ジャイアントパンダは漢字で書くと「大熊猫」。
わりと知られているので誰でもきっと読めますよね。
「大きな、クマみたいな、ネコ」という意味なのは日本人でもわかる。
中国語で、読み方は「ダーショォンマオ」なんだとか。
パンダといえばゴロゴロしているだけでみんなにキャーキャーいわれる人気者。
僕も何度か見に行ってますが、まともに動いていたことが一度もない。
日頃の行いが悪いのか……
でも、どうして大熊猫なのか疑問に思ったことはないでしょうか?
「ネコみたいなクマ」ならなんとなくわかる。
「クマみたいなネコ」……猫……?まあグウタラなところは似てるけど。
パンダってそこまでネコ要素あるか?
パンダが「大熊猫」になるまでは、いろいろと勘違いがあったらしいですよ。
大熊猫になった2つの勘違いとは?
パンダは元々ジャイアントパンダの名前ではありません。
レッサーパンダが本家パンダです。
アライグマみたいなみたいなヤツ。
1820年代に西洋人がヒマラヤにいるレッサーパンダの存在を知り、現地の言葉で「パンダ」と名付けました。
パンダは「竹を食べる者」が語源といわれています
で、この頃ジャイアントパンダのほうはUMAでした。
そう、未確認生物。
「白黒の熊みたいな動物?そんなのいるかよwww」と草生えるだったのです。
世界的スターの無名時代ですね。
レッサーパンダは上画像のように文句なくネコっぽい。
そこで漢字で「猫熊」。
「ネコみたいなクマ」になった。
「熊猫」じゃないことに注意してくださいね。(後で重要になります)
レッサーパンダがジャイアントパンダの子供?
レッサーパンダに遅れること半世紀。
やっと白黒のジャイアントパンダの存在も認められました。
「おお、これはパンダ(レッサーのほう)に似ているな。もしかしたらパンダ(しつこいようですがレッサー)が成長した大人かも。デカパンダだな」
なんと適当な分析でしょう。
当時は学者さえ、レッサーパンダが成長するとジャイアントパンダになると本気で信じていたのです。
しかし、レッサーとジャイアントは姿だけでなく、竹を食べるという生態もよく似ており、この二種がまったく別の哺乳類であると判明するのはずっと後のこと。
僕にはそんな似てるように見えないんですが、あなたはどうですか?
この時点で両者はともにパンダ属であり、レッサー(小さい)パンダと、ジャイアント(大きい)パンダと呼び分けられるのです。
そして中国語でも「小猫熊」「大猫熊」と漢字表記されることに。
つまり、ネコ要素があったのはレッサーパンダ。
ジャイアントパンダに猫の字が使われたのは、レッサーの同種と勘違いされた結果。
そして、さらなる勘違いによって「猫」と「熊」がひっくり返ることになるのです。
習慣の変化で猫と熊が入れ替わった!
第二の勘違いは中途半端な西洋化に原因があります。
日本もそうですが、中国でも昔は字は右から左に読むものでした。
「園物動の野上」みたいな昔の看板を見たことありますよね。
19世紀から20世紀にかけて、近代化に伴って西洋風に左から「上野の動物園」と書くようになったのです。
そんな時代に中国の生物学界も西洋式を真っ先に取り入れ、パンダを「猫熊」と表記した。
でも右から読む習慣のほうがまだ強かったので、ほとんどの人は右から「熊猫」と読む。
「この動物はクマネコなのだ」と勘違いが一般的に共有されてしまったのです。
これが「大猫熊」や日本語の「猫みたいな熊」であったなら、左から読むのだとわかったと思うのですが、「猫熊」の二文字ではどっちから読んでもニュアンスは通じたのでしょう。
平仮名は偉大だと思う。(ちょっと愛国心)
以来、パンダは「熊猫」となり、これでいいやと修正もされずにいる。
台湾ではパンダは「猫熊」でも通じるそうです
まあ、パンダの愛らしさがネコっぽいのかもしれません。
実はパンダとネコはそこまで遠くもないのです。
パンダは肉食!ネズミだって食べる!
ジャイアントパンダの分類は食肉目クマ科ジャイアントパンダ。
食肉目とはネコ目のことです。
生物のグループは大きい順に
界・門・綱・目・科・属・族・種
パンダは(レッサーも)ネコグループの動物なのです。
これを見る限り、ネコでもあり、クマでもある。
ここで気になるのは“食肉”目であること。
ネコ目はイヌやクマを含む、肉食動物のカテゴリー。
「パンダが肉食?あいつら笹食ってるでしょう」と思いますよね。
パンダと笹は、コアラにユーカリ、コタツにミカンくらい鉄板の組み合わせです。
実際にパンダは起きていれば笹を食べ、あとは寝ているというニートな動物ですが、ごくたまに虫やネズミなどの小動物も食べます。
笹ばかり食べているのは、パンダが他のネコ族クマ族に生存競争で負けて、中国の山奥に追いやられてしまい、笹しか食べるものがないから。
たまに食べられる肉も実は大好物。
パンダがネズミを食って、口の周りに血をつけているのは想像しにくいですかね。
平和そうに見えて、パンダは人里で家畜を襲うこともある。
人気のアイドルだって中身はダークだったりするのです!
この辺は動物園では見られない光景ですね。
動物園もアイドルにそんな凶暴性を見せられても困ります。
そもそもパンダは食費が年間1.000万円。
中国に払っているレンタル料も年1億近い。
ブリッ子して客を呼んでもらわなけりゃ割りに合わないってもんですよ。
まとめ
レッサーパンダが「ネコみたいなクマ」で「猫熊」。
レッサーと同一視されたジャイアントパンダは「大きい」「猫熊」。
でも読む方向が間違われて、いつの間にか「大熊猫」になった。
勘違いでメジャーになって、確立されてしまった漢字だったのです。
まあ、クマとネコが入れ替わっただけだし、普及してしまえば「大熊猫」もアリかな~と思う。
動物の漢字は「なんで?」っていうのもけっこう多いんですよ。
イルカが海豚とか、トドが海馬とか。
パンダの大熊猫はまだマシなのかもしれません。
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