オオミズアオ:手乗りもする都会にもいる美しい蛾は飼える?

オオミズアオの画像 節足動物

あなたは蛾が好きですか?

…………お好きな人はあまりいないでしょうね。

蝶はイメージがいいのに、蛾は人気がありません。

僕も部屋に蛾が入ってきたら、殺虫剤プシュ―です。

きっと蝶なら、優しく外に出してあげると思うんですが。

でも、美しい蛾だっているんです。

僕が好きなのはオオミズアオ

大きくて、ちょっと怖いけど、とてもきれいな蛾なんです。

オオミズアオは最近「顔が可愛い」「モフモフしてる」とひっそりブレイク。

飼育したい人もいるんだとか。

今回はオオミズアオのいろいろを解説。

さらに他のきれいな蛾にも触れてみたいと思います。

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オオミズアオってどんな蛾?

まず、オオミズアオの勉強をしましょう。

勉強ってほどのことはありません。

薄緑や水色で、ステルス戦闘機みたいな形の、でっかい蛾を見たら、たぶんそれがオオミズアオです。

羽を広げると10~12cm。

羽には黄色の小さい丸模様がポツンとあって、前翅の前方縁の赤いラインもエレガント。

「月の女神」とも呼ばれています

北海道から九州の、山でも住宅地でも見ることができます。

成虫が見られるのは初夏と真夏。

モフモフした胴体。

葉っぱ型のアンテナみたいな触覚。

これはヤママユガの特徴ですね。

わかりやすい蛾なのですが、オナガミズアオという近種もいます。

近種オナガミズアオとの違い

オナガミズアオもきれいな蛾です。

ただオオミズアオとの区別は難しい。

色、形、大きさ、羽模様がほとんど一緒なんです。

僕は、とまっている形が

逆三角形(▼)ならオオミズアオ」

「上が尖った三角(▲)ならオナガミズアオ」

と割り切っているのですが、そう単純でもないようです。

オオミズアオは羽に丸みがあり、丸模様の形はいびつ。

対してオナガミズアオの羽の縁は鋭角で、丸模様は真円に近い。

赤いラインもオナガのほうがくっきりとしています。

とはいっても、微妙な違い。

見分けるのは大変だけど、なんとなく違いを覚えておけば、観察も楽しいですよね。

よく見たいのであれば、いっそ飼ってしまえばいいのです。

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手乗りもするよ!オオミズアオの飼育

美しいオオミズアオは、人懐こいことでも受けがいいです。

成虫も幼虫も、手を出すと乗ってくる。

「手乗り蛾」です。

人懐こいのか、危機感がないのかは不明ですが。

毒はないので大丈夫です。

人によっては幼虫でかぶれることもあるかも

それで飼育する人もいる。

でも、成虫はすぐに死んでしまいます。

オオミズアオはカイコガと同じで、成虫の仕事は繁殖だけです。

成虫の寿命は1週間くらい。

餌も食べない。水も飲まない。

その間に交尾して、子孫を残すわけです。

餌やりもしなきゃ成虫を捕まえてきても、ただ閉じ込めただけじゃないですか。

「さあ子作りだ」ってところで邪魔されたら頭くるでしょ。

なので、僕個人としては幼虫を飼育し、羽化したら自然に還してあげる飼育をおススメします。

幼虫の捕獲と飼育法

「じゃあ幼虫はどこにいるの?」ですね。

幼虫が好むのはサクラ、ウメ、リンゴ、ブナなどです。

家庭の庭木にいることもあります。

わりとどこにでもいる。

オオミズアオの幼虫は「トゲトゲしたアオムシ」と思えばいい。

見た目怖そうですが、おとなしいです。

手乗りするから、捕まえるのも簡単。

トゲはちょっと痛いので注意!

桜の季節が終わった頃から見られるようになり、小さい時はヒョウ柄の毛虫って感じ。

大きくなるとトゲトゲしてきて、8cmくらいにもなります。

捕獲の際は、餌となる幼虫がいた樹木の葉も頂いておきましょう。

容器に幼虫と餌の葉を入れておけばいいだけです。

あとは時々、糞を片づけるとか、軽く霧吹きして乾燥を防ぐくらい。

大人の人指し指くらいになったら、サナギになるのも近い。

もちろんマユガですから繭も作りますよ。

夏には羽化するので、夏休みの自由研究にもピッタリ!

飼育すれば愛着も湧くし、蛾の面白さを再発見するかもしれません。

オオミズアオ以外にも美しい蛾は多いんですよ。

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まだまだいるぞ!ビューティーモスの世界

蛾が苦手な人は多い。

あなたも「蛾はちょっと……」と嫌っていませんか?

蛾は「夜に飛ぶ、気持ち悪い蝶」みたいな印象。

でも、蛾と蝶を含む鱗翅目のグループでは9割が蛾です。

蝶は蛾から派生した少数派です

蝶より蛾のほうが圧倒的に多い!

きれいなヤツがいないわけがありません。

華やかな蝶に負けない蛾、ダークゴシックな蛾、ユニークな蛾……。

そんな美蛾が下の動画で一部紹介されていました。(BGMで笑っちゃった)

10 Most Beautiful Moths

日本はきれいな蛾が多い

日本にいる蛾は約5,000種。

日本で見られるビューティーモスも少なくありません。

オオミズアオが属するヤママユガはどれも模様が凝っています。

八重山諸島のヨナグニサンもヤママユガ。

羽を広げると最大30cmにもなる、世界最大の蛾。

褐色の派手な羽で、一見の価値あり。

本州・四国・九州で見られるキンモンガなど、蝶にしか見えない蛾もいます。

キンモンガは珍しい「昼間飛ぶ蛾」。

下の画像がそうですが、蛾の特徴でもある「羽を広げたとまり方」なのがお分りでしょう。

知らなければ、アゲハ蝶の一種に見えますよね。

キンモンガの画像

蛾は蝶にも負けない魅力があるんです。

まずは嫌な印象を取っ払い、改めて観察してみましょう。

オオミズアオを発見したら、手に乗せてみてください。

苦手な蛾が、意外と「かわいぃ~」になるかもですよ。

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まとめ

オオミズアオと、美しい蛾について紹介しました。

蝶はきゃぴきゃぴのアイドルって感じですが、蛾はシックな大人の女優というイメージ。

オオミズアオは分布が広く、出会うことも多いはずです。

しかし、数は確実に減っていると思う。

僕はもう何年も見ていません。

近種のオナガミズアオはちょっとヤバい準絶滅危惧種です。

せっかく街中でも見られるきれいな蛾なんですが……。

もし見つけても成虫の寿命はすぐ尽きるので、優しく扱ってやってくださいね。

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