幸せは~歩いてこない♪という歌がありますが、もしかしたら飛んできてくれるかもしれません。
見つけた人を幸福にしてくれるというケサランパサラン。
フワフワした綿毛のような姿で、風に吹かれて飛んでいるのだそうです。
「果報は寝て待て」が座右の銘の僕に、ぴったりのラッキーアイテムじゃありませんか!
幸せ、めちゃめちゃ欲しいですよね?
お金もかからないし、楽してボロ儲けって感じですよ。
このケサランパサランは正体がわかりません。
「植物だ」というし、「未確認生物だ」ともいうし、「妖怪だ」という意見もある。
一方で「簡単に捕まえることができ、飼育ができる」というお手軽さ。
謎ばかりなのにペットにできるって、いったい何者なんでしょうか?
ケサランパサランについて
ケサランパサランについては江戸時代から記録があります。
白くてフワフワの、耳かきの逆側についている綿毛のような謎の生物(物体?)。
耳かきの綿毛は“梵天(ぼんてん)”といいます
持っているだけで幸運を運んでくれる妖精とか座敷わらしみたいな存在です。
この奇妙な名前の由来は、スペイン語の「ケセラセラ」(なるようになる)からだとか、梵語の「袈裟羅・婆娑羅」からだとか、「意味不明」の意の東北の方言だとか、国籍まではっきりしません。
海外にも「エンゼルヘア―」「ゴッサマー」と呼ばれる、似たようなものがあるそうです。
まあ、ぶっちゃけ「な~んにもわかっていない」何かなんですね。
「幸運を呼ぶ」と人気になったのは昭和
ケサランパサランが有名になったのは1970年代。
ツチノコ、イッシー、クッシーなど、日本でUMAブームが起こりました。
一般家庭でも国内旅行が普通にできるようになり、日本の「空白」のような未知が求められていたんでしょう。
実際、UMAは地方自治体の観光資源になりがちです。
高度成長が続く「カネ」の時代に対する抵抗感もあったと僕は思います。
景気のいい時代こそ、オカルトや新興宗教が持てはやされるもんですからね。
「ケサランパサランを持っていると幸せになれる」
「1年に2回以上見ると効果がない」
「持っていることを人に言ってはいけない」
「おしろい箱で飼える」
「知らないうちに増えている」
妖怪じみた生態というか設定も同時に広まり、今では誰もが聞き知っているでしょうね。
しかし、どう見ても生物とは思えない。
ケサランパサランの正体にも諸説あるようです。
ケサランパサランの正体は?
ところで、あなたはケサランパサランを見たことありますか?
ほとんどの人は「それっぽいものを見た」ことがあるはずです。
外で漂っている綿毛状の物体は珍しくありません。
それらがなんでも「ケサランパサランかな?」となっちゃっているらしい。
その正体もそれぞれのようです。
植物
タンポポの綿毛が飛んでいるのはよく見ますね?
植物には綿毛を作るものが多いのです。
アザミやオキナグサの冠毛、ガガイモの種の綿毛、柳絮(りゅうじょ:ヤナギの綿毛)など。
ビワの木でよく目撃されることから、ビワにつくカビという説もあります。
カビなら知らないうちに増えますよね
ケサランパサランがカビの塊だったら、ちょっとガッカリ……。
アザミの綿毛はこんな感じ。
動物
猛禽類がウサギなどを食べ、消化できずに吐き出した毛玉という説。
これもまたガッカリ……「鳥がオエーっと出したのかよ」
襲われた動物の毛のついた皮膚が固まったもの、牛や馬の胆石、結石という、さらに夢のない説まである。
他に、北国で雪の降る前に飛び交う雪虫、アオバハゴロモ(ヨコバイの仲間)の幼虫など、羽毛を持った昆虫が正体ともいわれています。
鉱物
「オケナイト(オーケン石)」という石が、真ん丸の綿毛のような集合物を持つそうです。
これがモフモフの毛玉のようで、ケサランパサランにも似ている。
ラビットテールという別名もある石です!
オケナイトはパワーストーンで販売されており、ケサランパサランも幸運を呼ぶのかも。
UMA
ケサランパサランをUMA、つまり未確認の生物と考える人もいます。
僕もそうだったらいいな~と思っています。
でも、脳や内臓があるようには見えませんし、なんの意思も感じない。
妖怪、妖精の類とする以外では、新種の生物というのはちょっと考えにくいでしょうか。
ケサランパサランの正体は、結局「それっぽいもの」を総じて「ケサランパサラン」と呼んでいるだけなのでしょう。
害になるものでもありませんし、持っていればいいことがある“お守り”“ラッキーアイテム”ですね。
幸福のプラシーボ効果になればOK。
ケサランパサランの捕獲と飼育も難しくありません。
ケサランパサランの飼育法
兵庫県の姫路市立動物園、山形県の加茂水族館にケサランパサランが展示されています。
そう、ケサランパサランは飼える!
飼育法まで確立されている立派なペットなんです。
その飼育法も超簡単。
「おしろいを入れた桐の箱に空気穴を開けて、ケサランパサランを入れておく」だけ。
ケサランパサランの飼育員で是非雇ってほしい
桐は湿気を防ぎ、虫がつきにくい。
ケサランパサランはあまり見てはいけないという話があるので、透明のビンやケースよりもいいのだとか。
もちろん、インテリアとして洒落たビンで飼うのもアリです。
ケサランパサランはおしろいを餌にし、成長し、たまに増えることもあるといいます。
捕まえ方は?
問題は捕獲。
習性も生息地もわからないですからね。
前述したように、ビワの木のある場所は狙い目です。
あとは運しかありません。
運が欲しいから見つけたいのに、見つけること自体が幸運というのも「なんだかな~」ですが。
見つけたら、潰さないようにそっと手で包み込みましょう。
「幸せを逃がしたくない!」と強く握っちゃダメですよ。
飼育のコツは「生き物のように扱う」ことだと思います。
ケサランパサランの正体はわかりませんが、物であっても生き物を飼うように保管することです。
慈しんで育てれば、還ってくる幸運も大きくなるという気持ちで可愛がってください。
まとめ
なんとも面白いケサランパサラン。
正体はともかく、フワフワとした形を見るだけでも気分は幸せになれるでしょう。
しかも飼育が楽。
糞の後始末は要らず、掃除もほとんどしなくていい。
そして、たぶん死んじゃうこともないと思います。
あなたもふわふわ飛んでる幸せを捕まえて、大きく育ててみてはいかがですか?
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