南極の未確認生物『ニンゲン』。
ネットをやる人なら、一度は耳にしたことがあるでしょう。
未知のUMAというよりも、ネットのネタという感が強い。
しかし、南極は未だ謎多きエリア。
未知の大型生物を夢想したい場所でもある。
ニンゲンは、そんな夢を具現化したものかもしれません。
この記事では、都市伝説としてのニンゲンと、
生物としてのニンゲンの可能性や正体について、
考えてみたいと思います。
UMAのニュースター『ニンゲン』
「南極には大型で未知の生物がいる」
これは昔から言われていたことです。
2000年代になると、ネットで「ある生物」の噂が語られるようになりました。
発端は某掲示板への書き込み。
ニンゲンの誕生です。
投稿された捕鯨船員の話
件の書き込みを抜粋するとこうです。
・調査船は時々、大きな生物と遭遇する。
・大きな、白い生物。
・人間のような姿。
・「人型物体」と呼ばれている。
・調査捕鯨への信頼が揺らぐため、公表できない。
というものです。
その生物は、目と口があり、前肢が腕かヒレのよう。
五本の指が確認されることもある。
後肢はあるか、ヒレ状で、
20~30mのツルツルした皮膚の巨大生物らしい。
付いた名前は「ニンゲン」。
南極で目撃されるのが「ニンゲン」、北極で目撃されるのが「ヒトガタ」と、呼び分けられる場合もあります。
要するに「極地の海にいる未知の巨大生物」。
ニンゲンはネットで生まれ、ネットで拡散されてゆきます。
ネットがニンゲンを作った!
ニンゲンの発祥は日本です。
日本で広まった噂は海外へも波及し、英語でも「Ningen」で通じます。
しかし、出所はあの大手掲示板。
嘘も本当もごちゃまぜなカオスな電脳空間。
信憑性は微妙です。
役立つ情報も多いんですがね
ネット内でニンゲンはさまざまに空想されます。
多数の「これがニンゲンだ!」画像が出回ります。
グーグルアースが捉えたという、興味深いものもある。
「南極の巨大生物」、みんな大好物なんでしょう。
出来の良し悪しはともかく、こうした画像からニンゲンのイメージは作られています。
「ニンゲンは空想生物。ネットのネタ」
結論はそうなります。
だから、ニンゲンについてはまともに調べられてもいない。
でも、南極の巨大未知生物までは否定できません。
ニンゲンと呼ばれる「何か」が潜んでいる可能性はないのでしょうか?
ニンゲンは目撃されていた!
南極、北極は今も多くが未調査の地域。
巨大未知生物の夢の余地がある場所です。
極地でのUMA目撃も少なくありません。
南極・北極の巨大生物
- 1918年
ニュージーランドの漁師が、35~90mという巨大生物と遭遇した。 - 1958年
観測船「宗谷」が、頭部80cmで目の大きな、牛のような顔をした生物を目撃。
「南極ゴジラ」と命名される。 - 1971年
ニュージーランド南島の沖で、日本の漁船が30m離れた海面にカバに似た頭部が浮いているのを発見。
「カバゴン」と呼ばれる。 - 1977年
日本のトロール船が巨大な腐乱死骸を引き揚げる。
「ニューネッシー」といわれ、正体はウバザメが有力だが、はっきりしない。 - 1999年
アルゼンチンの貨物船が50mもある巨大生物と遭遇。
追跡したが逃げられた。 - 2002年
アフリカ、ナミビアの沖でグーグルアースに白く大きな生物が写された。 - 2011年
スウェーデンの遊覧船が、白い巨大生物と衝突寸前になる。 - 2014年
ロシアの貨物船が、巨大生物とぶつかる。 - 2016年
グーグルアースが南極海で、120mのイカのような画像を捕らえる。
極地の海には数種の未知の大型生物がいるかもしれません。
ネットのニンゲンはデマだと思われます。
しかし、極海に生息するUMAが、ネットの噂である「ニンゲン」と総称されていることはあり得るでしょう。
それはどんな生物なのか?
ニンゲンは哺乳類?怪物?
極地の生物は大きくなる傾向があります。
「ベルクマンの法則」といわれるもので、
体温を維持するのに筋肉や脂肪を蓄えなければならないからです。
クジラ、アザラシ、ホッキョクグマなどを見ればわかります。
寒い海は、意外と栄養度も高い。
大きくなる食料はじゅうぶんある。
また、体温を逃がす突起物が小さくなるのも特徴。
つまり、人間のような腕や指は無駄な凸凹になるので、これはなさそうです。
極地の巨大未知動物は、「大きく、ずんぐりした体型」でしょう。
・脂肪質
・四肢はヒレ状
・新陳代謝は少なく、長寿
ニンゲンは、ジュゴンのようなカイギュウ類と似ているのではないでしょうか。
でも、いくら極地とはいえ、海面にも出てくる巨大な未知動物が見つかっていないというのも不思議です。
その他の正体説
ニンゲンの正体で、比較的納得しやすいのは
・氷山の誤認
・クジラなど大型海棲哺乳類の変異・奇形種
でしょう。
極海で、大きく、人の形に見えるとすれば、この2つです。
ニンゲンが「物体」と呼ばれることから、
秘密裏に行動している潜水艦とか、
海中に潜んでいる異星人のUFOとか、
オカルトめいた説も個人的に好きなのですが、ちょっと無理がある気もする。
他には、
海棲恐竜(魚竜類)の生き残り、
海坊主のような怪物、
エヴァンゲリオンの使徒みたいな存在、
極地の海に適応した新種の人類など、
いくらでも考えられます。
要するに「なんでもあり」。
このフレキシブルさが、ニンゲン議論を活発にさせ、有名なネットネタに押し上げたわけです。
ニンゲンはこうやってイジられながら、形状や生態が固まっていた都市伝説UMAであることは間違いありません。
モノホンの南極UMAとは別物でしょう。
未知の秘境が少ない現代、極地と深海はまだ謎の領域。
そこに馳せるロマンが、「ニンゲン」という都市伝説を生んだといえそうですね。
まとめ
ネットから広まったUMA「ニンゲン」「ヒトガタ」。
現代の情報過多が、未開の海域に空想を広げたもののようです。
だから、ニンゲンはどこか生物感・実在感が乏しい。
物質的というか、生々しさがないんですよね。
それでも極地の海はまだまだフロンティア。
ニンゲンのような大型生物生息の可能性は小さくありません。
でも、それはたぶん人間とはかけ離れた生き物。
「これがニンゲンか?」と驚く生物なのだと思います。
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