チリの廃坑に潜むヴィルコ・モンスターは新手のチュパカブラか?

カンガルーの看板画像 その他

南米チリのアタカマ砂漠は、世界でもっとも乾燥している場所のひとつです。

平均の標高は2,000m。

南北1,000kmにも渡って、荒廃を絵に描いたような風景が続いています。

砂漠への道は「死の道」と呼ばれるほど過酷でしたが、最近は道路もあって、車での往来もしやすくなっているようですね。

こうしたドライバーの間で噂になっているのが『ヴィルコ・モンスター』です。

かつては金の採掘に沸いたセロ・カリペウモ地区に現れるといいます。

無人の荒野を縦走する道路を走っている最中に怪物を目撃する……どんなに怖ろしいでしょう。

しかも、そのヴィルコ・モンスターは肉食らしいのです。

不毛のアタカマ砂漠に、本当にそんなモンスターが隠棲しているのでしょうか?

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カンガルーのような肉食モンスター

ヴィルコ・モンスターは知名度が決して高くないUMAでしょう。

目撃も2,000年代からと、UMAとしてはニューフェイスです。

その特徴は

  • 身長1.5~2m
  • 二足歩行で、ジャンプしながら移動する
  • 顔は犬、オオカミに似ている
  • 背中にたてがみ、あるいはトゲ状の剛毛が生えている
  • 長く、大きな尻尾がある

どうやら、カンガルーのようなフォルムのモンスターらしいですね。

最初の目撃は2004年。

セロ・カリペウモの町ヴィルコで、バスの運転手が出会いました。

初見の町名ヴィルコが名前の由来です

バスを運転していると、70mほど前方にその生物が現れたのです。

それは大きく発達した後ろ足で飛びながら移動する『なにか』で、背中にはヤマアラシのようなトゲかたてがみ。長い尻尾を持ち、獰猛そうな顔をしたその口から鮮血が滴っていたといいます。

もちろん、南米にそんな動物はいません。

運転手はひどく驚き、事故を起こしそうになったそうです。

その後、他のドライバーにも目撃されるようになり、ヴィルコ・モンスターの名前で広く知られるようになったというわけです。

ただ、怪物については土地の老人たちは昔から知っており、

「廃坑となった坑穴に棲み、山中で行方知れずとなった者はこの怪物に食われた」

と信じられているのです。

土着のモンスターが、他所から来たドライバーに目撃されるようになって、ニュース化したらしいですね。

まだまだ情報が少なく、その正体を特定するのは難しそう。

しかし、南米にはヴィルコ・モンスターの特徴を備えた、メジャーなUMAがいるじゃありませんか!

そう、有名なチュパカブラです。

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チュパカブラと類似!同じ生物の可能性大!

中南米で家畜を襲いまくっているというチュパカブラ。

UMA界では有名どころなので、聞き知っている人も多いでしょう。

といっても、このチュパカブラがよくわかっていないので、そもそも比較対象としてどうなん?というのはあるのですが、ヴィルコ・モンスターによく似ているとされています。

チュパカブラの身長は1~1.8m。二足歩行ができて、飛び跳ねて移動することもある。肉食または吸血。背中にトゲトゲがある。

どうですか?大きな尻尾を除けば、ヴィルコ・モンスターにとても近いでしょ。

もちろん、チリでも目撃があります。

ヴィルコ・モンスターとチュパカブラが、よく例えられるのがカンガルーなのです。

尻尾があるヴィルコ・モンスターのほうが顕著ですが、チュパカブラも「カンガルーみたい」と表現されることが多い

なので、両者は同じ生物か、極めて近い近種で間違いありません。

尻尾があり、セロ・カリペウモ周辺に現れるチュパカブラが、ヴィルコ・モンスターの別名で呼ばれているにすぎないと思います。

それじゃ正体は何でしょう?

それは、チュパカブラの正体の第一候補にもなっているコヨーテではないでしょうか。

カンガルーとはちょっと違いますが、尻尾も太く、雰囲気は似ています。

ヴィルコ・モンスターがまったく未知の生物であることも否定しませんが、コヨーテや野犬がいて、有名なチュパカブラ要素も加味され、その怪物像が作られたと考えるほうが自然でしょう。

そこにはもしかすると、セロ・カリペウモという土地の事情も関わっているかもしれません。

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廃坑の闇は何を隠しているのか?

坑道の画像

ヴィルコ・モンスターが出没するチリのセロ・カリペウモ。

初めにも書きましたが、金鉱として昔は栄えていました

現在は採掘量も減り、規模がだいぶ小さくなっているのだそうです。

ヴィルコ・モンスターは使用されなくなった坑道に棲みついて、動物や人間を襲うという設定。

しかし坑道に隠れているのが、モンスターではなく人間だとしたらどうでしょうか?

廃された金鉱。使われなくなった坑道。

犯罪者や浮浪者が入り込んでいても不思議はありません。

そこにヴィルコ・モンスターはとても都合がいい気がします。

怪物は、人が近づかないようにする脅しの意味で作られたかも。

または、怪しい人間の出入りが怪物の話を生んだとも考えられないでしょうか?

そのイメージがチュパカブラと混同され、スピンオフ的なヴィルコ・モンスターになった。

類似点があるのも、それなら納得できます。

話はやや逸れますが、メキシコで『メテペックモンスター』というのが一時話題になりました。

ネズミ捕りの罠に捕まった未知の生物と大々的に報じられたものです。

この生物が宇宙人だとか、実はチュパカブラだとか言われましたが、後に作り物だったことが判明した。

宇宙人ってネズミ捕りで生け捕りできるんすかね……

これもまた、チュパカブラの外伝的創造物といえるでしょう。

チュパカブラ自体も家畜を襲うコヨーテなどの猛獣と、吸血コウモリなどをミックスした創造物ではないかという意見があるのです。

真相はわかりませんが、UMAは話の成り立ちを推測することも大事なんですよ。

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まとめ

ヴィルコ・モンスターは情報も乏しく、調査された話も聞きません。

同族と思われるチュパカブラは、南米では非常に身近な未確認生物で、実在感のある恐怖の対象になっています。

チュパカブラは森林などで目撃されますが、ヴィルコ・モンスターは荒野のチュパカブラなのかもしれませんね。

しかし、 山道で野生動物が急に前を横切るだけでも「うおぉっ」って肝が冷えるのに、 荒野の一本道で怪物が飛び出て来たら、心臓止まりそうになるでしょう。

もうちょっと控えめに出てきてくれると助かります。

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