犬は人間と一番仲の良い生き物ですよね。
当然、犬のことはみんな詳しくわかっています。
「うちのワンちゃんとは心が通じている」
という飼い主さんも多いはず。
でも、僕は犬ってかなり正体不明な生き物だと思うんですよ。
だいたい、「犬がどうして犬なのか」すら、
未だによくわかっていないって知ってましたか?
知っているようで、実は謎だらけの犬の進化を調べてみました。
犬の姿形は十匹十色
ここで犬というのは、いわゆるイエイヌというやつです。
飼い犬、野良犬に限らず、オオカミやハイエナやジャッカルではない、一般的な意味の犬です。
その犬について僕はいつも不思議に思っていました。
どうして犬は犬種によってあんなに姿が違うんでしょう?
人畜無害なチワワと、獰猛な土佐犬が、ひとまとめで「犬」なんですよ。
ネコとヒョウが同じ動物っていうくらいのレベルだと思いませんか?
多種多様な500の犬種
犬の種類を思い出してみてください。
ダックスフンド……ブルドッグ……ジャーマンシェパード……セントバーナード……
犬の種類は500にもなるといわれています。
小さいのから大きいの、毛の長いの短いの、立ち耳と垂れ耳……
見た目がずいぶん違う。
いやいや、性格(性質)もかなり違うようなのに。
チワワと土佐犬にしても、ネコとヒョウくらい違うように見えるのに、片や同種で、片や異種。
オオカミとジャッカルさえイヌ科というだけで違う種なのに、それよりずっと見た目の違う犬種が同じというのがずっと疑問でした。
ネコでもサメでも種類は多いけれど、犬ほど形態に差はありません。
なぜ、犬は同種の中で、あそこまで多種多様に進化しちゃったんでしょうか。
オオカミから犬に転身
犬の祖先はオオカミというのが通説です。
3万年ほど前のオオカミの化石の中に、「こいつ犬っぽいな~」というものがあります。
この頃からオオカミが犬に変わろうとしていたんでしょう。
そして、完全な犬の化石で最古なのは7.000年前のもの。
この化石はなんと日本で発見されています。
縄文人が飼っていた、オオカミではない犬ってことですかね。
日本人の犬好きも年期が入っている!
こうしたことから、
石器時代に人間に飼われるようになったオオカミがいて、
食性や行動も人間に合わせて変わっていき、
犬になったと思われます。
しかし、現代の犬にはとてもオオカミだったとは思えないものも多い。
トイプードルやポメラニアンから、どうやってオオカミが想像できるというのか!
犬の進化はオオカミが人間社会に適応しただけではないようです。
人間様に合わせた結果が……
オオカミは決して人に懐く動物ではありません。
というか、個人的には人に媚びるオオカミとか嫌だ。
孤高だからこそ日本でもオオカミは「大神」から転じ、世界的に見ても神聖視されているのに。
オオカミは協調性が高い?
一方で、オオカミは社会性の強い、頭のいい動物です。
人間と暮らすようになったオオカミは、
健気に人の要望に応えようともしたようです。
「小さく、おとなしくなって」と言われればそうしたし、
「キツネの巣穴に潜りこめ」と言われれば、胴体を細くした。
下僕のように従ったに違いありません。
そのため、狩猟や番犬や愛玩動物など、人の趣味が反映されるようになります。
加えて、人為的な品種改良も施され、結果的に多様性を増したのでしょう。
長い物には巻かれろ、ってやつですね
謎が解けない犬の進化
それにしても、数万年でこれほどの変化を見せるのは、ダーウィン進化論から逸脱していると思う。
進化は数千万年のスパンで起こるもの。
犬の短期間での変わりようは、夏休み明けに別人のようになったクラスメイトみたいな衝撃ですよ‼
実際、ダーウィンも自説と合わない犬を「よくわからん」と悩んでいたそうです。
まとめ
犬の体型の違いは、どうやら人間のわがままに因るみたいですね。
それでもここまでの差異が出た理由は、今もはっきりと解明されていません。
「そうなれ」と言われてなれるのなら、誰も苦労しないもんね。
まあ「ワンちゃんが必死に変わってくれた」と思えば、愛しさも倍増するかも。
ともあれ、僕らの身近にいる犬は驚愕の進化を遂げた動物なのです。
なりたい自分になるのは不可能じゃない……っていうことなんですかね。
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