味噌汁にするアサリやシジミは飼えないの?飼うならどうする?

貝の画像 ペット

僕は貝類には目がないほうだ。

アサリやシジミの味噌汁など、一つ一つ身をほじくって食わないと気が済まない。

面倒臭がりなのに、その作業は一生懸命やるほうです。

今はパック入りで店頭に並ぶアサリやシジミ。

それでも生きているヤツがいますよね。

だから砂を吐かせたりするのだけれど、頑張って生きている小さな命。

「飼ってやれないものか」

食欲を捨てて、そんなことも思わないわけではない。

僕は子供の頃、よく思いました。

今の子だって、きっと思うんじゃないでしょうか。

売り物のアサリやシジミ。

あれってペットにできるんでしょうか?

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飼えるけれど難しい

潮干狩りでもお馴染のアサリ、ハマグリ。

淡水から汽水域にいるシジミ。

食卓でもよく見る小型貝ですよね。

もちろん美味しいのですが、ちょっと観察もしてみたい。

潮干狩りの収穫をバケツに入れて、しばらく飼ってみたという人もいるでしょう。

でも、数日で死んでしまう。

きちんと環境を整えてやれば、育ち、繁殖させられるのか。

増えたら酒蒸しやクラムチャウダーにもありつけるのでは。

夢の家庭“貝”園。

そこには高い壁もあるようです。

タニシと二枚貝は違う

熱帯魚を飼う人なら、一緒にタニシも飼っているかもしれません。

水槽のコケを食べる巻貝は、メジャーな掃除屋さんです。

タニシなどはほとんど飼育に苦労しない。

勝手に動き回り、コケや魚の食べ残しを食べてくれます。

アサリやシジミはそうではありません。

二枚貝はほとんど動かない。

餌は水に含まれる微生物やミネラルなど。

水ごと体内に取り込み、栄養だけを濾し採っています。

つまり、栄養分入りの水が必要。

それも大量に。

潮干狩りの貝がすぐ死んでしまうのは、容器の水の栄養がなくなるからです。

自分で積極的に餌を探さない貝は、住処の水次第。

これを作るのが難しい。

考えてみれば、アサリやシジミを施設で養殖している話は聞きませんよね。

二枚貝は自然の海や湖沼で育てるのが普通。

それだけ人工環境で育てるのが難しいってことです。

また、飼育そのものにも不向きでもあるんです。

二枚貝飼育のデメリット

「貝の飼育はつまらない!」

これは大きな問題です。

いや、二枚貝だって見ていれば楽しいんですよ。

少しは移動したり、砂から管を出してプハプハしたり。

でも、基本的には動かないし、観察したくても貝は砂の中。

餌に寄ってくるわけでもない。

観賞的に一般受けしないでしょう。

さらに、生きているのか死んでいるのかもわかりにくい。

砂の中で死なれたら、発見も遅れる。

死んでいれば水質汚染の原因になります。

売り物のアサリやシジミを飼うメリットはほとんどありません。

昔、買った卵を自分で大事に温めて、ヒヨコを孵した人がたまにいましたが、それと同じようなものでしょう。

「やってみたぜ」というユーチューバー感覚が強いと思う。

有精卵なら今でも孵せますよ。
無精卵は温めても腐るだけ

「アサリやシジミは飼えないのか」

がっかりされたかもしれません。

しかし、「飼ってみよう」というチャレンジ精神を無碍にもしたくない。

子供がそんなことを言いだしたら、協力してあげたいじゃないですか。

なんとか飼育できないものか調べてみました。

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味噌汁貝たちを飼うには

潮干狩りの画像

前述したように二枚貝は飼育に向きません。

それでも飼うならどうするか?

ポイントは、「いかに家の水槽を自然環境に近くできるか」になります。

自然の水と泥で飼う

アサリ、ハマグリなら海水が必要です。

シジミは汽水と淡水で飼えます。

そして、潜るための泥や砂(高さは貝が潜れる程度)。

水と砂。

この2つは絶対揃えなきゃいけません。

この場合、できれば海や河口から調達しましょう。

栄養分がいっぱいです。

潮干狩りなら、その場と水と泥(砂)を少々いただいてくればいいです。

味噌汁の貝たちを飼うなら、「水と砂を入手しやすい」が条件になります。

近くに海があるなら好都合でしょう。

準備した砂を敷き、水を入れ、貝を投入。

それだけです。

あとは水を週一くらいで交換してあげる。

水換えが餌の補充になります。

これには問題もある。

汲んできた自然の水には、なにが入っているかわからない。

知らないうちに、変な生き物が繁殖して、阿鼻叫喚になることも。

まあ、これは自然物を使う宿命のようなものです。

水くらいなら(たぶん)大丈夫じゃないかな……と。

心配なら人工海水でもなんとかなるかもしれません。

人工的に水槽を作る場合

人工海水は海水魚を飼うときに使われます。

海水の素とカルキ抜きした水道水を混ぜ合わせ、海水の塩分濃度(約3.5%)に合わせます。

食塩で3.5%の塩水を作っても海水にはならないので、使わないでください。

人工海水はもちろん砂抜きでも使えます

砂は目の細かい「田砂」などでいいでしょう。

潜りやすく、貝を傷つけにくい。

これで二枚貝の住処はできました。

ここに栄養分を加えないとなりません。

二枚貝の餌という商品も実はあります。

バクテリアや藻類を補給するものです。

「餌があるなら普通に飼育できるんじゃないの?」

と思いたいところ。

これら貝の餌は、主にドブ貝、イシ貝、マツカサ貝などのためのものです。

タナゴがそれらの貝の中に産卵する。

タナゴのために置いている貝の餌なんです。

それをアサリ、シジミ、ハマグリに使っちゃおうというわけです。

これでなんとかなると思います。

水・砂・餌……あとは運次第

ところが、この餌でも二枚貝を飼育するのは難しい。

一応、貝が育つ環境にしただけです。

数ヶ月はもっても、長期に育てられるものではない。

長く生きる貝もいますが、それは運。

貝が環境に馴染み、餌も適度に摂れている状態です。

上手くいけば貝は数年生き、繁殖させることも可能。

ただし、困難であることは覚えておいてください。

「二枚貝の長期飼育の方法は確立されていない」が現状なのです。

これは自然の水・砂でも同じ。

放置して緑色になったグリーンウォーターが餌になるという人もいます。

飼育する人が少なくて、なにがいいかわからない。

逆に考えれば、あなたが考えついた方法が、味噌汁貝の長期飼育に革命をもたらす特許になる可能性もある!

それができれば夢の家庭貝園でボロ儲け……。

いや、味噌汁にする前に「飼ってあげたい」と思う優しさを、持ち続けてほしいものです。

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まとめ

アサリ、シジミ、ハマグリの飼育は簡単ではないようです。

栄養たっぷりの水と、潜れる砂底。

これだけなのに、未知の部分が多いのでしょう。

長期飼育の方法は謎のままです。

一週間くらいなら活きているので、自由研究くらいにはできそうですね。

ろくに動かない貝も、細かいところで生きている。

観察だって面白いはず。

意外な発見があるかもしれませんよ。

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