僕は昔からアリクイが好きなのです。
そこら辺にいるアリを食いながら、のんびり生きている感じがいい。
アリクイはナマケモノに近い動物だそうで、あのような生き方も納得ですね。
でも、疑問も湧く。
「食べ物アリだけで生きてゆけるのか」
「最強と言う軍隊アリも軽く平らげるのか」
「ペットにしたら、大量のアリを捕まえてこなくちゃダメなのか」
アリを食うから「アリクイ」なのだけど、その生態が強烈すぎて、他の生き方ができるのか気になるんですよ。
で、調べてみたことをまとめました。
アリクイのいろいろな疑問を解いちゃいましょう!
アリクイの生活
アリクイは南米だけにいる哺乳類です。
ナマケモノの近種で、アルマジロの親類。
この3種が、南米だけで繁栄し、今も生き残っている局地哺乳類なのです。
アリクイの種類
アリクイは現在、3属4種。
- オオアリクイ(180~220cm、30~50kg)
- ヒメアリクイ(50~60cm、200~400g)
- キタコアリクイ(100~130cm、3~5kg)
- ミナミコアリクイ(80~150cm、1.5~8kg)
大型のオオアリクイと、小型のヒメアリクイ。
中型のコアリクイはキタとミナミがいて、ミナミのほうが個体差が大きい。
もちろん全部、主食はアリ・シロアリです。
以前は、同じような姿でアリ食のセンザンコウも仲間と思われていましたが、今はまったく違う動物だとわかっています。
しかし、アリには獰猛なものもいる。
最強生物の呼び声も高い「軍隊アリ」。
刺された痛みが世界一という「弾丸アリ(パラポネラ)」
日本にも侵入している危険な「ヒアリ」など。
アリクイはそんなアリまで食べるのでしょうか?
アリクイVS強アリ
アリクイは基本的に「どのアリでも食べます」。
蟻食いの名は伊達じゃありません。
一日に食べる量は3万匹!
あまりピンとこない量ですが、ご飯粒3万個って感じでしょうか。
茶碗一杯は米粒が約3500個だそうです
けっこう食いますね。
さらに、アリクイは厚い皮膚を持っており、アリの攻撃には耐久性が強い。
どんなアリにも勝てるでしょう。
ただし、アリクイが襲撃するのはアリ塚。
数分食事したら、別なアリ塚へ移動して、その繰り返しです。
アリがかたまっている巣で効率良く食べて、全滅させずに増えるのを待つ。
知恵を感じます。
軍隊アリのような放浪アリは、まず襲わないでしょう。
アリから見れば「死神」のようなアリクイ。
そんなアリクイの威嚇ポーズが「可愛い」と、人間には好評です。
アリクイの攻撃力にも触れておきましょう。
アリクイの威嚇 怖い?可愛い?
立ち上がって、両腕を広げる、アリクイの威嚇。
クマがやったら怖そうだけど、アリクイだと迫力ゼロ。
こんなのですから。(ちょっとヨロヨロしてるし……)
これは体を大きく見せるポーズ。
他の動物にも見られる、正統派の威嚇です。
相手がビビッて離れてくれれば儲けもの。
アリクイは攻撃的ではないので、威嚇が通用しなければ逃げるだけです。
しかし、人間がアリクイに殺傷された事件もあります。
アリクイは人間も殺せる
アリクイは強い爪を持っています。
アリ塚を壊したり、土を掘ったりするものですが、武器にもなります。
大型のオオアリクイはパワーもある。
南米でオオアリクイの爪の餌食になった人もいるのです。
アルゼンチンの動物園では、飼育員が腹を裂かれて亡くなった例もあるほど。
ただし、それは出会い頭の事故のような場合。
温和なアリクイも、危険を感じれば攻撃に転じることもある。
驚いてパニックになり、人間に爪を立てたというケースです。
危害を加えなければ、アリクイはむしろ人に懐き、向こうから寄ってきたりもします。
ペットにすることも可能。
日本でも、特に許可なくても、飼うことができます。
「でも、餌のアリをたくさん調達できるかなぁ?」
なんて心配ですよね。
アリクイの飼育についても書いておきます。
アリクイを飼育しよう!
アリクイの寿命は約20年。
犬、猫よりも少し長く飼えるペットになります。
適温の20~25℃を保つこと。
オオアリクイなら広い場所を、樹上で暮らすコアリクイとヒメアリクイなら、キャットタワー的な登れる場所を作ること。
それだけの環境で飼育は可能です。
問題の餌も心配ありません。
アリ以外も食べます
アリクイは「ワームタン」とも呼ばれます。
「ミミズのような舌」をアリの巣に差し込み、くっついたアリを食べる。
歯はありません。
特殊な食生活です。
だからアリクイ。
名前から「アリしか食えないのかな?」と思われがちですが、ペースト状のものなら、アリクイは食べるのです。
そこで、食虫動物用の餌、乾燥した餌虫をミキサーにかけ、離乳食のようにしたものを、ビンなどに入れて与えます。
ペーストなら肉や卵、野菜、果物もOK。
ビンはビールやワイン、ペットボトルでも構いません。
アリクイが舌を差し込めるのが大事。
これなら、毎日3万匹のアリを採りに行かずに済む。
マヨネーズとか好きだそうです
アリクイ飼育の注意点
しかし、アリクイはやはり特殊ペット。
デメリットもあります。
- 購入に70~100万円近くかかる。
- 診察できる病院が少ない。
- 爪で家具など傷つけられる。
- 意外と器用なので、冷蔵庫を開けて漁る。
- あちこちで糞尿する。(トイレは覚えません)
- けっこう臭う。(スカンク以上らしい)
アリクイとの暮らしを考えている人は、これらの対策をしておくことです。
まとめ
アリを食うからアリクイ。
生態が名前なので、それしかできない印象です。
ゴブリンスレイヤー的な専門職というか。
でも、そこまでツブシが利かないわけじゃない。
アリが主食で、他も食べる。
アリを食べる動物は多いので、アリは都合のいい「数がいる健康食」なのでしょう。
飼育も思ったより簡単そう。
だけど、ミミズみたいな舌はちょっと不気味かもしれませんね。
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