ネットの都市伝説のひとつに『猿夢』というのがあります。
けっこう有名ですよね。
「怖い夢を見た」って話なのですが、この話を聞くと同じ夢を見てしまうとか、不幸なことが起こるとか、尾ひれもついて拡散されている。
僕は今のところ猿夢は見ていないんだけど、何かあっても責任は負いかねるので、この後を読むのは自己責任でお願いします。
ずっと疑問に思っていたこと。
「なぜ猿なのか?」
「猿になにか意味があるのか?」
都市伝説を真面目に考えるのも……と思いつつ、気になってしょうがなかった。
で、ちょっと今回調べてみました。
「動物ブログでやることか」と意見もあるでしょう。
いいんです!猿なんだから。(開き直った)
有名オカルト話『猿夢』を考察し、その意味や対処法も解説してゆきます。
夢で惨殺される恐怖!猿夢とは?
実は僕は都市伝説が好きなのです。
陰謀論よりも、猿夢のような(おそらく)創作物のほうが好き。
無数の都市伝説が生み出され、出来のいい話が伝播してゆくうちに、無駄が省かれたり演出が加えられたりして、磨かれてゆくような感じがいい。
「みんなで作った物語」それが都市伝説なのです。
今ではネットがあって、流布も簡単。
ネット発祥の都市伝説も多く、その中で生き残った物語は秀作揃い。
猿夢もそのひとつなんです。
グロい部分もありますが、さらっとストーリーを。
乗ってはいけない猿の電車
主人公の「私」は夢を見ています。
「私」は夢を自覚し、自分の意志でいつでも覚醒することができます。
立っているのは見知らぬ駅のホーム。
「まもなく電車が参ります。乗ると怖い目に遭います」とアナウンスの声。
そこに遊園地にあるような、猿が運転する電車がやってきます。
猿の絵が描かれた電車という場合もある。
乗っているのは顔色が悪く、無表情な乗客たち。
「私」は「怖くなったら目を覚まそう」と考え、後ろから3つ目の席に座ります。
電車は出発し、トンネルに入ったときアナウンスが流れた。
「次は活け造り、活け造り~」
不思議に思う「私」の後方から突然悲鳴が。
振り返ると、最後席の男性客に小人が群がり、腹を割かれ、内臓を引きずり出され、まさに活け造り状態。
「私」は耳を覆うも、リアルな血肉の臭いが鼻を突く。
とても夢とは思えない現実感です。
しかし、すぐ後ろの席の女性客は無表情のまま、気にならない様子。
さらにアナウンスが続きます。
挽肉にされる寸前で
「次はえぐり出し、えぐり出し~」
今度はすぐ後ろの女性客が小人に目玉をえぐられ、悲鳴をあげていました。
最後部、後ろから2つ目の順番。
「私」は「次は自分の番だ」と思い、目を覚まそうとする。
でも、その日に限ってなかなか目覚めない。
「次は挽肉、挽肉~」とアナウンス。
「私」の周りに小人が集まり、ミンチ用の大きな機械を近づけてくる。
もうだめだと思った瞬間、「私」は目を覚ましたのです。
悪夢は終わっていなかった!
夢で良かったっと胸をなでおろし、何事もないまま4年が過ぎました。
ある夜、「私」は同じ夢を見ます。
「次はえぐり出し、えぐり出し~」
その夢はその場面から始まりました。
前回と同じく、すぐ後ろの女性客が目玉を抜かれている。
「あのときの夢だ!」と思いだす「私」。
そして「次は挽肉、挽肉~」の声。
小人に押さえられ、音を立てて近づく機械。
はっと目覚めた瞬間。
「また逃げるんですか~。次が最後ですよ~」とアナウンスがはっきり聞こえた。
それ以来、いつ同じ夢を見るか眠るのが怖ろしい……。
以上がネットに流れている猿夢のあらすじです。
その後、この人が挽肉にされたかどうかはわかりません。
猿夢というか「猿の電車の夢」ですね
別バージョンで、一般の電車に乗っている「私」が凶器を持った猿に殺される、というものもある。
「私も同じ夢を見た」「猿夢の続きを見た」など派生も多い。
なぜ猿夢はこれほど話題になったんでしょうか?
猿夢の意味。なぜ猿は怖いのか?
猿の電車は遊園地の定番です。
1948年に上野動物園で始まり、当初は本当に猿が操作していました。
訓練が面倒なので、そのうち運転席に猿を置いておくだけになったんです。
運命を握る猿は邪悪な敵の象徴
運転席の猿は、客には無関心です。
客が挽肉にされていようと、知らぬ顔で電車を走らせます。
電車というのは安全を乗務員にお任せですよね。
言ってみれば、運転手は客の生殺与奪権を握っているともいえる。
それが気まぐれな猿っていうだけで、猿電車は怖いと思いませんか?
