「ペットは飼いたいけど、世話が面倒」
僕自身がそんな人間なので、
このサイトでも世話いらずペットをよく紹介してきました。
今回は『マリモ』。
世話のいらなさはトップクラスだと思います。
「だけど、マリモってつまらなそう」
「そもそも動物なのか」
そう思う方もいるでしょう。
でも、緑色のモフモフしたボールのアクアリウムを作るのです。
センスが求められる、意外と楽しい作業だったりするんですよ。
そんなマリモ飼育を解説してゆきます。
マリモは藻類の塊
マリモは「毬藻」。
毬状の藻なので藻類、つまり植物になります。
この藻は本来、苔のように岩などに定着するのですが、いくつかの場所では集まって丸くなる。
それがマリモと親しまれているのです。
マリモは小さな藻がたくさん集まった群体なんですね。
でも、丸いのが一匹みたいな感じがするのは、
形が動物っぽいとか、絵にするとSU○MOのキャラみたいになっちゃうからなんでしょう。
世界中のマリモが日本発祥?
マリモは英語でも「Marimo」で通じる。
日本人には馴染みのマリモですが、海外にはほとんどありません。
マリモはロシア、北米、北欧でも確認されていますが、すべて日本マリモの遺伝子を継いでいます。
渡り鳥に運ばれて、日本から海外進出したってわけです。
日本は世界一のマリモ生息地。
琵琶湖や富士五湖などでも見られます。
しかし、30cmもの大きさと美しい球体になるのはやはり阿寒湖のマリモ。
天然記念物です。
道産子として宣伝も兼ねて。
当然、マリモの関連商品が土産店にも並んでる。
僕も子供の頃「まりもようかん」をよく貰って食いました。
まん丸の形が可愛いんだけど、爪楊枝で穴あけてラップを割るとき、いつもビクビクやってた記憶がある。
で、マリモ自体もビンやキーホルダーに入って売っています。
天然記念物のわりに、ぞんざいな売られ方とも言えますが。
そうした商品のマリモは家で飼育できるのですが、中には作り物のマリモもあります。
キーホルダーなど密閉されているなら、まず作り物でしょう。
もしマリモ飼育を考えているのなら、
店の人に本物かどうか訊くか、専門店で飼うのをおススメします。
とても簡単!マリモの育て方
さあ、ここからがマリモ飼育。
でも、気負うことはありません。
容れ物と水さえあれば、すぐに飼えちゃいます。
マリモを何に入れる?
ビンの容器に入ったものは1,000円くらいから買えます。
そのまま飼えばいいので、楽です。
マリモは成長が遅いので、容器が狭くなるなんてこともない。
コップなどでも問題なし。
水槽に入れたいのなら、別に購入しないとなりません。
たくさんのマリモを大きな水槽で飼い、
流木などを配置してアクアリウムを作っても楽しいですよ。
それはそれで手間も覚悟ですが……。
最初は1つ2つからでいいでしょう。
マリモだけなら500円以下でも買えます。
ただし、飼育用のマリモはもちろん天然記念物じゃありません。
他の湖から持ってきて、人が丸く形成した人工マリモです。
![](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2019/01/huki3.png)
海外産は「セイヨウマリモ」と売られてたりするよ
マリモ飼育の水質と餌
水も水道水でOKです。
カルキ抜きの必要もありません。
ちょっと注意したいのは水温。
マリモは寒冷地のもので、30℃以上はあまりよくない。
高温すぎると枯れてしまうんです。
逆に凍らない温度であれば、一桁でも大丈夫。
15~20℃を理想に、25℃以上にするのはやめましょう。
夏場は冷蔵庫に入れておくとか、
普段から気温の低い場所に置いておくようにしてください。
マリモは餌もいらないです。
藻ですからね。
光合成ができればじゅうぶん。
それも部屋の灯りで足ります。
日光の当て過ぎは水温を上げてしまいます。
マリモの餌というものも売っていますが、あれは餌じゃなく水質をよくするもの。
水の管理と見栄えよくしたいのなら、適度に換水すればいいのです。
安価で飼えて、水温に注意し、たまに水を換える。
マリモ飼育はこれだけ。
とことん張り合いのないペットですね。
