「近頃、オカルト番組見ないよね~」
なんて話を聞きます。
あるにはあるけど怖くない。
タレントが横から茶々入れて集中できない。
「本当に怖いのが観たけりゃサブスクで探して観ろ!」
みたいなTVの丸投げ感も感じます。
で、今回は「昭和のUMA」について。
昭和はオカルト番組が多かった。
ブームだったからです。
だから、未確認生物(UMA)もよく取り上げられました。
秘境に赴き、未知の怪物を大捜索。
危険な道を行く探検隊。
そこにはバラエティー要素などありません。
まあ別な意味で、笑える部分は多かったんだけど。
そんな「ゆとり」も昭和ならではなんでしょう。
高齢者には懐かしく、Z世代には草生える。
昭和のUMAを紹介してゆきます。
日本に怪獣が?各地でUMA続出!
昭和40年代後半から50年代。
西暦で言うと1970~80年代の頃。
日本はオカルトブームでありました。
心霊、UFOが市民権を得た時代と言えましょう。
その流れで未確認生物にも注目が集まりました。
ネス湖のネッシーや、ヒマラヤの雪男などです。
となれば、「日本にも何かいるのでは?」となる。
各地で「怪獣騒動」が起こるのです。
未知の毒蛇ツチノコ
一番、流行ったのはツチノコでしょう。
日本のUMAの代表格。
その知名度は今も衰えない。
Z世代にも知られていると思います。
「胴体の太い蛇」という分かりやすい特徴。
ほぼ全国どこにでもいる?というご近所感。
「直接会える」期待たっぷりのUMAでした。
で、各地でツチノコ捜索のイベントもあった。
田舎なら、子供の遊びでも近くの山でツチノコ探しができた。
「今日は野原でツチノコ探そうぜ!」「おう!」
大発見が近所でできる!
ネス湖やヒマラヤくんだりまで行く必要はない。
これはお得です!(……何が?)
「とっつきやすさ」もヒットの秘訣ですもんね。
クッシー!イッシー!湖もスター揃い
北海道屈斜路湖の「クッシー」。
鹿児島県池田湖の「イッシー」。
日本の湖沼UMAといえば、この2つが挙がります。
どちらもネッシータイプの怪獣。
クッシーは昭和47年頃、イッシーは昭和30年代から目撃され、正体は不明。
10~20mあるそうです。
「大型魚の見間違い」
「湖特有の波を勘違い」
など言われますが、ともにネッシーにあやかっての命名のため、どうしても「ネッシーのバッタモン」みたいなイメージから逃げられない。
似たようなUMAだと
洞爺湖の「トッシー」、芦ノ湖の「アッシー」、本栖湖の「モッシー」など。
江戸川の「マツドドン」はアザラシみたいな生物。
大魚の「タキタロウ」「ナミタロウ」。
海では「ニューネッシー」「南極ゴジラ」「カバゴン」といった具合。
水棲UMAもバラエティーに富んでいました。
行方不明の獣人ヒバゴン
昭和UMAでは「ヒバゴン」も外せません。
広島県比婆山の獣人。
こっちは雪男系ですね。
身長1.5mで毛むくじゃら。
逆三角の頭部に、吊り上がったギョロ目。
昭和45年から目撃が続出し、現地はマスコミで賑わいました。
その対応や、苦情を処理するため役所に「類人猿係」という部署を新設したほどでした。
![](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2019/01/huki1.png)
類人猿係は昭和50年に廃止
それほど盛り上がったのです。
不鮮明な写真も撮られたのですが、その後は行方不明。
近隣の山で「クイゴン」「ヤマゴン」といった獣人も目撃され、ヒバゴンと同一と思われるも、昭和50年以降はぱったり消えてしまいました。
正体はクマか大ザル。
誰かのイタズラという可能性も。
でも、見た人は「そんなもんじゃない!」とのこと。
今では調査もできません。
どこ行っちゃったんでしょうか?