夢に出てくる猿は、邪魔な相手の象徴だそうです。
猿に害を与えられる夢は「人間関係のトラブル」「誰かに妨害される」サインなんだとか。
すると猿夢は――
害意のある何者か(猿)が、誰か(小人)を使って不幸を運ばせ、自分はそれに逆らえない。
そんなふうに解釈できます。
普通に嫌な状況ですが、猿という生物そのものの怖さもある気がします。
人間の中に潜む猿への恐怖
猿は愛嬌のある、可愛い動物。
でもちょっと視点を変えてみましょう。
猿は動物ですが知恵がある。
人間以外で「狡猾」を感じるのは猿くらいでしょう。
ヘビなどもそんな印象だけど、それは生態に過ぎません。
「何か企んでいそう」なのはやはり猿です。
映画『猿の惑星』は猿が人間を支配する社会を描いた作品。
これは猿のような日本人の侵略に白人が震え上がった戦争時代がモチーフになっているという説を聞いたことがあります。(真偽は不明ですが)
劣っていると信じ込んでいた相手に支配される恐怖と屈辱。
猿にはそういったポテンシャルがありそうに見える。
人間は心のどこかで猿が怖いんじゃないでしょうか。
猿夢の「私」は運転猿に助けを求めません。
もし求めていたらどうなったでしょう?
気づきもせず、電車を事務的に走らせ続ける。
振り向いて「これがお前の運命だ」と人語を喋る。
どっちも怖いな……。
猿夢は自分が死ぬ夢ではない!
猿は人間に近い動物ですよね。
仕草も人間臭く、猿世界はどこか人間界のカリカチュアに思えます。
人間も一皮剥けば中身は猿みたいなもの。
猿は「理性や常識やルールを捨てた人間」ととらえることもできるでしょう。
猿夢の猿は、そんな犯罪者のような他人なんでしょうか?
現実の楔から解放された「私」と考えるのは無理だろうかと思うのです。
もしかしたら、自分自身の本質とか、心の自分みたいな存在なのかも。
とすれば、「次は逃げられないよ」というのも、「自分の人生からは逃げられないよ。だから負けないで」という意味にならないでしょうか。
猿夢は「夢で殺されると現実で死ぬ」と考えられています。
書き込みも「次に夢を見たらこっちでは心臓発作ですが、あっちの世界では挽肉です」と締められていますが、活け造りやえぐり出しにされた人物が現実世界で死んだ確証はないのです。
「私」の想像ってだけ。
猿夢を見たとしても、慌てることはないと思います。
同じ夢を見ても心配するだけ損。
まあこんな記事を書いた責任もあるので、一応最後に対処法も書いておきます。
猿夢を見たら、見ないための対処法
猿夢の話を聞くと、同じ夢を見るといわれます。
これは呪いが感染したのではなく、猿夢を聞いた記憶で似た夢を見ただけでしょう。
ホラー映画を見て寝ると、怖い夢を見るってやつです。
だから気にしないこと。
夢で殺されたら現実で死ぬなんてあるわけがない。
気に病むとまた同じ夢を見て、ますます思い込んでしまう。
悪夢は気持ち次第で防げる
人間は思い込みでも死ぬことがあります。
健康なのに「俺は癌なんだ」と思い込んで、どんどん不健康になったりするんです。
「ノーシーボ効果」「ノセボ効果」といいます。
プラシーボ効果の逆パターンです
夢にしても自分でコントロールはできません。
怖い夢もたまには見せられます。
いい夢を見たいのなら、
心をリラックスさせ
適度な運動で疲労し
楽しいことを考えながら床につきましょう。
寝る前にお笑い番組とか視るのもいいですね。
万が一怖い夢だったとしても、「いや~面白いホラー映画見たわ~」くらいの軽い気持ちでいいんです!
まとめ
今回は普段と趣向を変えた記事でした。
猿夢なんてオカルトブログとか占いブログが扱うものですが、たまにはいいかな~と思っています。
猿夢は雰囲気、構成、追い詰められてゆく感じが秀逸な都市伝説。
記憶に残りやすく、同じ夢を見るというのも頷けます。
でも、夢と現実がリンクするというのはフィクションです。
リンクしているなら、僕などもっと女にモテているはずなのに(悲)。
どうせなら楽しい嬉しい夢を信じたいですよね。
コメント
向こうが猿ならこっちも猿です。
かの有名な大猿、孫悟空に大暴れしてもらいましょう。
天界でも手のつけられなかったあの怪力猿、彼を召喚すれば良し。
それだけでなく、後になって孫悟空は釈迦に修行の成果を認められたため、縁起も非常によろしい。
ただの猿だの、ちっぽけな人だのは直ぐにコテンパンです。
あとはそれを信じるだけ。夢は想像。あなたが創造すればいい。
以上です。やっぱ夢は自分のためになるような夢を見たいですよね。