僕はそれほどヨーグルトは好きではないのですが、たまには食べます。
「食いたいものを、食いたいときに、食いたいように食う!」
「カロリーだの塩分だの気にして飯が食えるか!」
と不健全な僕にとって、たまのヨーグルトは「食っておけば悪食生活がチャラになる」と思い込んでいる万能食なのです。
そのヨーグルト。
「腸にいい」食べ物の代表ですが、
乳酸菌とビフィズス菌がある。
どちらも健康には良さげな細菌です。
ほとんどの人は、「体にいいんだろうな~」という気分だけで、なーんにも考えずに食べているんじゃないですか?
だけど、「何が違うんだろ?」と疑問が湧いた。
調べてみたら、全然違うものだったんですよ。
違いを知り、どちらが必要なのかわかれば、不健康を補えるはず!
腸内は体内最大の戦場。
勝利のために、勉強しましょう!
人間と細菌の関係
まず、乳酸菌、ビフィズス菌については、膨大なサイトが存在します。
ほとんどは「健康系」「食系」、あとは「最高のヨーグルトはこれ!」とか企業案件みたいなの。
まあ、ぶっちゃけ書いていることはどこも変わりません。
・乳酸菌、ビフィズス菌で腸活!
・一緒に摂ると良い食べ物は?
・ストレスのない生活が菌を増やす!
こんなのです。
で、「肉より野菜・果物食え」とか、「酒・タバコ・コーヒーは×」とか、「適度な睡眠と運動」とか、代わり映えのしない提言が並んでいる。
僕は上に書いたように、不健康な人間。
そういうのには「うっせぇわ」のタイプです。
なので、健康志向で読まれる方には、この記事はおススメしません。
「乳酸菌、ビフィズス菌ってなんだろ?」
「腸で何やってんだろ?」
など、軽い疑問に答えるだけ。
それはご了承ください。
人間は菌だらけだった!
さて、本題に戻りましょう。
細菌は立派な生物です。
居心地のいい環境と、食料さえあれば、勝手に繁殖もします。
それは体内でも一緒。
今回取り上げる「乳酸菌」も「ビフィズス菌」もともに「嫌気性」で、酸素がなくても生きられるため、体内でも問題ない。
そんな細菌が人間ひとりにウジャウジャ住みついている。
生まれたばかりの赤ちゃんでも、3日もすれば菌まみれになるそう。
ゆりかごから墓場まで、人は菌と共存することになる。
その数、「千種類・百兆個」なんて言われます。
ゴミのような生物でも、それだけの数。
まとめると、1kgほどもあるらしい。
「体重の1kg分は菌か~」
感慨深いけれど、想像もつかない量ですね。
その体内細菌の9割は、腸を住まいとしています。
腸内細菌って何?
食べ物は、口から食道、胃を経由して、腸へ送られます。
腸では「十二指腸」「小腸」「大腸」の順で、栄養素を搾り取りながら消化し、残りかすが便で排出される。
食料が常に補給されて、人肌でぬくぬく。
菌にとって腸は理想の住処です。
数百種の菌が腸壁にビッシリへばりついている。
それが花畑のように見えることから、「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」とか「腸内フローラ」と呼ばれます。(フローラは「花畑」の意)
聞いたことありますよね。
住み心地のいい場所には、いろいろなヤツが集まる。
いわゆる「善玉菌」もいれば、「悪玉菌」もいる。
さらに、腸内では大多数の「日和見菌(ひよりみきん)」がいます。
こいつらは普段は何もせず、善玉と悪玉の強いほうにつく事大主義。
だから、悪玉菌が増えると、日和見菌を味方につけて勢力を増し、腸内で悪が蔓延ることになる。
すると、便秘や下痢、肌荒れ、老化が進み、ガンや糖尿病などのリスクも増大。
体臭きつくなるし、屁までくっせぇ~。
いいことはひとつもありません。
そこで、近頃耳にする「腸活」。
「腸内フローラを整えて~」ってやつ。
「善玉菌を増やして、健康になろう」というわけ。
なんにでも「活」つける風潮には
ウンザリなんですが……
腸活の代表格が「乳酸菌」と「ビフィズス菌」。
誰もがすぐ思いつく善玉菌。
この2つのうち、どちらかを「入ってます」と謳っておけば、健康食品の信頼を勝ち取れると言っていい。
そのため、よく聞く菌なのですが、なんとなく「整腸作用がある」という認識で、その働きや効果は知らないのではないでしょうか。
また、同じような菌と思われている。
乳酸菌とビフィズス菌は、似て非なるものなのです。
乳酸菌とビフィズス菌の違い
「乳酸菌」は「代謝によって乳酸を出す菌」の総称。
乳酸菌という特定の菌ではありません。
糖を食べて乳酸出す菌を、ひっくるめて呼んでいるのです。
発酵食品にはほぼ含まれているので、もっとも知られた善玉菌でしょう。
どこにでもいる乳酸菌
乳製品、漬物などに含まれている乳酸菌。
ちょっと臭いのキツイものには、だいたい入っている。
ヨーグルト、チーズ、納豆、漬物全般。
醤油や味噌、日本酒などにも乳酸菌はいます。
日本人ならあえて意識しなくても、きちんと摂取できているでしょう。
熱を加えた場合は死んじゃいます
嫌気性と言いましたが、乳酸菌は酸素があっても大丈夫。
だから、どこにでもいて、いろいろな食材にも使われます。
腸内でも、小腸が主な住処。
そこで乳酸を産し、腸内を酸性にすることで、悪玉菌を活性化しにくくする効果があるのです。
最近は、免疫力アップも期待できるといわれます。
これはウィズコロナ時代に嬉しい!