こうした各地のUMA騒動。
その背景には
「旅の流行」
という理由があったと思うのです。
時代とともにUMAも変わる
昭和の後期は旅ブームでした。
高度成長で家計に余裕ができ、遠出の志向も高まった。
けれど、まだまだ旅は贅沢。
GO TO トラベルみたいなのもなく、頻繁に旅行というわけにもいかない。
「遠くへ行きたい」気持ちが先行し、
「日本のどこか」に憧れが強まる。
UMAはそんな大衆の呼び水でもあったのです。
UMAは地方観光を救う!
SNSもない時代。
情報源はTV、新聞、週刊誌でした。
それらが時々拾ってくるUMAの話題。
もちろん、未知生物への興味もあったでしょう。
それに「旅情」も加わっていたと思うんです。
UMAの故郷はどこも地方。
こう言っては申し訳ないけれど、「辺境」といった場所。
交通事情が今より悪かったし、観光客も疎ら。
知名度的にも京都や富士山と戦えません。
でも、そこには未知の生き物がいる。
近場のネス湖やヒマラヤとも言える。
UMAで「秘境感」が増し、「ロマン」を誘う。
「そこに行けば会える!」という地方の広告塔。
今のゆるキャラや、ローカルアイドルに近かったのです。
今だって当地のアイドルとして(ちょっとくたびれてるけど)頑張っているんです。
![クッシー画像](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2024/06/29569113_s.jpg)
信じることが「悪」になった?
そうしたUMAも近頃は廃れてきた。
TVで観ることもほぼありません。
ブームが去っただけなんでしょうか?
UMAの話を聞いても「今どき」と思う。
それはどこかで、
「UMAなんて情報の乏しい昔だから通用した与太話」
「現在じゃ笑い話」
という感覚があるからです。
若者が「オレオレ詐欺に引っかかるのは情弱の年寄りだけ」と思うのに似ています。
情報が増えたことで、逆に「信じないこと」の重要性が増した。
なんだか「信じること」がカッコ悪いことにも感じる。
そんな時代に、UMAをはじめオカルト全般が楽しみにくい。
どうしてもマイナーになってしまうのでしょう。
UMAの楽しみ方が変化したわけです。
令和のUMAの楽しみ方
UMAに関するブログ、動画は少なくありません。
実在の可能性や、正体の考察など、なかなか面白い。
無駄な演出や茶化しがないぶん、TVより見やすい気がします。
逆にエンターテインメント感は減っています。
現在は個人で楽しむのが主流。
UMAもマスコミによる「大衆の娯楽」から、
ネットで見る「お一人様の趣味」になった。
言い換えれば「万人受けの、上っ面だけなぞったような情報」より、「個人で好きなことをディープに知る」時代になった。
それだけのことだと思うんです。
UMAは元々が「机上の空論」。
捕まらないのでは、空想するしかない。
「ホントにいるのかな~?」
「それはどんな生物なのだ?」
「爬虫類か?哺乳類かも……?」
「いやいや、目撃者の証言は信用できるか?」
などと推理遊びが楽しいのです。
また、今なら、現地に行ってみることも比較的容易いでしょう。
「おお、ここがヒバゴンのいた山か!」と聖地巡りしてみる。
心霊スポットに行く感覚です。
当時を知る人と話をしてみるのもいいでしょう。
騒動の「リアル」を体験した人の思い出話。
面白そうじゃありませんか。
そんなふうに、自分なりにUMAを楽しむ時代なのでしょうね。
まとめ
昭和のUMAの紹介。
その楽しみ方の変化を書いてきました。
UMAはとても多く、書けたのは一部。
世界にまで広げると、「こち亀」の全話より多くなるかも。
そうした未知生物がいるかどうかは不明です。
僕自身は「UMAは深海魚を見るようなもの」と思っています。
子供の頃読んだ深海魚図鑑。
「変な魚がいるんだな~」と楽しかった。
「きっとまだ見つかってない変な奴もいるんだろうな~」とワクワクした。
同様の夢を与えてくれるのがUMAなのです。
ある学者さんによると
「確認された生物は、全体の一割程度にすぎない」
のだとか。(ほとんどは微妙に違う亜種でしょうが)
新発見がなくなったら、つまらないですからね。
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