何年か前。
よく行くペットショップに普段は置いていない『アカハライモリ』が売っていました。
その前で「買っちゃおうかな~」と小一時間悩んだことがあります。
イモリの前で考え込んでる変なオジさんに見えたでしょう。
アカハライモリは比較的飼いやすいのです。
「イモリなんて気持ち悪い」と思いますか?
よく見ると、けっこう可愛い顔してるんですよ。
さらに「鳴かない」「寿命が長い」「あまりお金がかからない」。
いいことも多いのです。
結局、僕は買わなかったけれど、いつか挑戦してみたい。
いつかのために、イモリの飼育方法をまとめてみました。
アカハライモリの入手
今回紹介するのはアカハライモリ。
別名『ニホンイモリ』ともいい、日本でイモリといえばコイツです。
日本にはイモリが3種いるのですが、
他のイモリは沖縄・奄美地方にしかいない。
![](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2019/01/huki3.png)
「シリケンイモリ」と「イボイモリ」です
アカハラは北海道以外のほとんどで見られるので、イモリ=アカハラなのです。
だから、道産子の僕には珍しかったんですよ。
現在、持ち込まれたアカハライモリが北海道でも見られるらしいのですが、僕はまだお会いしたことがありません。
イモリの採取
アカハラは文字通り「赤い腹」です。
大きさは12cm前後。
メスがじゃっかん大きめです。
全体は黒で、腹側に赤の模様がある。
ルージュ&ノアールのデザインはカッコよく見えるし、毒々しくもある。
ちょっとだけ毒もあります。
触っても大丈夫ですが、手洗いはしましょう。
イモリはペットショップで買う。
僕が見たのは一匹100円くらいだったと思う。
簡単に手に入れたいなら買えばいい。
でも、野生のものを捕まえて飼うこともできます。
イモリがいるのは流れのない水辺。
小川、水田、用水路、池などです。
夜行性ですから、夜の捕獲がおススメ。
ちなみに、尻尾に高さがあり、腹部のつけ根が膨らんでいるのがオス。
シュッとした尻尾がメスです。
ただし、アカハラは昔ほどあちこちで見られなくなっています。
地域によっては捕獲を禁じられているので、注意してください。
もちろん、捕獲した場所以外にイモリを放流するのも禁止です。
もうひとつ。
イモリが
「近所の草むらにいた」とか
「家の壁に張りついていた」
のを見たという人もいるかもしれません。
それはトカゲかカナヘビかヤモリです。
出だしから間違っていると困るから、ここで違いも解説しておきます。
イモリ?ヤモリ?違いを知ろう!
井戸を守る「井守(イモリ)」と家を守る「家守(ヤモリ)」。
名前は似ていても、漢字を見れば違いは明らかですね。
イモリは両生類で、主に水中生活。
陸に上がっても水辺からは離れません。
アカハラは腹が赤いのですぐわかるでしょう。
ヤモリは爬虫類で、壁に張りついています。
頭がやや大きく、ひし形になっている。
太めの指がムチムチしていて可愛い!
こちらがヤモさん。
![ヤモリの画像](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2020/06/2829479_s.jpg)
頭の幅が胴体と変わらないのがトカゲとカナヘビ。
両者も爬虫類。
この区別は難しいのですが、僕はザックリと「尻尾が長い(全長の6割以上)ならカナヘビ」と捉えています。
他にも
「テカテカしているのがトカゲ」とか
「舌先が割れているのがカナヘビ」と区別できる。
日本でよく見るものは、こんな分け方でいいと思います。
「トカゲのしっぽ切り」と言いますが、
イモリもヤモリもカナヘビも自分でしっぽを切ります。
![](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2019/01/huki1.png)
「自切」といって、敵がしっぽに気をとられている間に逃げる
これがトカゲ。
![トカゲの画像](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2020/06/3414442_s.jpg)
アカハライモリがわかったら、次は飼育環境を考えましょう。
アカハライモリを飼育する
イモリは半水半陸の生き物です。
だから、水槽は水ガメを飼うようなイメージになります。
見取り図としては水7:陸3くらいでいいでしょう。
水槽の環境
水槽は蓋のあるプラスチック容器がおススメです。
カブトムシとか飼うやつ。
安いし、イモリも逃亡できません。
容器の幅10cmに一匹くらいが目安。
30cmなら3~4匹、60cmなら6~8匹って感じ。
共食いしないので、気持ち多めでも大丈夫。
まず、下に石などを敷きます。
イモリが飲み込まない大きさが理想。
なくてもいいんですが、生息地の環境に近づけてあげたいところ。
底がまんまだと貧乏臭いし。(個人的感想)
深すぎると掃除が大変なので、1cmほどでじゅうぶん。
そして水を10cm前後の高さに。
で、岩や流木を設置し、足場にしてあげればいいのです。
足場が出る深さなら水は5cmくらいでも大丈夫。
できれば陰になる場所を作って、隠れられるようにしてください。
その他の設備
熱帯魚の場合、照明やろ過機、ヒーターが要ります。
しかし、アカハラには特に必要はありません。
水温は15~25℃がいいでしょう。
寒ければ勝手に冬眠します。
ただし、高温には注意で、夏場はエアコンなどで水温が上がらないようにしましょう。
月に2、3回水の半分を入れ換えておけば、ろ過機もいらないです。
設置するとしても、投げ込み式がいいです。
水流を嫌うイモリには、外付けフィルターより優しいと思う。
![](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2019/01/huki1.png)
水換えはカルキ抜きした水道水で
もし、イモリの♂♀が揃っていれば、産卵してくれるかもしれません。
卵は水草に産みつけるので、必要に応じて。
ウィーローモスやミクロソリウムみたいな、常温でも枯れない丈夫なのがいいですね。
浮草なら足場にもなりますよ。
こちらが繁殖の様子。
餌はなにがいい?
飼育の簡単なアカハライモリ。
面倒といえば、餌くらいではないでしょうか?
普段はミミズや昆虫を食べているイモリ。
生餌を与えるのを嫌がる人も多いはず。
アカハラはあまり心配しなくてもいいようです。
ウーパールーパーやイモリ用の人工飼料を食べてくれる。
冷凍アカムシも好物です。
生餌を与えることに抵抗がないのなら、
メダカやエビをたまに食べさせてあげましょう。
生きたゴキブリを与えるのに比べれば、
水槽に入れておけばいいだけで楽です。
頻度は1~2日に一回で。
アカハライモリの寿命は軽く20年。
初心者でも上手に飼えば犬猫以上につき合えるペットです。
両生類は再生能力がハンパない。
足一本くらい余裕で再生するタフな生き物。
環境さえ作ってやれば、まず病気になることもありません。
子供には知育にもなるでしょう。
アカハラはいいことづくめのペットなのです。
まとめ
ペット飼いたいけど面倒だし、お金もかかる。
そんな人こそアカハライモリです。
最初は「気持ち悪い」と思うかもしれません。
でも、イモリはカエルの仲間で愛嬌がある。
爬虫類のような冷たさは感じません。
環境がよければ結構動くのも面白いですよ。
むろん飼うのは責任も伴いますが、敷居の低いペットなので、気楽に挑戦してみましょう!
コメント