野ウサギは飼える?ペットになれなかった野ウサギの素顔

野ウサギの画像 ペット

ウサギをペットにしている人は多いでしょう。

飼いやすいうえに、種類も豊富。

犬・猫に対抗する、ペット界の第三勢力といえそうです。

そのウサギですが、日本には野生の野ウサギもいます。

野良犬、野良ネコとは違い、最初から自然に生息しているウサギです。

それも人里に近い山地にも普通にいる。

「だったら、野ウサギ捕まえて飼えばいいンじゃネ」と思いません?

種類にこだわらないなら、わざわざペットショップに金を払って、購入することもありません。

敢えてワイルドな野ウサギに挑戦するのも一興かと。

今回は飼われるウサギ(カイウサギ)と野ウサギについて。

違いがあるのか?野ウサギはペットにできるのか?

そんな疑問を解決してゆきます。

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日本にもいる野生のウサギたち

日本で見られる野ウサギは

ニホンノウサギ・エゾユキウサギ・アマミノクロウサギの3種。

エゾユキウサギは北海道だけにいます。

体長は50~60cm。

日本で一番大きい野ウサギ。

ちなみに「(エゾ)ナキウサギ」というのもいますが、これはウサギ目のナキウサギという、ウサギとは別の動物になります。

アマミノクロウサギは体長40~50cmで、耳が短い、奄美大島と徳之島の固有種。

後述するアナウサギの祖先とされる、原始的なウサギです。

北海道生まれの僕には、エゾユキウサギが馴染み深いのですが、今回主に取り上げるのはニホンノウサギ。

「日本のウサギ」じゃなく「日本野兎」。

本州・四国・九州に広く生息する、野生のウサギ。

童謡や昔話に出てくるのは、このニホンノウサギです。

『ふるさと』では追われ、『待ちぼうけ』では衝突死し、『カチカチ山』でエグイ復讐したのはコイツ。

それだけ日本人には身近な動物なのでしょう。

野生種「ニホンノウサギ」とは?

ニホンノウサギには4つの亜種があります。

・トウホクノウサギ(本州の日本海側)

・サドノウサギ(佐渡島)

・オキノウサギ(隠岐諸島)

・キュウシュウノウサギ(本州・四国・九州)

ただし、違いは微妙で、サドとオキはともかく、トウホクとキュウシュウははっきり住み分けされているわけでもないので、全部ひっくるめて「日本の野ウサギ」と捉えておけばいいです。

大きさは50cm前後。

全体的にスマートで、後ろ足は長い。

色は茶褐色、灰褐色ですが、雪の降る地域では冬に白くなります。

走るスピードは時速60km

日本にいる野生動物の中では最速クラスです。

トップはエゾユキウサギの80km/h

夜行性で、性格は臆病。

そのため、見かけることは多くありません。

人懐こく、丸い体つきの、おとなしいカイウサギとは印象が違いますね。

それも仕方ない。

そもそも、カイウサギと野ウサギは、種類が違うからです。

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野ウサギと飼いウサギの違い

ペットのウサギはアナウサギを改良したものです。

アマミノクロウサギでちょっと触れました。

アナウサギは文字通り「穴を住処にするウサギ」。

野ウサギは、草原など広い空間で暮らし、特定の巣を持ちません。

「引きこもり」と「放浪者」みたいなもの。

この違いで、同じウサギなのに、生態が異なるわけです。

野ウサギは孤独だった!

