人間の体内に侵入し、脳を食ってしまう。
そんなホラーな生物が、僕らのすぐ近くにも生息しています。
その名は「フォーラーネグレリア」。
目にも見えないようなアメーバですが、感染すると「原発性アメーバ性髄膜脳炎」を引き起こす。
その致死率は97%!
寄生されたら助かることはまずない!
寄生虫といえば未開の地にでも行かない限り大丈夫なんて思っていませんか?
フォーラーネグレリアは世界中にいて、感染者は先進国でもあります。
もちろんこの日本でも。
フォーラーネグレリアについて知っておかなきゃマズいですよね。
どんな初期症状なのか、発症したらどうなるか、予防はどうするか、勉強しましょう。
寄生されると脳を食われる!その症状とは?
名前は有名なのに、見たことある人がほとんどいない生物アメーバ。
アメーバーと伸ばさないですよ!
アメーバはどこにでもいるんですが、顕微鏡がなければ見られない。
フォーラーネグレリアも数ミクロン(1/1000ミリ)のゴミのような生物。
デコピンで倒せるほど軟弱なヤツ。
ところが、このフォーラーネグレリアは体内に入ると、とんでもない殺し屋に変身します。
侵入されて脳に達すると起こるのが原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAMと略されます)。
初期症状はまず味覚や嗅覚がなくなる。
やがて頭痛、吐き気、嘔吐、発熱、首や肩の痛み。
光に過敏になり、錯乱・けいれんの症状も現れる。
幻覚が見え、昏睡状態になる。
発症から5~10日のうちには死に至るという怖ろしい病気です。
最終的に脳が食べられて、元型をとどめていない状態に。
その進行は早く、多くは死後に病名がわかるほど。
治療法はありますが、診察でアメーバとわからないこともあり、処置が遅れれば手遅れなのです。
致死率は97%と高く、感染して生存できた例もたった4人ほどなのです。(2018年現在)
聞くだけで背筋が寒くなる病気ですね。
こんな恐怖の生物フォーラーネグレリアが身近に存在しています。
鼻腔から侵入!すべての淡水が危険!?
フォーラーネグレリアの生息地は、温暖な地域の25~35℃の温かい淡水。
川、沼、湖、水たまり……さらに温泉、銭湯、水道水にもいる可能性があります。
日本でも調査した結果、見つかっています。
海水には住めないので海は大丈夫
普段は水底の堆積物の中でおとなしくしているものの、鞭毛があって、居心地のいい場所を求めて水中を移動することもある。
川や湖で泳いだりすると、フォーラーネグレリアが鼻腔から侵入し、脳に移動。
そして発症。
最近は温暖化の影響で、北方にも生息していることがあり、油断できません。
とはいえ、水道水やプールは塩素で消毒しており、おおむね大丈夫ですが、処理前の地熱温水プールで泳いだ子供がPAMで亡くなった事例もあるんです。
また、水道水で鼻うがいして感染した人もいます。
もう、どこで感染するかわからない!!!!
寄生される確率はほとんどない!
……と、これまで少々脅すように書いてきましたが、それほど心配はいりません。
フォーラーネグレリアの恐怖を知って欲しかっただけで、感染例は実はめったにない。
ニュースでもフォーラーネグレリアのことなんて聞いたことないですよね。
川や湖で遊んでも、フォーラーネグレリアに侵入される確率は極めて低いんです。
水道水も温泉も、少なくとも管理のしっかりした日本なら気にしなくてもいい。
川遊びや洗顔で寄生される確率なんて何千万分の一です。
溺れる確率のほうがずっと高い!
でも、絶対にないと言いきれないのも事実。
リスクを避けることも知っておきましょう。
フォーラーネグレリア対策。とにかく鼻を塞げ!
フォーラーネグレリアは鼻腔から入ったときだけ感染します。
アメーバのウジャウジャ入った水を口から飲んでも、なんでもありません。
わざわざ飲む奴もいない
水泳中、鼻から水を吸うこともあまりないですしね。
それでもノーズクリップをしていたほうが安心でしょう。
お風呂や温泉でも鼻まで沈まなければいいだけです。
危ないのは飛び込みです。
頭からじゃなく、足から飛び込むような場合。
下に向けている鼻の穴に入水時は水が入りやすいのです。
カッコよくダイブしたい気持ちはわかりますが、鼻を指でつまんで飛び込むことをおススメします。
汚い川に飛び込むなんてやめたほうがいいですね。
阪神ファンは注意したほうがいいですよ
フォーラーネグレリアのいる底の堆積物を飛び込んで巻き上げることで危険は増すのです。
原発性アメーバ性髄膜脳炎はアメリカでは年間に5件程度、日本では1996年に佐賀県の鳥栖で感染が一件確認されただけ。
空気感染もありませんから、パンデミックみたいなことにもならない。
これを見ても神経質になるほどではなさそうです。
まとめ
殺人アメーバと悪名高いフォーラーネグレリアは危険な生物です。
味覚と嗅覚がなくなったら、一応疑ったほうがいいでしょう。
数少ない生存者ですが、早い対処が助かる道ですからね。
もっとも日本では普通に温泉や水遊びを楽しんでも、寄生の不安は0に近い。
フォーラーネグレリアだって別に人の鼻の穴を狙っているわけではありませんし。
必要以上に怖がることはないですよ。
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