育ててる感は薄いかもしれません。
でも、植物だって少しは気を遣うように、マリモも少し世話が必要。
そちらも記しておきましょう。
マリモ飼育の注意点
僕は昔、水換えのときに、うっかり小さいマリモを排水口に流してしまった経験があります。
マリモは手がかからない分、扱いがいい加減になりがちです。
緊張感が弱いっていうか。
流されてゆくマリモを「ふあぁぁー!」と見送らないように、気をつけてくださいね。
水換えとマリモの掃除
水換えの際は、マリモは別容器に移しておきましょう。
飼っている容器を掃除し、新しい水道水を入れればいいです。
ついでに、マリモの掃除もします。
掃除といっても、藻の間のゴミなどを落とすだけです。
マリモは意外と固いのですが、それほど強くもありません。
水道の勢いでも壊れることがあります。
移した容器の中で、指でそっとこすって汚れを取ってあげればいいでしょう。
しぼる場合もそっと包み込むような感じで。
![](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2019/01/huki1.png)
このとき洗剤を使うのはもちろんNG
マリモが浮く?
![](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2020/02/8914a3ca64f0666e585ff0a2d6b4e5b6_s.jpg)
マリモは沈んでいるのが普通。
しかし、たまに浮いてくることがあります。
これには2つの理由が考えられます。
まず、気泡が付着して浮力を得た場合。
これは問題ありません。
気泡がなくなれば、また沈みます。
もうひとつは、内部が枯れて空洞になってしまった場合。
中心に近い藻が光合成できずに死んでしまうわけです。
そうなると、マリモは球体を維持できなくなり、崩れてしまうかもしれません。
崩れてもマリモは欠片で生きてゆけますが、「丸い」が売りのマリモですからね。
「ただの苔じゃねーか!」となっちゃいます。
この対策としては、よい環境で育ててあげるというしかありません。
特に人工マリモは崩れやすいので、注意してください。
マリモと魚を一緒にできるか?
マリモをアクアリウムの水草に使用することもあります。
洒落ていると思いますが、あまり賛成できません。
熱帯魚の水槽はマリモには熱すぎます。
水草のみの水槽でも、高温を好む水草が多く、マリモとは相性が悪い。
では、低温でも大丈夫な金魚やメダカ、エビ類となら組み合わせられるでしょうか?
混泳は可能ですが、奨励はできないですね。
魚やエビはマリモも食べてしまう。
さらに糞をします。
結果水質悪化もしやすく、きれいな水を好むマリモにはよくありません。
水換えも頻繁にせねばならず、手間が増えるでしょう。
一方で、マリモ水槽にボウフラなどが湧いたとき、魚が食べてくれる利点があります。
しかし、ボウフラは薬品や塩でも防げるため、魚である必要はないです。
![](https://ani-mys.com/wp-content/uploads/2019/01/huki1.png)
少量の塩を水に入れるとボウフラは生きられません
どうです?
マリモを育てるイメージがなんとなく掴めたでしょうか。
といっても、あまりすることはないんですが。
まあ、観葉植物と考えればいいと思います。
最近ではホームセンターや100均ショップでも手軽に買えるマリモですから、まずはコップ飼育から挑戦してみればいいかな~と。
まとめ
低温のきれいな水と、適当な光。
それだけでマリモは育てることができます。
しかも安く、器具もいらない。
まさに「面倒臭がり」と「貧しき者」のためのペット。
僕のような奴には似合いです。
小さいお子さんでも育てられるので、知育にもいいでしょう。
目に見えて大きくなるわけでもなく、動きもないですが、マリモは10年20年余裕でつき合える。
排水口に流すドジを踏まず、長くインテリアとして可愛がってあげてほしいです。
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