ウサギは「食われる側」の動物です。

キツネやイタチ、ヘビ、猛禽など、四方が敵だらけ。

人間が食べてもウサギは美味いですからね。

あまりに美味いので、食べても許される鳥ってことにしようと、「1羽2羽」という数え方にした説もあるくらい。

昔、獣は食べるの禁止でした

もちろん、ウサギは食われたくない。

そこで、隠れる道を選んだのがアナウサギで、逃げるを極めたのが野ウサギなのです。

アナウサギはヨーロッパが原産。

総延長数十メートルで、出入り口が何ヶ所もある巣穴に、数匹から20匹にもなるグループで暮らしています。

社会性のあるアナウサギだから人にも慣れるのです。

片や野ウサギは単独行動。

草原で群れていたら目立ってしょうがない。

だから、ボッチ志向で基本慣れません。

意外とタフ!赤ちゃん野ウサギ

野ウサギは常に「死と隣り合わせ」です。

大きな耳で敵を察知しなければなりませんし、すぐに逃げる準備も怠れません。

カイウサギの赤ちゃんがひ弱なのに対して、野ウサギの赤ちゃんはある程度動けます。

毛もしっかり生えているし、目も見えている。

生後一週間もすれば、自力でなんでもできます。

生まれた時点で「自分の身は自分で守れ」なのです。

それでも、子ウサギはまだまだ弱い。

オトナ野ウサギのワイルドさもなく、丸々として可愛い。

人が簡単に捕まえることもできます。

捕まえた野ウサギはペットにできるのでしょうか?

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野ウサギはペットにできないの?

家畜として改良されたカイウサギは、いわば「人に庇護されたウサギ」です。

「飼い易さ」を叩きこまれた、「愛玩」のエリートというところ。

野ウサギはそうではありません。

本来、飼われる気などさらさらないのです。

野ウサギの捕獲

成長した野ウサギは、「逃げ」上手。

専門的な罠でもなければ、素人が捕獲するのは大変です。

ただ、生まれて間もない野ウサギは、普通に捕まえることができます。

野ウサギの画像

野ウサギはアナウサギのように複雑な巣は作りません。

目立たない場所に、枯れ草を敷いただけの、粗末な巣で出産します。

ほとんど捨て子状態。

だから、巣を見つければ、野ウサギベビーの捕獲は簡単です。

それを「あら、可哀想」「飼ってあげよう」と持ってっちゃう人も多い。

でも、これやっちゃダメなのです。

野ウサギの捕獲・飼育は違法だった!

実は野生動物の飼育は、法で禁じられています。

「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」というのがある。

ここで、「野生鳥獣は勝手に捕まえたり、傷つけたり、飼育してはいけない」とされています。

野ウサギも「野生鳥獣」に入ります。

狩猟や飼育には許可が必要なのです。

野ウサギを捕獲したら、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」。

虫は鳥獣ではないので昆虫採集はOK

とはいえ、野生の動物を捕まえたり、飼ったりする話はよく聞きます。

そこまで厳密とはいえない法律でもある。

おススメはしませんが、一時的に世話をするくらいは許容の範囲と思います。

手で触れ、餌を与え、後に自然に還してあげればいいでしょう。

ウサギの強さを実感しよう!

野ウサギの世話は、カイウサギと同じです。

餌も野菜・果物でじゅうぶん。

しかし、野ウサギは孤独を好む、荒っぽいウサギであることを忘れてはなりません。

人の施しなんか嬉しくないし、手をかけてもストレス溜めて、病気になることも多い。

カイウサギよりヤンチャで、ずっとアクティブ。

ペットウサギの感覚だと、痛い目に遭うでしょう。

注目してほしいのは「ウサギの強さ」です。

草食の小動物の代表のようなウサギ。

どこか「最弱の動物」という印象が強い。

でも、ウサギだって野生で生き抜く強さがある。

敵だらけの自然界で、ただの弱者があれほど繁栄するわけがありません。

食物連鎖の底辺にいるようで、ウサギはしっかり身を守り、抵抗もしているのです。

野ウサギはそんな「強さ」を見せてくれるウサギ。

「弱いウサギと見くびるなよ」

弱さに甘んじない野生のウサギは、ペットウサギとは違う魅力があるのです。

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まとめ

ウサギは可愛い動物です。

弱く、小さく、肉食の犬や猫のような攻撃性もない。

「守ってあげたい!」となるでしょう。

しかし、元々は生き馬の目を抜くような自然界の生き物。

「強さ」も持っているのです。

野ウサギはそれを感じられる存在。

カイウサギが失った「野生」を残している。

ウサギの裏の一面を見ることができると思いますよ。

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