ネコ界の三強といえば……。
「トラ」「ライオン」「ヒョウ」を思い浮かべるのが普通でしょう。
よく知られた、強い、大型ネコですもんね。
その三強に割って入る強者は「ジャガー」になるでしょう。
新大陸(アメリカ大陸)の王者です。
かなり強いのですが、ちょっと地味。
名前はみんな知っているのに、すぐに思いつかない。
だいたい、「ヒョウみたいなやつ」くらいの感覚しかないんじゃありませんか?
新大陸には、もうひとつの強者「ピューマ」もいます。
これもよく聞くわりに、ピンとこない。
この記事のテーマは「ジャガー」と「ピューマ」。
どんなネコで、どれほど強いのか?
ヒョウとはどう違うのか?
忘れがちだけど、実は魅力的な、新大陸の大型ネコを深掘りします。
密林の王者ジャガー
ジャガーはアメリカ合衆国南部からアルゼンチン北部に生息します。
いるのはジャングル、森林。
アマゾン最強の動物といえます。
大きさは150~180cm前後で、尻尾が60cmくらい。
ヒョウも同じくらいですが、体重は平均で50kgほど。
ジャガーは100kgになることも多く、やや太目。
ジャガーは、トラ(3m)、ライオン(2~2.5m)に次ぐ、「三番目に大きいネコ」といわれています。
ヒョウとはどう違う?
ジャガーの体にも斑点模様があり、見た目はヒョウ。
だから僕も、昔は「南米に棲むヒョウをジャガーと呼んでいるだけ」と思っていました。
これは大間違い。
近種なのは確かですが、違いもあるのです。
見分ける最大のポイントは斑点。
下の画像が「ヒョウ柄」で有名なヒョウ。
黒点が花のような形にまとまっています。
こちらがジャガー。
花模様の中に、小さな斑点がある。(『梅花紋』と呼ばれます)
違いがビミョーすぎ
他は、ジャガーのほうが足が大きく、
頭も大きく、重量感があるところ。
生息地はヒョウがアフリカ、アジアですから、両者がかち合うことはありません。
でも、敢えて戦わせたらジャガーが強いと思います。
ジャガーとヒョウ強いのは?
大型ネコでは、トラとライオンがやはり強い。
三位をジャガーとヒョウで争う形。
その下にいるチーターは速いだけで虚弱だし、あとは小ぶりなウンピョウ、ユキヒョウですから。
で、戦闘力は「ジャガー>ヒョウ」に思えるのです。
ジャガーの語源は、現地語で「一突きで殺す者」を意味する「ヤガー」から。
ジャガーは獲物の頭を咬み砕いてしまうのです。
咬合力(咬むチカラ)は「1500PSI」。
PSIは「1平方インチにかかるチカラが何ポンド」のこと。
ジャガーの咬合力は人間の10倍くらいです。
トラ(1000PSI)、ライオン(600PSI)より上。
ヒョウは500PSIくらいなので、相手になりません。
たいていのネコは首に咬みつき、窒息させる戦術ですが、ジャガーはそんなまどろっこしいことはしない。
「誰であろうと一撃で咬み殺してみせる!」
この辺は、草食動物が群れているアフリカとは違い、アマゾンでは「何でも食える」ことが生存に好都合という、環境に合わせた進化の結果なのでしょう。
事実、ジャガーは食性が広範囲。
サル、カピバラ、アリクイ、ヘビ、鳥に魚……。
鱗をまとったワニだろうが、超装甲のカメだろうが、ジャガーの前では無力なのです。
さらに、ジャガーは地上、樹上、水中、どこでも狩りをする。
ユーティリティプレイヤーです。
それにパワーもあるのだから、ヒョウより強いだろうと。
もちろん、生息地では敵なしです。
ジャガーのライバルと言えそうなのは、「ピューマ」くらいでしょう。
草原の暗殺者ピューマ
ピューマも新大陸の大型ネコです。
大きさはジャガーに匹敵します。
ただ、体重は軽く、機動力が武器。
待ち伏せて、背後から飛びかかり、首をへし折ってしまう。
5mくらいジャンプできます
カナダ、アメリカの一部から中南米全体の山地、森、草原、砂漠にいます。
都市部の郊外でも見られ、人や家畜を襲う。
被害としてはジャガー以上。
強さはジャガーには劣りますが、一般的な恐怖はピューマが上でしょう。
ジャガーやトラ、ライオンは「ヒョウ属」。
大型ネコの主流派ですね。
それに対し、ピューマは「ピューマ属」という別系統の大ネコ。
ピューマと、「ジャガランディ」という体長1m(尾が40cm)のヤマネコみたいな動物と、2種しかいない弱小グループです。
ピューマの見た目は、ライオンのメスにそっくり。
アメリカってそんな動物が人里に出るんですね……。
ピューマなの?プーマなの?
ところで、「プーマ」という呼び方もありますよね。
スポーツ用品は「プーマ」ですし。
ピューマは呼び名がとても多い。
現地語では「ピューマ」が近い。
英語の発音では「プーマ」になるのですが、
「ピューマ」と言う人もけっこういる。
同じ意味で、どちらも間違っていません。
別に「クーガー/COUGAR」とも呼ばれます。
これはポルトガル語が由来だそうです。
また、北米では「パンサー」と呼ばれることも。
普通、パンサーはヒョウのことですが、ヒョウのいないアメリカではピューマがヒョウのような猛獣になるのでしょう。
他にも「アメリカライオン」「マウンテンライオン」「ディアーライオン」「カタマウント」など。
40以上の呼び名があるとか。
ギネスに「世界一名前が多い動物」で載っています。
それだけアメリカ大陸では、人に近い凶獣と怖れられ、さまざまな呼び名を与えられたのでしょう。
ピューマとジャガーは生息域が被っています。
ジャガーは密林、ピューマは草原なので、出遭うことは少ないでしょう。
遭っても、体格に劣るピューマが引く感じ。
さらに、北米にはグリズリー、オオカミといった強敵もいる。
南に暮らすジャガーが遭遇しない、北方のツワモノです。
ピューマの多くは、その犠牲になるそうです。
人間にも駆除されるし、安寧な生活とはいえません。
まとめ
新大陸の大型ネコ・ジャガーとピューマ。
旧大陸のトラ、ライオン、ヒョウらにも負けない猛獣です。
ジャガーのパワー。
ピューマのスピード。
彼らが近くにいたら、トラやライオンも油断ならなかったはず。
うまく棲み分けられていると思います。
こうして大型ネコは、世界にくまなく勢力を誇っているんですね。
日本は家ネコとかネコ耳に支配されているみたいだし。
コメント
ジャガーは北米にも生息してるんだが。ピューマとジャガーは頻繁に遭遇してるぞ。
適当な事書くな
よくネットでジャガーの嚙む力はトラ、ライオンよりも上と書いてある記事を見ることもあるのですが、本当なんですかねえ?体重では倍近くもトライオンのほうが上ですなんですよね。基本、噛む力って体重に比例するのではなかったかなあ・・・?同体重に換算したら上ということではないのですかね?ハイエナもそうです。私は実際の攻撃力ではそんなことはないと思ってます。