動かない鳥ハシビロコウがいる動物園~どんな鳥かも紹介!

ハシビロコウの画像 陸生動物

不動でふてぶてしく、目つきが悪い。

そんなマイナス要素が人気の鳥「ハシビロコウ」

マイナスだって極めれば魅力になるってことでしょうか。

とにかく変わった鳥ですよね。

ハシビロコウは数の少ない絶滅危惧種。

でも、日本はいる動物園が多いって知ってましたか?

おかげで観察もしやすいんですが、動かないからよくわからない。

飛ぶ姿とか、鳴き声とか全然イメージできません。

第一、見た目がとっつきにくい。

客に対してのサービス精神はゼロ!

動かないんでは銅像と変わりません。

生き物としてのハシビロコウが見えにくいんですよね。

ハシビロコウを知っていれば、動物園で見るのも楽しくなるはず。

見れる動物園の他、生態などを紹介しましょう。

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ハシビロコウが見られる動物園

2019年現在。

世界中の動物園で飼育されている
ハシビロコウは、40~50羽だそうです。

元々生存数が多くなく、飼育も難しい。

加えてあの仏頂面では、置きたい動物園も少ないでしょう。

そんなハシビロコウは、なぜか日本で大人気。

不気味な容貌なのに、頭の毛が寝ッパゲみたいに立っていて「かわいい~❤」なんだとか。

KAWAII文化は漏れがないな……

日本では8つの施設で、
15羽のハシビロコウが飼われているらしい。

3分の1は日本にいる計算です。

ハシビロコウがいる動物園はこちら。

・那須どうぶつ王国(栃木県那須町)
・上野動物園(東京都台東区)
・千葉市動物公園(千葉県千葉市)
・伊豆シャボテン公園(静岡県伊東市)
・掛川花鳥園(静岡県掛川市)
・神戸どうぶつ王国(兵庫県神戸市)
・松江フォーゲルパーク(島根県松江市)
・高知県立のいち動物公園(高知県香南市)

