ペットを飼いたいと思いつつ、「世話が面倒」「忙しくて……」「お金がかかる」などの理由で躊躇してはいませんか?
そんな方におススメしたいのがオカヤドカリ。
飼育は簡単で、多少放置していても問題なし。
お金も飼育の初めに少しかかるくらいで、餌代もわずか。
病気に強く寿命も長いので、しばらくはお付き合いできるペットですね。
しかも、オカヤドカリは「飼える天然記念物」というオマケつきなんです。
準備さえできれば、明日からでもすぐに飼育できます。
今回はオカヤドカリの魅力と、飼育方法をお教えします。
安価で扱いが楽!でも天然記念物の不思議
オカヤドカリはオカ(陸)のヤドカリ。
どこの海辺にもいる一般のヤドカリと見た目は一緒ですが、陸上に生息しています。
日本でも小笠原諸島や沖縄にしかいない天然記念物。
それなのに普通に販売されて、飼育もできてしまう。
それには理由があります。
小笠原諸島にオカヤドカリがわずかにいて、希少という理由で天然記念物に指定されたのが昭和45年。
ところが、その2年後に沖縄がアメリカから返還された。
沖縄にはオカヤドカリがいっぱいいたので、「日本で希少」という天然記念物指定理由がチャラになってしまった。
だったら、その時点で指定をナシにすればいいものですが、行政の融通の利かなさなのか、今も天然記念物の肩書がついたまま。
でも沖縄にいっぱいいるからペットにもできるのです。
世界にいる15種のオカヤドカリのうち、半分近い7種が日本にいますから、我が国はむしろオカヤドカリ大国といえるかもしれない。
天然記念物であるため捕獲や持ち帰りは違法!
わりとどこのペットショップにも売っていて、値段は一匹数百円。
天然記念物でこの値段は破格!(安っぽい天然記念物とも言えるが)
オカヤドカリの魅力は、なんといっても扱いやすさだと思います。
貝殻を背負っているので、女性でも素手でつかみやすい節足動物になります。
でもハサミに挟まれると痛いんで注意しましょう
脱皮しながら大きくなり、家(貝殻)の引っ越しを繰り返します。
用意する貝殻で、オカヤドカリを好みにコーディネートできるのも楽しい。
寿命は飼育下でも10~20年もあり、イヌやネコにも負けません。
安物の容器で普通に飼え、オブジェを置けばトロピカルなインテリアにもなる。
ちょっと飼いたいと思っちゃいませんか?
その飼育も超簡単。
次項から説明していきますね。
オカヤドカリの飼育環境は南国風にしよう!
オカヤドカリ飼育は以下のものが必要です。
- 水槽
- 砂
- ヒーター
水槽はガラス製でも、安価なプラスチックケースでも構いません。
1、2匹なら30cmサイズくらいでもいいですが、60~90cm容器で4~6匹を目安に飼うと賑やかで面白いでしょう。
砂は目の細かい田砂、サンゴ砂などを使います。
これはオカヤドカリが砂に潜るためで、オカヤドカリの大きさの2~3倍の高さに厚く敷いてください。
ヒーターは爬虫類などを飼うのに使うマット式のものを使用。
オカヤドカリは20℃程度でも問題なく、よほど寒くなければ室内ならヒーターなしでもと思うのですが、やはり南国の生き物ですからヒーターで22~25℃くらいは維持してあげましょう。
これで住処のベースは完了ですが、用意したいものはまだあります。
まずは水場。
オカヤドカリが登れるよう浅い皿を2つ準備し、それぞれに真水と海水を入れておきます。
海水は塩水じゃなく、人工海水を使いましょう。(塩水と海水は違うものです)
オカヤドカリが溺れる深さはだめですよ。
真水だけでなく海水も置くのは、オカヤドカリといっても生息地は海岸に近く、海水を与えないと調子を崩すことがあるんですね。
オカヤドカリは怪力です。
重たい皿だと動かされませんよ
それと、流木やガジュマルなどのオブジェも配置したい。
隠れたり、木登りがオカヤドカリは大好き。
運動させる目的でもそういったグッズは重要です。
ただし、そうした足場を利用して水槽から脱走することもあるので、蓋をするなどの対策もしてください。
あとは引っ越し用の貝殻をいくつか。
浜辺で拾ってきてもいいし、ミックス貝殻セットみたいな商品も売っています。
大事なのは「大きさのバリエーション」。
選り好みが激しい。種類豊富に揃えましょう
さあ、これで飼育環境は整いました。
オカヤドカリを購入して、お迎えすることができます。
次は、餌やメンテナンスについてです。
オカヤドカリの餌と普段のお手入れは?
雑食のオカヤドカリはなんでも食べます。
植物性ならニンジン、イモなどの根菜。キャベツ、レタスなどの葉物。リンゴなどの果物。
動物性なら肉でも刺身でも煮干しでも。
悪いのはソーセージなどの加工食品や、薬品を使っているもので、それ以外はなんでも食べる。
なぜかポップコーンが好物というのも有名。
沖縄の米兵がポップコーンを浜辺によく落としたから
という嘘くさい話がある
オカヤドカリ用ポップコーンもあるんですよ。
それらを夜にあげると、夜行性なのでよく食べてくれます。
小食ですから、量は多くなくていいですし、一週間くらい食べなくてもオカヤドカリは元気。
節足動物には珍しくない共食いも心配はありません。
餌は食べ残しをあげればいいのですが、いろいろな栄養がバランスよく含まれている専用ポップコーンがおススメですね。
食べ残しは腐敗すると臭いやハエの発生の原因となり、放置しておくと掃除が大変かも。
その掃除ですが、月に一度くらいを目安に、砂とオカヤドカリを洗ってあげるといいでしょう。
砂は水でゆすいで、乾かせばじゅうぶんです。
オカヤドカリは殻を水につけて、中のゴミを濯いでやる感じでいいです。
あとは、時々霧吹きで湿度を高めにすることも重要です。
砂がうっすらと湿るくらい。
皿の水は汚れたら変え、いつもきれいにしておくとオカヤドカリが喜びます。
飼育でやることはこれくらいです。
どれも短時間で行えますから、多忙でもペット生活ができそうですよね。
まとめ
天然記念物のオカヤドカリが、こんなに簡単に飼えちゃうのにビックリです。
僕は熱帯魚を飼っているので、ペットショップにもよく行くのですけれど、そこで売っているオカヤドカリに心を惹かれつつも、実は未だ飼えないでいます。
でも、見ているととても可愛いヤツです。
飼えば、癒されることは間違いありません!
この記事であなたがオカヤドカリに興味を少しでも持ってくれたら嬉しいですね。
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