行ってもらうということですね。
「掃除機で吸い込むなんてやっちゃいけない」とも言っていました。
生かしておくと、掃除機の中で悪臭を出してワヤになるとか。
あと、体についたときは慌てず、家ならガムテープ攻撃。外なら思い切ってデコピンして撃退するそうです。
カメムシに慣れるというのは、適宜に手段を選択することみたい。
忌避剤も多く市販されていますが、100%効果があるとも言い切れず、いろいろ試したり、殺虫剤などと複合して使うほうがよさそう。
まったく駆除まで面倒臭い。
カメムシの駆除・撃退の方法は、ネットでいくらでも探せます。
キュウリが効くとか、ミントを嫌がるとか、酢で弱るとか、俗説みたいのがワンサカあって迷う。
それだけカメムシには手を焼いている人が多いんでしょうね。
まあ、うかつに手を出せないと怖れさせるのだから、カメムシとしては成功なのかな。
まとめ
カメムシは平和的で、どちらかといえば取柄のない昆虫です。
きれいな模様のカメムシもいますし、姿だってイモムシやゴキブリに比べると嫌味はないのですが、なんたってあの強烈な臭いのおかげで、お近づきになりたいとは思えない存在です。
しかし、農地や住宅などはカメムシ天国でもある。
大量発生する地区では、カメムシとの戦いは避けられないのです。
共生は多少やむなしとあきらめ、その時々で対策をしてゆくしかなさそうですね。
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