上野動物園のハシビロコウはよく動くと評判です。

しかし、ハシビロコウは基本的に動かない鳥。

「動いてるの見れたらラッキー」という、
展示動物としての責任を放棄しています。

まあ、動物園の動物って
だいたいダラけて動いてないんですが。

だから、どんな鳥なのかわかりづらい。

野生ではどうやって生きているのか、知りたくなります。

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ハシビロコウの生態

ハシビロコウの故郷はアフリカ。

スーダンからザンビアにかけての湿地で見られます。

長い足、青灰色の胴体、大きな頭。

体高は1.1~1.4m。

翼を広げると2.5mほどになる、かなり大きな鳥です。

分類上、ペリカンに近いと考えられています。

こんな大きな鳥なのに、確認されたのは1850年

生息地が内陸なので、文明人の目に触れなかったためでしょう。

不動で待ち伏せるハンティング

ハシビロコウは主に魚食性。

肺魚、ポリプテルス、ティラピアなど、
熱帯魚ファンにもお馴染の魚が好物。

他に、カエル、ヘビ、ワニの子供も食べるらしい。

けっこう悪食

昼は丈の高いヨシやパピルスの草間で休み、狩りの時間は夜。

この狩りで、不動の姿勢をとるわけです。

ハンターにとって、
木のように動かず、獲物に気づかれないことは大切。

狙いの獲物が射程に入ると、
突然顔を水中に突っ込みパクリと食う。

ハシビロコウが物体から生物になる瞬間といえるでしょう。

その一瞬を逃がさない鋭い眼光。

視力がよく、視覚に頼って狩るスタイルなのは間違いありません。

それを可能にするのが、大きなくちばしです。

名前の由来は大きなくちばし

くち「ばし」の「広」い「コウ」ノトリのような鳥。

だからハシビロコウ。

英語では「Shoebill」――「靴のようなくちばし」。

「草履みたいな顔しやがって」みたいな、
けっこうヘイトなネーミングですよ。

たしかに木靴みたいなくちばしだと思う。

『フランダースの犬』でみんなが履いてた靴。

カモノハシのような扁平ではなく、縦横にゴツイ。

多少大きい獲物でも収納できそう。

よくそのくちばしを打ち鳴らします。

「クラッタリング」と呼ばれる行動で、
仲間とのコミュニケーションをしていると思われます。

だけど、あの怖い顔。

あまり友達がいそうには見えないんですが。

ハシビロコウの愛

ハシビロコウは単独行動です。

近くにいても、20mくらいの距離を開けて、
「俺に近寄るな」オーラを出しています。

それでも恋はしたいもの。

しかし、カップル成立は多くありません。

だいたい1㎢内で3カップルくらいです。

カップルは水生植物で直径1mほどの巣を作ります。

顔に似合わず夫婦仲はいいほうで、
クラッタリングやお辞儀するような仕草で交流します。

お辞儀は人間にもしてくれますよ

ただ、邪魔者には厳しい。

夫婦仲に割って入るような他のハシビロコウには容赦がありません。

卵は1~3個。

3ヶ月ほどで雛が孵り、4ヶ月くらい親に手厚く保護され、餌をもらいます。

意外と子煩悩。

3才になれば繁殖できるようになります。

寿命ははっきりわかっていません。

伊豆シャボテン公園のハシビロコウ「ビル」は、
推定で49才(2019年)だそうです。

自然下でも30~40じゃないでしょうか。

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ハシビロコウって飛ぶの?鳴き声は?

動かないことで有名なハシビロコウ。

僕が個人的に一番気になっていたのが
「飛ぶのか?」
「鳴くのか?」

ということです。

どちらも鳥の基本。

でも、ハシビロコウが飛んだり鳴いたりする想像ができない。

ハシビロコウはペリカンやコウノトリに近いとされ、
ダチョウのような空を捨てた鳥ではありません。

飛ぶことももちろんあります。

ハシビロコウの飛行

ハシビロコウは渡りはしません。

餌場の移動も歩くことが多いのです。

それでもたまには飛びます。

飛ぶ姿はコウノトリとそっくり。

首をS字に引っ込め、足を後方に伸ばし、大きく羽ばたきます。

羽ばたく回数は1分間に150回

1秒に2回以上ですが、鳥の中ではかなり遅いほうです。

数秒羽ばたいたら、風に乗って滑空を繰り返します。

しかし、ほとんどの場合、飛行距離は20m足らず。

長距離飛ぶのは珍しいのだそうです。

動物園でも運が良ければ、チョイ飛行が見られます。

2mを超える翼長ですから、迫力満点でしょうね。

飛ぶハシビロコウ(上野動物園)Flying Shoebill

気味の悪い鳴き声とは?

ハシビロコウはいくつかの鳴き声も知られています。

牛のようにモーと音を出したり、
甲高い鳴き声をあげたりします。

採餌中に、しゃっくりのような声を出すこともあるようです。

あの顔で「ヒックヒックヒック」とやられたら、悪魔の笑いに思えますよ。

攻撃の前に、嗄れた声を出したという記録もあります。

なんにしても美声ではないようです。

これは、鳥が鳴くための「鳴管」が退化しているから。

いわゆる「さえずり」ができないのです。

だから、鳴くことも少ない。

声を上げる必要も、待ち伏せにはないのでしょう。

動じないのが信条。

「かわいい~」なんて称賛も、ハシビロコウは我関せず。

今日もじっと睨みをきかせているに違いありません。

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まとめ

日本はハシビロコウが見やすい国でした。

人気もあるし、動物園も積極的に展示しています。

これは見に行かなきゃですよね。

ハシビロコウは、待ち伏せするライフスタイルから、
「動かない」「飛ばない」「鳴かない」を極めた鳥です。

動くのが面倒臭いわけじゃない。

よく「落ち着きがない」と言われる僕も見習いたいものです。

でも、生息数は年々減っているといいます。

日本の動物園でも、繁殖に成功していません。

なかなか神経質で、難しいのだそうです。

せっかく展示が多いのだから、繁殖のほうも頑張ってもらいたいですね。

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