フクロウの雑学。首や耳が変?羽の構造、ミミズクとの違いも解説

フクロウの画像 陸生動物

近頃、やたらと人気なフクロウ。

ペットにする人は増大、フクロウカフェは大盛況と、愛玩動物の地位を確立した感もあります。

でも、ちょっと待ってください。

昔、フクロウといえば「気味の悪い鳥」という印象が強かったと思う。

夜に狩りをする習性。闇に響くホーホーという鳴き声。グリグリ回る首。

鳥なのに、顔は平らで人間っぽく見えて不気味な感じ。

いやはや、変われば変わるものです。

フクロウ人気が過熱する今こそ、フクロウの雑学を知るべきではないか!

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というわけで、今回はフクロウの雑学です。

調べてみると、フクロウはなんとも興味深い鳥なんですよ。

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フクロウの雑学。これだけは知っとこう!

フクロウ類は世界に220種ほどいて、日本では10種ほどが見られます。

僕の暮らす北海道にはシマフクロウがいて、これが羽を広げると2m近くもある。

子犬も襲うことがある最大フクロウのひとつ

顔は扁平で、鳥らしい尖った感がないのが特徴。

前方に両目がついているので、向かい合うという感覚になる鳥はフクロウくらいでしょう。

この顔がフクロウの生態と大きく関係しています。

顔全体が高性能アンテナだった?

夜行性のフクロウは、いわゆる「鳥目」ではありません。

あの大きな目で、フクロウは夜目の利く鳥です。

鳥目じゃない鳥はけっこういます

猛禽類のフクロウは生粋のハンターですから、肉食獣と同様に前方に向いた両目で獲物との距離感を正確に捕らえることができるのです。

この辺は他の猛禽よりも優れているでしょう。

しかし、闇の中では視覚より聴覚が物を言う。

フクロウは夜に活動するため、むしろ音を聴く能力を極限まで高めた生物なのです。

フクロウの顔は平ら……というか、へこんでいます。

これがパラボラアンテナのように集音の役目を果たすのです。

さらに、このアンテナをどの方向にも向けられる首の柔軟性があります。

首の可動域は270℃!

フクロウの怖いところはエクソシストみたいに首が回ること。

真後ろまではさすがに無理ですが、左右に270℃回転可能で、上もけっこう向ける。

フクロウは眼球が頭蓋骨に固定されて動かないため、顔ごと向ける必要があるから。

前向きじゃなく、前しか向けないんです

これは首の骨が14個(哺乳類は7個)もあるからで、レーダーを回すように顔をクルクルと回せます。

この芸当は長い間疑問でした。

首を目一杯、右でも左でも回してみてください。

「いてて……」ってなりますよね。

270℃も回したら筋肉はともかく、血管だって切れてしまう。

切れないまでも捩じれて血行が止まり、脳に酸素が届かなくなっちゃいます。

最近の研究で、フクロウの顎下の血管が袋状になって血を溜めることができることがわかりました。

首を回して血行が多少止まっても、溜めていた血液で必要な分は補えるというわけです。

目と耳を常に動かし、情報収集に余念がない。

このキョロキョロが愛想を振りまいているみたいで可愛く見える。

フクロウは耳にも工夫を凝らしています。

耳の高さが違う左右非対称の理由は?

フクロウの画像

人間の耳は、だいたい目の高さに左右ついていますよね。

フクロウは右耳が高く、左耳が低い。

人間で例えれば、右耳が頭の横、左耳がほっぺたについているようなイメージ。

福笑いもビックリのアンバランスです。

これは水平方向、垂直方向のどちらも音の発信源の位置がわかるように。

上下左右に耳をずらして、聞こえる時間差でより正確に状況を把握します。

顔の形、回る首、非対称な耳、フクロウは音を聴くために特化した鳥といえますね。

耳といえば、フクロウの仲間にはミミズクというのもいますが、この違いはご存知でしょうか?

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ミミズクは耳があるから?

フクロウとミミズクの区別はとても簡単です。

頭に角のような羽角(うかく)があるのがミミズク。ないのがフクロウ。

まあ、どっちもフクロウなんですけど。

「フクロウがいる」「あれは羽角があるからミミズクさ」などと中指で眼鏡をクイッと上げながら、ウンチクをかまして知的アピールしてみてはいかがでしょう。

ただ、ミミズクは~~ズクみたいな名前がついているのですが、最初に出てきたシマフクロウなどは羽角があるのに、名前はフクロウ。

「どっちやねん?」といわれれば、シマフクロウはフクロウです。

そこまで厳密にしなくていいんですよ。

外国ではどっちもフクロウで、いちいち分けているのは日本くらいですし。

神経質な日本人は羽角のあるなしが気になるんでしょうね。

羽角は耳のように見えるだけで、実はあまり意味のない飾り。

アホ毛みたいなもんだと思えばいい。

さて、最後に音を聴くことに特化したフクロウが、逆に自分自身の音を消すことにも進化しているという話です。

静かな羽ばたきを生むギザギザ

闇のハンターであるフクロウは、音もなく獲物に忍び寄るアサシンでもあります。

フクロウは昼間にも狩りをするんですが

バタバタと羽音をさせるような素人じみた狩りはしません。

デキる者は静かに仕事を終わらせるのです。

フクロウの羽には「セレーション」と呼ばれるギザギザがあって、この周りで空気が小さな渦を作ると、音を出す大きな渦が生まれにくくなり、羽音が抑えられるという構造。

この羽のおかげで獲物に気づかれず、気づいたときにはすでに捕らえられているというスタイリッシュな仕事をします。

ギザギザ構造は騒音対策として、新幹線のパンタグラフにも応用されています。

日本の高速鉄道技術はフクロウあってこそなんですね。

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まとめ

フクロウの基本情報をまとめてきました。

丸くへこんだ顔をグリグリ回すのは音を聴くため。

そのため耳の位置もわざわざずらしている。

狩りでは音を立てないよう羽に工夫。

フクロウはとにかく音にこだわっている鳥。

たしかにフクロウって、人の話していることをよく聞いているふうに見えますよね。

その様子が人間から見ると「話し相手になってくれてる!」と思うのかもしれません。

聞き上手は人気者になれるってことでしょうか。

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