豚のイメージって聞かれたら?
トンカツとか生姜焼き……かな。
やはり食べる印象が強い。
日本では一人が年間13㎏ほど豚を食べるんだそうですよ。
生きている豚はどうでしょう?
「太っている」
「食いしん坊」
「ブヒブヒ鳴いてる愚鈍そうな家畜」
そんな感じかもしれません。
まあ、狂暴なイメージはあまりないと思います。
だけど、時々こんなことも聞きます。
「豚は人食いする!」
呑気に見える豚も、人を襲うのだと。
「じゃあ、僕らと豚は、食ったり食われたりの関係?」
身近な動物である豚は、そんなに狂暴なのか?
豚には凶悪な裏の顔があるのかもしれません。
豚は人食いするのか?
豚の人食いというと、2001年公開の映画『ハンニバル』を思い出します。
大ヒットした『羊たちの沈黙』の続編ですね。
その映画に豚の人食いシーンがあります。
トラやサメではありません。
「豚」という平和そうな動物に食われる。
これが「恐怖」であり、食われる側への「屈辱感」となるのです。
似たような事件も過去にありました。
被害者多数!遺体を貪った豚
1990年~2000年代。
カナダのバンクーバー近くの農場で。
農場主が殺害した犠牲者を、飼育していた豚に食べさせていたという、衝撃的なニュースがありました。
犯人の名はロバート・ピックトン。
ピックトンは、農場の広い敷地を利用して、慈善パーティーのようなものを開催していました。
地元のチャラけた若者がよく来ていた。
慈善と言いつつ、アウトサイダーたちが麻薬やエッチいことを楽しむ乱痴気騒ぎだったようです。
時には2000人が集まることも。
そんな混沌の中で、誰かがいなくなったとしても、誰も気にしません。
約10年の間に。
ピックトンは(本人談では)49人を殺害。
起訴されたのは26件
「死体は肉にしたか、豚に食わせた」
「50人に届かず残念だ」
と、言い放ったらしい。
豚の本能は猪突猛進
「でも、これは食べさせられただけでしょ」
「生きた人間を襲ったわけじゃないよね」
確かにそうです。
家畜の豚は普段おとなしいですしね。
しかし、豚は猪を改良したもの。
猪はケンカ上等の特攻野郎。
家畜に甘んじるようになったのは、わずか1万年前です。
猪と豚は交雑も可能で、イノブタとして有名ですね。
交雑可能なのは、とても近いということ。
猪の野生はまだ濃いと言ってもいい。
それなら、人を食料と思い、襲うことだってあり得るのでは?
そういった事例も見られるのです。
豚は攻撃的なのか?
畜豚は子豚でも100㎏。
大人のオスなら300㎏にもなります。
走る速さは40km/hにもなる。
100m走なら10秒切るスピードですよ。
家畜の豚は20km/hほどらしいですが、それでも自転車並みです。
そんな巨体にタックルされたら人は吹き飛びます。
のしかかられたら、身動きもできないでしょう。
豚はその重さだけでも、脅威なのです。
豚に食われた事件もある!
2012年。
アメリカのオレゴン州の牧場で、豚の人食いがありました。
被害者は60代の牧場主。
豚へ餌やりに行ったまま戻って来なかったのです。
家族が様子を見に行くと……。
牧場主の体はあらかた豚に食べられていました。
検死の結果。
「300㎏の豚に押し倒され、食われたようだ」
ただ、発作で倒れた可能性も否定しきれないとのこと。
ロシアでも50代の女性牧場主が、同様の被害に遭った事例があります。
どちらにしろ、豚小屋で倒れるのは危険ということでしょう。
牧場では豚の「断尾」をすることが多いといいます。
尻尾を切る。
そうしないと、豚密度の高い牧場で、豚がストレスを感じ、尾を咬み合うからだそうです。
ちょっとした共食いです。
豚の攻撃性が垣間見える現実でしょう。
その怒りが人間に向けられたとしたら……。
人を倒し貪っても、不思議はないのです。
断尾は麻酔を使って行われます。
現在、残酷という理由から
減っているようです
豚と接する注意点
豚にも狂暴性はあるでしょう。
ただ、積極的に人を襲うとは思えません。
豚の人食いはやはり事故なのでしょう。
カナダの事件は、「餌として与えられれば人も食べる」というだけで、これはイヌやネコでも同じです。
豚舎などで倒れてしまう。
動かなくなった人間を「食い物」と豚が認識。
「食っちまおう」という流れ。
あの巨体です。
ガツガツされたら、とても逃げられない。
そんな目に遭うのは避けたいですよね。
突発的な発作はどうしようもありませんが、
豚を扱うなら体調には注意したほうが安心です。
豚は適度に群れる動物です。
それが豚同士の安心な距離感となります。
養豚場は過密すぎる。
でも、一匹でもストレスなのです。
近頃、ミニブタ、マイクロブタを飼う人もいますよね。
小さいと言っても、成体になれば50㎏ほどになる。
イライラさせれば、攻撃的にもなるでしょう。
ペットでも家畜でも。
豚を怒らせないようにしたいものです。
まとめ
豚は雑食。
当然、肉も食べます。
しかし、肉食は稀なこと。
人を襲うこともないでしょう。
事件は不幸な結果が重なっただけです。
それでも、100%安全な動物とも言えません。
怒らせないのが一番でしょう。
まあ、トンカツが大好物の僕は、豚に「人食いするな」とは言えないですが。
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