ただ、腸内の乳酸菌はそれほど多くありません。
腸には乳酸菌よりはるかに多くのビフィズス菌が存在しています。
大腸の主役ビフィズス菌
大腸に暮らすのがビフィズス菌。
乳酸菌とビフィズス菌の比率は「1:99」ほどになる。
こちらは完全に酸素が苦手で、酸素がほとんどない最奥部の大腸にしかいられないんですね。
ビフィズス菌は、乳酸と酢酸を作ります。
「乳酸を作るなら乳酸菌の一種でしょ」と思う。
事実、「ビフィズス菌は、乳酸菌の一種」と説明しているのもよく見ます。
でも、乳酸菌というほど乳酸は作りません。
形状も、乳酸菌は球形、棹形ですが、ビフィズス菌はいびつなY字形。
厳密には違う菌となります。
効果はやはり腸の酸性化。
さらに、大腸の蠕動(ぜんどう)運動を助け、お通じと悪玉菌の排出を促します。
数多いビフィズス菌を増やすほうが、腸活にはいいんですね。
だけど、考えてみてください。
有酸素でも生きられる乳酸菌は、たくさんの食べ物に含まれます。
逆に酸素嫌いのビフィズス菌は、自然に体内に取り込まれることが難しい。
味噌舐めながら、日本酒飲んでりゃいいってもんじゃない。
僕がよくやってる飲み方だな……
なので、「ビフィズス菌入り食品」を積極的に摂る必要があるわけですね。
乳酸菌・ビフィズス菌の摂り方
乳酸菌もビフィズス菌も、摂取は簡単です。
現在は健康ブームで、商品はいくらでも手に入ります。
完全に嫌気性のビフィズス菌は、食品に含むには少し手間なので、商品は少なく、値段もやや高めの傾向ですが、需要も増加していて、そこまで高級ではありません。
しかし、食べるだけで健康になれるわけではないんです。
食後に摂る?果物と摂る?
多くの食品に含まれる乳酸菌とビフィズス菌。
口から入れるのですが、無事に腸まで届くのは僅か。
途中に、胃酸グツグツの胃があるからです。
あの胃液が上がってきたときの、喉の痛みを思い出してください。
硫酸みたいな胃液で、菌はほとんどお陀仏です。
そこで「生きたまま腸に届く」という売り文句。
菌が胃で死滅しないよう工夫がされている商品だとアピールしているのです。
また、食後は胃酸が薄まっている。
食後にヨーグルトは、理に適っているんですね。
餌になる食材も食べておくといいですね。
胃で死んだ菌も餌になるんですが、それだけじゃ足りない。
食物繊維の多い「穀類」「豆類」「根菜類」「海藻類」。
草っぽいものですね。
オリゴ糖の多いバナナやハチミツなど、甘いものもいい。
お菓子はダメよ
こういった餌を一緒に摂ることで、菌を応援できます。
おツマミには枝豆も入れておこう……。
それに、乳酸菌もビフィズス菌も、腸に入れておけば勝手に増えて、居続けてくれるわけじゃない。
死ぬやつ、便で出されるやつなどいて、過疎ってしまうんです。
だから、まめに摂取しなくちゃなりません。
乳酸菌はともかく、ビフィズス菌は意識しないと、なかなか摂れない菌。
習慣づけることが一番なんですね。
菌のチカラ信じますか?
最後に、個人的な意見を加えますと、「乳酸菌、ビフィズス菌の効果はプラシーボも大きい」と思っています。
「体にいい」と信じ込むから効くのだろうと。
世に氾濫する「○○は体にいい」全般、僕はけっこう懐疑的。
菌だって野菜だって、人間のために進化したわけじゃないでしょうし。
たまたま、人間に役立つくらいの認識です。
乳酸菌もビフィズス菌も、ほとんどは胃液で死滅するわけですし、死骸も健康に役立つそうですが、どれほど効果があるんでしょう?
あまり盲信せず、バランスよくなんでも美味しいと思って食べるのが、一番健康的に思えるんですが。
などと、今夜も酒を飲み、揚げ物を食べながら、健康食品のCMに「嘘くせえ」と悪態をつく僕は、思考も不摂生なのかもしれません。
まとめ
乳酸菌、ビフィズス菌はどちらも腸内にいる菌。
そこでの活動が、腸もいい状態にしてくれる。
結果オーライならいいかな~と思います。
しかし、ただ食べてればいいというものではない。
摂取して、腸まで届かせ、元気に繁殖させないとならない。
けっこう気を遣います。
まあ、それで長生きできれば、面倒も報われるってことですかね。
「人生100年」は、普段の食生活が大事といえそうです。
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